月夜に惨殺されたオオカミとそれを見ていた物静かなヒツジ

僕という人間が書きたいことを書いて自己満足する空間です。

ヒヨコ

2009年11月15日 22時35分23秒 | よくわからないもの。
壊れかけのヒヨコ、今もここで泣いている。
明日のことも見えなくて、寂しくなって泣いている。

思い出すほどの記憶もなくて、
忘れるほどの記憶もなくて、

わずかにある温かな記憶、胸にかかえる。
決してこぼしてしまわぬ様に。

旅立つ日が来たとき、周りに見える無数の光
目指す場所はみんな同じ。

終わった時から始まる世界。
小さな光は集まり、やがてひとつの大きな光に。

夢を忘れたヒヨコ、前が見えずにじっとしてる。
孤独に心を押しつぶされて、手の中で静かに消えてった。

明日に繋がる道を失い、昨日に帰る術も失い、
今日に留まることも出来ずに、泣くことも出来ず消えてった。

偽りの涙が頬を伝い、またいつもの日常に戻る。
記憶の片隅にある光、きっとまた探し出す。
何のためでもなく、誰のためでもなく。