浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

韓国の「広場政治」

2017-03-08 08:47:27 | その他
 『世界』4月号の、李起豪の「「ろうそく集会」は大韓民国の歴史を変えられるか」は、日本の民主主義を考える上で大きな示唆を与えてくれる。

 毎週土曜日、「ろうそく集会」が開かれている。朴政権に対する批判は、崔順実の胡散臭い事件からではなく、昨年7月からの「保守の忠犬」といわれていた『朝鮮日報』と朴政権との一戦から始まっていた。その後メディアが、次々と朴政権の不正や腐敗を暴いていった。

 そうした不正や腐敗に抗議する人々が次々に「広場」に集まり、抗議活動をはじめたのだ。

 李起豪は、こう記す。

 今回のろうそく集会は韓国現代史のターニングポイントといえるだけの歴史的評価を受けるに値する。今回のろうそく集会は、社会正義を根本的に実現し、〈市民主権〉を持続的に確認させていくことを意図した自発的な集団による政治実験の場となっているからだ。

 そのような場を、李は「広場政治」と呼ぶ。青瓦台政治ではなく、汝矣島政治ではなく、「広場政治」と。

 市民たちは、「舞台の主人公は常に大統領府や汝矣島で、市民は客席で餅でも食べながら見物していろという〈劇場政治〉の幕をここで閉じさせようということ」であると指摘する。

 「劇場政治」ではなく、「広場政治」。

 その「広場」では、「怒りを希望や喜びに転換させる共感の政治を経験」し、「彼らが作り出す共感と連帯意識は、彼ら自身を治癒して新たな政治エネルギーを作り出す」。

 「広場」では、「市民発言台」があり、高校生も発言する、「歴史を学ぶことも大切だけど、私はここで歴史をつくりたいんです」。

 李は、朴政権の不正や腐敗にまみれ、排除と対決の政治の数々を明示して、最後にこう記す。

 〈広場政治〉とは、〈市民主権〉を歴史の現場に復元させ、新たな歴史を開こうとする市民たちの意識を、〈広場〉に集まって互いに確認しあう過程から始まった、市民たちが作り出した大いなる新たな歴史の流れである。

 日本は、そうした「歴史の流れ」を作り出していない。韓国の〈広場政治〉から学ぶべきことは多い。

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