すこぶる…日記 

室長のアートな日々

アート情報

2016-12-20 21:18:56 | 日記
 私が今もっとも見たい画家の回顧展は、ドイツ・ルネサンスを代表する画家「ルカス・クラーナハ」です。先日、BSの美術番組「ぶらぶら美術博物館」で、東京の国立西洋美術館で開催中の大規模な回顧展である「クラーナハ展 五百年の誘惑」(2017年1月15日まで)紹介されていました。もちろん夢中で見ました。その時、東京だけの開催かと思っていたら、新聞にこの展覧会が、国立国際美術館(大阪・中之島)で、2017年1月28日(土)~4月16日(日)まで開催される告知を見て望外の喜びを感じました!

 画家ルカス・クラーナハに興味を持ったきっかけは、仏文学者「澁澤龍彦」(1928~1987)の著書に載っていたクラーナハの裸婦像の図版を見て、この画家に関する著者の文章を読んだ事からです。

 ― クラナッハ独特の裸体画について、もう一度だけ述べるとすれば、そこに登場する女たちは決して文字通り全裸ではなくて、ほとんどいつも必ず何らかの装身具を身におびているということを指摘しておくべきだろう。クラナッハ以外に、こういう配慮を見せている同時代の画家は多くはいない。完全な裸体よりも、何か少しアクセサリーを身にまとっているほうが、むしろ裸体を強調し、見る者に対してエロティックな情緒を喚起するという、心理学上の事実をクラナッハはよく知っていたかのごとくである。

 たとえば犬の首輪のようなネックレスをつけ、腰にはきらきらした金属のベルトを巻いた女がいる。腕輪や指輪をつけた女がいる。円錐形のとんがり帽子や、広い縁の帽子をかぶった女がいる。胸や腰のあたりに、完全に透けて見える薄物をまとった女がいる。ボードレールが礼賛したような、金属や宝石の硬いきらめきは、肉のやわらかさに対して或る種の効果を発揮しているのである。これこそクラナッハの裸体画の特徴というべきで、ユディットやルクレチアのようなサディスティックに、これはまさにぴったりといってよい。
        澁澤龍彦著「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」(学研M文庫)より

 こんな素敵な文章を読むと、ますます「クラーナハ展」が見たくなります!
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