昨日，再生医療に関するビックニュースが入ってきました．
すごいですね．生命倫理の議論を大きく方向転換させるのでしょうか．マスコミの多くの論調はそうでした．これで倫理問題を「回避」できるぞと．．．
しかし「５号館のつぶやき」さんのブログによると．．．
「遺伝子を導入したということから、遺伝子治療と同じ危険性をはらんでいる」ので「このまま医療には使えない」のだそうです．
テレビでインタビューされていた山中教授も，「まだマウスでの実験段階ですから」と，クールに答えておられました．待ち望んでいるのは「我々」であって，当の科学者たちはいかにも冷静なものです．
しかし，こういった方法は，誰もが一度は試していることであり，大学生でも思いつくアイデアだったそうです．幸運を掴み取るカギはどこにあったのでしょう．
ワタシが夢想するに，こういった「発見」（研究・実験）を生み出す原動力の一旦（つまり科学者が別の方法を見つけようとするモチベーションの高さ）は，今回で言えば，一般まで広がった「生命倫理」の概念に対する研究者個々の受容度が，大きく関わっていたのではないかということです．
受精卵（胚（はい））を使うことは倫理的に許されないということをどこまで納得できるかによって，新しい方法へ向かう勢いが違ったのではないでしょうか．つまり，待ち望んでいる「我々」の声をいかに聞いたかということではないかと．．．
それまでの王道なり馴染んできた考え方，あるいは自己を捨てること．これは非常に難しいことですね．．．．ここに自戒を込めて書き留めておきます．
