昭和・私の記憶

途切れることのない吾想い
生涯の記憶を切取らん

 

10時になったら、帰ります

2017年01月25日 | 5 青春のひとこま 1973年~

「おとうちゃん、おそいな」

なんとなく、もの哀しい想いで以て
母と二人、テレビを視ていた
親父は未だ、帰ってこない

見知らぬこの町 さまよい来れば
遙かな想いで 胸によみがえる
友を求め行く 旅ははてなしサスライ
・・・
テレビ映画 「名犬ロンドン物語」 の主題歌である
(読売テレビ 毎週木曜日 午後9:30~10:00 昭和38年~40年 放映)

昭和40年(1965年)
巷では、アイビールックが流行した、この年
アイビーなんか、ほど遠く
家族五人で寄り添って生きていたのである
 
小学校5年生・11歳の私は
母と二人で布団の中で 「名犬ロンドン」 を視ていた
6畳一間
二人の妹は既に夢ん中、横で眠ってゐる

テレビでは、提供のCM
「かぜをひいたらルル、熱もでてきたルル・・・くしゃみ三回、ルル三錠」

「おとうちゃん・・おそいな」

又酒に酔って帰ってくるのか・・

そして、愚図っては、母を困らせるのだらう

夜中、口に指を突っ込んで、洗面器にゲロを吐くのだろう

そして、母が甲斐甲斐しく、背中を さするのだろう

・・・と

朝、目が覚めると、横には、親父が眠っていた

枕もとには洗面器が置いてあった

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 「10時になったら、帰ります」

昭和49年(1974年)

社会人二年生・20歳の私

会社の先輩・小久保望さんの、高槻の摂津富田にあった
新婚ホヤホヤ家庭に 度々よばれた 

そして、食事しながら 会話した

そこで、私しは 決まって 私し を 力説した

それでも彼は、そんな私の言う事を ちゃんと聞いて呉れた

きっと、兄のような心持であったのだらう

嬉しくなった私、増々調子にのって 私し を 力説した

ネッカチーフをした奥さんが、横に坐って只微笑みながら、聞いていた

居心地の良い時間は、あっという間に経つ

時刻は10時

摂津富田までは、約1時間の道程りである

「そろそろ、帰ります」

「泊まって帰ったらいいのに」

と、親切に言っては呉れたけれども

私は

泊まるわけには、ゆかなかったのである

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「名犬ロンドン」 を、見終わった後

「お母ちゃん、もう寝たらええのに・・」

「お父ちゃんは、泊まって来ることは いっぺんもないんで


「なんぼ酔うちょっても、帰ってくるんで」

・・と

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