でも、いのししたちは いのぶたくんを 受け入れてくれませんでした。「お前のような ブタの出来そこないみたいな奴は おれたちの仲間じゃない！」 「出て行け！」 いのししたちは いのぶたくんを いっせいに追い出しました。
いのぶたくんは、山のいのししに会いに行きました。 もしかしたら、目の前にいるのは 自分の親と兄弟かもしれないと思うと、いのぶたくんの胸は
ドキドキして期待で胸がはりさけそうでした。
そして アラさんもいっしょに 旅をすることになりました。ペットとして外国からやってきたアラさんは、このまま野生生活をしていると 外来生物として人間につかまって しまうからです。 しばらく行くと 分かれ道にさしかかり 大きな木の上にカラスがいました。カラスに いのぶたくんの親を知らないか 聞いてみることにしました。カラスは 山の方に 
いのぶたくんに似たいのししがいると教えてくれました。そして カラスのクロノスケもいっしょに来ることになりました。 彼もまた 都会から追われて来ていて ひとりぼっちだったからです。
あらいぐまのアラさんは 朝ごはんの木の実を 洗っているところでした。「食べ物を手に入れるのは大変なんだ。ペットとちがって自分で食べ物をさがさないといけないからな。木の実がなる時期は短いんだ。でも森には昆虫もいるし 川には魚やザリガニだっている。ザリガニはごちそうなのさ」 元ペットで 野生生活の長いアラさんは いろいろ生きていく方法を教えてくれました。
おばけの知りたがりの森から やっと逃げ出した二匹は、疲れて小川のほとりで ねむってしまいました。 そして 二匹は、目をさますと 川で何かを洗っている あらいぐまに気がつ
きました。
