すこぶる…日記 

室長のアートな日々

北斎

2017-01-17 21:57:18 | 日記
 先日、Eテレで放送された「日曜美術館」の北斎特集を見ました。ゲストが北斎研究者の浅野秀剛氏(あべのハルカス美術館館長)。今回は、北斎の晩年に注目した内容でした。

 この番組を見て知ったのですが、あの代表作「富嶽三十六景」は、七十歳初めの作品。続いてグラフィックアートの傑作と言われる「富嶽百景」は、七十五歳の作品。そして、信州小布施の祭屋台の天井画「鳳凰」「竜」「怒濤図(男波、女波)」は、八十五歳~八十六歳の作品。

 七十五歳の時「冨嶽百景」を仕上げた時の北斎の言葉が、「七十歳までに描いたものは、じつにとるにたりないものだ。七十三歳でようやく生き物の骨格や草木の出生を悟った。八十歳になればますます腕があがり、九十歳で奥義を究め、百歳になれば神技といわれるだろう」。

 晩年になっても輝き続けた画狂人「北斎」(1760~1849)。恐るべし!

 浅野氏によれば、五月にイギリス大英博物館で「北斎展」を開催し、その後その内容のまま、大阪のあべのハルカス美術館で秋(10月6日~11月19)に開催されるそうです。その中で、大作「祭屋台の怒濤図(男波)」が展示されるそうです。これは、期待度大です!

 北斎と言えば、北斎の娘「阿栄」を主人公にした杉浦日向子のコミック作品「百日紅 上・下」(ちくま文庫)は、北斎を知る上で、貴重な資料になる作品だと思います。興味のある方は、ぜひぜひ。