小さな庭の花日記

つるバラを中心に宿根草や山野草を植えてナチュラルな庭作りをしながら、DIYでパーゴラやサンルームを設けて楽しんでいます。

もうひとつの贈り物☆

2017-07-09 | だんなブログ
みなさま、ご無沙汰しております。

久しぶりのだんなブログです。

先ず、現在も続いている九州の豪雨災害で被害に遭われた方々、避難されている方々に、心から御見舞い申し上げます。
我が家でも、あらためて防災意識を持ちつつ、この週末から事前の備えを始めました。
日本全国、明日は我が身という気持ちで日々を過ごしていくことが必要だという思いを強くいたしました。


さて、先日の庭主のブログでもありましたが、先日は私の亡き母の命日でありました。
母を見送ってもう五年も経つのかと、時の流れの速さに驚くばかりです。

私が母に贈ったものが、庭主が紹介してくれたバラの他に、もう一つあったのですが、今回はそのことを少し書いてみたいと思います。



時間を五年前に巻き戻すと、母は病院で数か月の間、呼吸器の補助を付けながらの入院生活を送っていました。
のどには呼吸器がありましたので、母は声を出すことが出来ず、意思疎通がなかなか難しい状態でした。
身振り手振りで一生懸命訴えるのですが、解ってあげることが出来ずに、その度お互いにもどかしい気持ち。
そんななか、筆談ならばとミニホワイトボードを用意してみたのです。

ペンを握る力もほとんどない手で書いてくれた言葉が「まんじゅうがたべたい」でした。
はて?それほど好きでなかったのに?と思いながらも、何種類かのまんじゅうを買って母親に見せたところ、どれも首を横に振ります。

家族みんなで、どうしたものか困惑していると、今度は「おやき」とリクエストが。
おやきとは、信州のローカルフードで地粉で作った皮で色々な具材を包んだものです。

なんだそうか!と、さっそくおやきを数種類買って母親のもとに。
ところが、これを見ても母は違うというそぶりで、さすがに困り果ててしまいました。

その日は家族それぞれ家に帰宅したのですが、それから家でも会社でも、母はなにが食べたいのだろうと思案し続けて数日経ったとき、ふと思い出したのです。
私が実家にいた学生時代に、母が地粉で手作りしてくれた小豆あん入りのまんじゅうのことを。

それは、地粉をこねて作った生地で、これまた自家製の小豆あんを包んで蒸かした後にかるく焼いた、母のオリジナルでした。
一度にたくさん作ってくれて、大皿いっぱいに積まれたそれは、見ただけで幸せになったものでした。
これなら、最初に「まんじゅう」次に「おやき」と言ったというのも納得出来ます。

いくら三歩歩けば忘れる酉年生まれの私でも、いくらなんでも程があります(汗)
それでも気を取り直して、おやき探しです。

しかし、ここでまた問題発生。
母のオリジナルに近い、厚皮のおやきがないのです。
小豆あんを具にしているのは定番なのですが、まわりの皮が薄い(・_・;)


( 画像をお借りいたしましたm(__)m )


一軒だけ知っていた、厚皮おやきの地元の老舗は、長期の臨時休業中と。。。

何日か掛けて回った店がすべてアウト。
途方に暮れた私は、自分で作ってみようかと地粉を手に取りましたが、作り方がわかりません???

そんなこんなで諦めかけましたが、偶然通りかかった路地で「手作りおやき」の看板を見掛けて入ってみると。
母のオリジナルほどでないにしても、まぎれもなく厚皮のおやきがそこに!

店のオーナーさんに聞くと、やっぱりこのタイプは今はうちくらいかもねぇ、との返事に頷きながら。
そうですよねぇ、ほんと助かりました!とお礼を言いつつ、おやきを抱えて奥さんと一緒に病院へ向かいました。

これならきっと食べてくれるね!と二人で病室に入ると、あれ?いつもは静かな病室が慌ただしい雰囲気。
母のベットを担当の先生や看護師さんたちが囲んでいます。
看護師さんからは「午後から高熱が出て昏睡状態です」

この日から数日後に、おやきは食べてもらえないまま、バカ息子は母を見送ることになりました。

母のことを何も知らなかったなぁ、と親不孝を再認識した私は、母が作ってくれたおやきの記憶をたどりながら作ることになるのですが、その顛末は機会があればだんなブログで(^^;



今年は、小豆の餡が間に合わなかった事もあり、おやきの皮とほぼ同じレシピの生地を使って母が作ってくれた「薄焼き」が、もう一つの贈り物でした。



母のレシピでは、これに信州味噌をつかった味噌ダレを付けて食べます。



私事の、しかもローカル120%の話題でしたが、あえて紹介させていただいたのは、御家族や御親戚など皆さまにとって大切な存在から、好きなこと、好きな食べ物、レシピなどを傍にいてくれるうちから一つでも教えてもらっておくと、私のような後悔をすることも少しはなくすることが出来るのかなと、老婆心ながら長々と綴ってみた次第です。

ありがとうございましたm(__)m



最新の画像もっと見る