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菊池誠阪大教授の「3県検診は過剰診断」説の謎

2017-03-21 07:44:40 | 原発
過去数日間に菊池誠と少々のやり取りがあったのだが、その中で彼の主張で滑稽なものがあったのでメモがてら、紹介しておきたい。


菊池誠曰く、甲状腺癌について『大人の事例では死亡率が改善しないというエビデンス』がある、ということで、次の2つを根拠として挙げている。


Ahn HS et al., Korea's thyroid-cancer "epidemic"--screening and verdiagnosis., N Engl J Med. 2014 Nov 6;371(19):1765-7

>http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1409841


この死亡率変化につき尋ねた所、

メインのグラフは
http://www.gepr.org/ja/contents/20151109-03/ …
に解説されています



>http://www.gepr.org/ja/contents/20151109-03/

ということで、越智医師の解説文を提示してきた(リンク先抜けてた、追加しました)。


さて、これら2つは、最初に紹介した同一論文を根拠としているものである。中身は一つ、ということだ。

この論文をもって、菊池誠の言う『大人の事例では死亡率が改善しないというエビデンス』の根拠として採用することはできない。

えっ?なに?
元論文をオレが読んで確かめたのか、って?
論文を読んでないのに採用できないと断定できるのか、って?


ええ、まあ、できますね。読む価値すらない。
オレは具体的数字を挙げてみろ、と求めたからですよ。
だって、もし菊池誠が元論文を読んでおり、変化の中身を具体的に分かっていたなら、次のような記述をもってオレに反論してくることは、極めて簡単だから、です。


<例>
韓国の甲状腺癌検診の開始以前の○○年までは、死亡率はAだったが、開始以後には死亡率はB(平均推移?5ないし10年毎の比較?)で、有意差がない(変化がほとんどない)。


一般的に、採用できるエビデンスというのは、この程度は求められるでしょう、ということだ。菊池誠は大学教授らしいので、これくらいのことを考える知能は有しておるであろう(あくまで希望的観測だが)。そもそもオレの質問に対し、追加で越智医師の論説文を提示してきた時点で、彼の説明力が極めて乏しいということは容易に想像がつく。


なので、読むまでもなく、採用できない、と言っているわけです。反論があるなら、きっと簡単にできるはずですよね?
<例>に示した言い分など、そう難しいものではないから、だ。元論文に書いてある通り、短く表現すればいいだけでしょう?(笑)



一応、オレが反論として示した論文も挙げておくね。

①Changes in the Clinicopathological Characteristics and Outcomes of Thyroid Cancer in Korea over the Past Four Decades
 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3704118/

②Standardized Thyroid Cancer Mortality in Korea between 1985 and 2010
 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4285027/

③Thyroid cancer mortality and incidence: A global overview
  C.L.Vecchia et al. i.j.cancer136(2015)


それから、ダメな例として挙げたランセット記事も。
④Overdiagnosis and screening for thyroid cancer in Korea
 http://thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)62242-X/fulltext

この論文中では①を引用文献としているが、「殆ど変化がない」と安易に記述してしまっているので、採用できない。元論文の主旨とは違っているからである。



参考までに、下らない人間ほど、ツイッター程度の短文でもって、つまらん印象操作?みたいな真似をするわけだが、例に漏れずアレですな(笑)。長く書くと穴がバレるからですかねえ?
Mケンみたいな連中と瓜二つだな。ツイッター脳、大勝利と。


前置きが長くなりましたが、菊池誠の示した「3県検診」に関する論文がこれ。


Thyroid ultrasound findings in a follow-up survey of children from three Japanese prefectures: Aomori, Yamanashi, and Nagasaki
>http://www.nature.com/articles/srep09046


これについての記事は、数日前に既に書いた。
>http://blog.goo.ne.jp/hamagikukai/e/e0c1af62b701dfdfdc0190d6ad215862


で、謎というのは、菊池誠の言い分が次のようなものだから、である。


過剰診断である可能性が高いです。理由は既知の罹患率よりも発見率が遥かに高いからです。ただし、個別例ですのであくまでも「可能性が高い」以上のことは言えません』

3県検診結果について尋ねた所、彼は過剰診断の可能性が高い、と主張したわけです。先のネイチャー掲載論文を読んで、過剰診断ということをどのように推定するに至ったのだろうか?
彼の思考過程が全くの謎なわけです。


一応、彼の「過剰診断」についての主張は、次のようなものです。

過剰診断とは、生涯にわたって症状を顕さない癌を発見してしまうことですよ。発見された個々の癌を見ても、それが過剰診断かどうかは分かりません。ただ、検診によって発見数が異常に増えた場合に過剰診断があったことがわかるだけです。個々の癌について、それが過剰診断かどうかは判定できません

甲状腺癌に過剰診断が多いというのは別に僕の独自説ではなく、近年の韓国の例でも過剰診断が多く発生したという論文が出ています。発見してしまった癌が過剰診断かどうかは分からないので、検診による発見数の増加分から「将来症状を顕すと考えられる数」を引いた分が過剰診断です

つまり、彼の言う「過剰診断」というものは、

・生涯にわたって症状を顕さない癌を発見してしまうこと
・個々の癌について判定できない
・検診による発見数の増加分から「将来症状を顕すと考えられる数」を引いた分

だそうですぜ。


過剰診断、すなわち「将来症状を顕さない癌の数」
  =「検診で発見した増加分」-「将来症状を顕すと考えられる数」


これを3県検診結果で見れば、検診で甲状腺癌が見つかった数は1例のみ。これを過剰診断である可能性が高いと言うわけだから、

式に当てはめると、
  過剰診断 =1-0

ですよね?(発見された1例は過剰診断だろう、ということなので)
けれども、菊池誠は、過剰診断というものは、統計でしか分からず、個々の癌は判定できない、と言うわけだ。


ならば、いかようにして、菊池誠は、発見例の1例が、「将来症状を顕さない癌」である、と見抜けたのだろうか
しかもこれを判別できたのは、統計で、だそうだ。
「将来症状を顕さない癌」がどうやって分かったのだろうか?謎すぎる。


例えば、骨肉腫の10代の患者が1名いるとしよう。菊池誠のお説によれば、これが統計で「将来症状を顕さない癌」かどうか、というのが判別できるらしい。(菊池は、その統計を知ってるのかな?)

普通に考えれば、骨肉腫の場合、早期に治療しないという選択肢は稀であり、過剰診断が発生することも少ないであろう。
どうしてそのように考えるのか、というと、腫瘍の性質なり経過の特徴なりに基づく判断をするから、だろう。まさか「甲状腺癌はあまり死なないから、骨肉腫だって過剰診断を避け、治療すべきでない」みたいなことを言い出すことはできないだろう?


現実には、既に末期的で全身転移が進んでいると、手術しても手遅れ、というような場合には、外科手術を選択しないということもあるかもしれない。それは、患者の年齢、病状、疾患の性質、進展速度、患者や家族の希望、等々により、判断が求められるからだろう。平たく言えば、甲状腺癌と骨肉腫は、「進行速度が違う」ということが、基礎的情報として知られているということだ。進行速度は、過去の臨床例の蓄積で、ある範囲内の水準が分かっている、という意味である。


骨肉腫を手術しない、という選択は、例えば推定される残された寿命から見て、手術をしても延命できる効果が得られないか、僅かな延長ができるかもしれないが手術に伴う苦痛や自由時間喪失等の不利益が大きいと判断されるようなら、敢えて手術しないこともある、ということだろう。
そのような判断を支える基礎になるのは、やはり「骨肉腫という病気の性質」を知っていること、であるはずだ。


翻って、小児の甲状腺癌はどうなのか?
菊池誠は、「小児甲状腺癌という病気の性質」について熟知しているらしい(笑)。医学界でさえ、定説はないはずなのだが、どういうわけか菊池誠は「将来症状を顕さない癌」の鑑別基準を有しているらしいのだ。それを開示してみよ、と尋ねたが、何も言えないらしい。
そりゃ当たり前だろうね。


10代の骨肉腫が無症状でスポーツ外傷から偶然発見された、といった場合に、将来症状を顕すまで手術せずに待つべきである、ということは、まず言わないのでは?たとえ戦争に数か月内に従軍することが決まっている軍人であろうとも、だ。
それはどうしてか?
「骨肉腫」という病気の基礎的情報から、では?


菊池誠が「小児の甲状腺癌」という病気の基礎的情報を、そんなに知っているとは到底思われない。にも関わらず、3県検診結果の甲状腺癌について、「過剰診断の可能性が高い」と言えるんだそうだ。どこに、そんな根拠が?


あれか、

  発見された癌 =将来症状を顕す癌(X) + 将来症状を顕さない癌(Y)

という単純な式から、(X)は「菊池の統計」から分かるので、「目の前の癌は手術すべきでない、過剰診断だ」と決定できるとでも?


「個々には分からないが統計で分かる」論でもって、ある患者の癌を治療すべきかどうかが判定できる?

やれるもんならやってみなw


事後的にしか分からないなら、「手術すべきでない」とか安易に主張して、責任取れるのかというのも気がかりなところだ。常識がある人間ならば、そう思うんじゃないかねえ。


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1 コメント

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Unknown (そうですね)
2017-04-02 21:58:26
もともと過剰診断論は、がんの実数に変化がないと仮定したとき、検診の前後で死亡率が変化しないなら検診の意味がない、という主張なんですよ。
だから日常的な検査に対してはいえても、放射線被曝歴があるような場合はできない議論なんです。実数を変化させうる要素がある場合に、死亡率が下がらないから無意味、とかやってもそれこそ無意味ですからね。それは総説にも明確に書かれています。
http://www.bmj.com/content/347/bmj.f4706
”Thyroid nodules ≥5 mm and with ultrasound features suggestive of thyroid cancer and nodules in patients with a family history of thyroid cancer or a history of radiation exposure should be investigated by fine needle aspiration biopsy.”
ちなみに、米国の小児甲状腺がんのガイドラインでは治療の目的は死亡率の低減だけではなくQOLの改善も含まれており、またがんが進行した場合に使う放射線治療には二次発がんや死亡率の増加リスクがあるともされています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25900731
菊池誠はこれらをすべて無視しています。

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