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和解する力

2017年04月16日 | 心に残る言葉
「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」戦国時代のような反知性と暴力を肯定する昔に逆行させてはならないと、強く思います。
今こそ、内山節先生(今では「先生」とお呼びしたい)のコラムを読みたい、ご紹介したい。
東京新聞2月12日の「時代を読む」、2ヶ月ほど前の記事ですが、ご紹介します。





和を以て貴しとなす



「他者と和解できる」価値観
内山 節 (哲学者)      

 群馬県上野村にある私の家の天井裏に、ムササビがすみついたときがあった。ドタバタとうるさいだけでなく、たまっていた塵を集めて、天井板の隙間から私めがけて落としたりするから、結構たちの悪いいたずらをする。
 杉の葉などを集めてきて大きな巣をつくり、子どもを育てていたときもあった。これでは追い出すわけにもいかない。山のなかの家は、いろいろな生き物たちが忍び込んでくる場所でもあるのだから、それはそれでよいのである。

 村の暮らしで大事なことは何かと聞かれたら、私は「和解すること」と答えるだろう。自然とも、人々とも和解しながら暮らす。それが村の流儀だ。我慢して和解するのではなく、和解できる世界で生きていることを楽しむのである。

 そんな村で暮らしていると、いま私たちはいろいろなものと和解しなければならないときに、さしかかっていると思えてくる。自然を征服しようとした時代から、自然と和解する時代へ。人間同士も、対立ではなく和解が必要になっている。いろいろな考え方をもっている人たちが対立するのではなく、和解しながら世界を作っていくことが本当は必要だ。

 だが現在の世界は、対立を深める方向に向かっている。トランプ政権の成立は、その象徴だった。ヨーロッパでも国家主義政党が力を増し、アジアでも国々の対立が高まっている。

 なぜそういうことが起こってしまうのだろうか。その一番の理由は、現代世界が自分たちの利益に基づいて展開していることにある。経済活動は自分たちの利益を追求し、国家は自国の利益を拡大しようとする。経済活動も国家も、求めているのは自分たちの利益の最大化であり、他者との和解も、和解することによって自分たちに利益がもたらされるかぎりでしか成立しない。

 企業は自分たちの利益を最大化しようとして非正規雇用を増やし、ときには市場の拡大を狙って貿易戦争を仕掛けたりする。そして国もまた、つねに自国の利益の拡大をはかっている。現代世界は、そういう構造の下で展開している。

 だからトランプ大統領のいう米国ファースト、米国第一主義は、現代の世界のあり方を正直に表明したものにほかならない。ただし、それをむき出しのかたちで言わなければならないほどに、米国の凋落(ちょうらく)がすすんでいることの証明でもあるのだが。

 私たちはこれから、さまざまなものと和解できる暮らし方、和解できる経済活動のかたち、和解できる国のあり方を探っていかなければならないのである。その出発点には、自然との和解やコミュニティーや地域との和解がある。

 そして、経済活動は自分たちの利益のためにではなく、よりよき社会をつくるための道具であるということを再認識するところから、他者と和解できる経済のかたちを見つけ出していかなければならないだろう。もっともそれはソーシャルビジネスとして、すでに芽生え始めているものでもあるのだが。

 他者と和解できる国のかたちを含めて、そういうものを見つけ出していかないと、私たちはますます対立の中に投げ込まれてしまうだろう。現在の世界の動きは、不気味さを示している。つくり出さなければいけないのは、他者と和解できる社会のかたちである。
 
 


壊れつつあるもの、すでに壊れているのにごまかしているもの、そして次に生まれてくるもの、すでに次の時代のために芽生え育ち始めているもの。
私たちは、どちらの方向を目指すのか、どこを頼りにするのか、気づいて新しい船を作るのも、対立の中に流されていくのも、自分次第なのかもしれません。





★内山節氏の「時代を読む」

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