Halloween Jack said・・・

自作の詩の展示。ゆるーいものから、硬いものまで。
ちょっとアングラ。

珈琲

2005-12-13 01:56:50 | 
 一人の女に固執する男は嫌い
一人の男に固執する女も嫌い
男女の未来は不可視だ

 でもこの一瞬
二人は静かに居りましょう
珈琲でも淹れましょう
星と一緒に居りましょう
月と一緒に居りましょう
その後 暫らくしたら 二人で
「下らない」と笑いましょう
静かにくすりと笑いましょう

 ある日ぶらりと 喫茶店に入ると
懐かしいコーヒーの匂いがした

冬の日に

2005-12-13 01:53:52 | 
 冬の日はなぜ悲しくなるのでしょう 
人間はいつだって 悲しい日には涙を流すものです
しかしながら 冬の日に 流れる涙は何かが違う
どこが違うのか 私にはわかりません
わかっちゃいないのです

 春、夏、秋、いくつ涙を流したことでしょう
友の死、祖母の死、感謝、別れ・・・
私の流した暖かい涙は
キラキラと キラキラと流れ落ち
私自身を慰めていたのかもしれません

 しかしながら 冬の日に 流す涙は何か違う
悲しいことは何もなく
それはあたかもスパンコール
キラキラと キラキラと光り輝き
ナルシスティクな恍惚を私に与える

 これはなぜかと考えたら
あの寒い冬の朝の すがすがしい空気が
私の古郷を思い出させるからかもしれません
望郷の念に囚われた ナルシスティックな涙で
私は冬を泣くのです

無題

2005-12-13 01:51:27 | 
 さてこんな時は 泣こうか、それとも笑おうか?

 病気の小児たちの親は
わが児の将来を憂いている

 こんな時は 泣こうか はたまた笑おうか?

 イラクの少年たちは
自らの将来を 案じ 憂いている

 こんな時は 泣こうか 笑おうか

 悲しいときに思わず笑いたくなる心境は 最高にポップだ
悲愴的、かつ幻想的だ

 ろうそくの火が消える瞬間に
俺は笑っているだろうか?


 できないことをしたがるのは 神も人間も同じだな

pierrot

2005-12-13 01:49:23 | 
君に伝えたいことがあるのに
何だかちっとも伝わらない
コーヒーが飲みたい 眠気を覚まさなくちゃ
君に伝えなくちゃ

 君に会わなくちゃいけないのに
なんだかとても怖い
無関心が僕を責める アピールするんだ
君に会わなくちゃ

 月の下で見詰め合っても 心通わないなら
男は怒る 女は帰る 男が踊れば 女は眠る
くる くる くる くる
女が怒る 男は黙る 女が踊れば 男も踊る
くる くる くる くる
繰り返し 繰り返し

GOD

2005-12-13 01:47:43 | 
神よ
私はあなたを信じたことがない
私は懐疑心の強い男だろうか?
しかし私から言わせてもらえれば 神よ
なぜあなたを信ずることができようか?

私はこんな世に産み落としたあなたを憎む
こんな形で産み落としたあなたを憎む
私たちがこの世でどんな目にあっているか
あなたは知っているのかい?

そのでっかい目で見てみろよ
そのでっかい手のひらで
世界を救ってみろよ
まぁいいさ わかってもらおうとは思わない
神に教えるなんて無理な話だから

頑固頭のあなたに一つだけお願いがある
生きてる内は何もいらない だから
私が もし死んだら 私の魂を
故郷へ 私の故郷へ運んでくれないか

夏は桑の木のにおいがして
冬は寒風吹きすさぶ
神よ あの故郷へ私を帰しておくれ
これだけが 私の願い

冬の音

2005-08-10 19:28:35 | 
悲しみが
電信柱に染み付く
夜に

 淋しさは
脊椎を通り
脳に
固定された

 この疎外された感覚
夜は俺をおいて行ったか
或いは
俺と止まっているか

 俺はもう
俺らしく
無く

 月も無く
あの電信柱も消えていた
足音も
足跡も

 俺は
ようやく見つけた
俺の
一部を拾い上げ
俺らしく
泣く

キサラギノ カナシササソウ ヨイコソハ
ハカナキセイノ スパイストゾオモウ

RUST

2005-08-10 16:57:57 | 
6月の雨に振り回されながら
生乾きの心は 何を欲しがっているのか?

 嘘でできたシルクと
偽でできた宝石で 飾られたドレスは
彼女を魅力的にしたが
俺の心までは変えられなかった

 ニセもガセも ウソもアイも
欲しくない
テロもゲロも カネもカコも
いらない

 欲しいモンはあれだ

 狸や狐の言うことは
もういらない
どっかの国のカウボーイ大統領も
デブ豚総書記も
もういらない

おれのほしいもんをくれよ

パブロフの犬

2005-08-10 16:57:20 | 
孤独のスーツを着て
ニセモノのブレスレット
虚勢でできたアンクレット
僕の両手は空っぽだ

 日常の檻にいて
道徳の首輪
去勢されたパブロフの犬みたいに
僕は丸まってちぢこまる

 刺激が無ぇ 過激に逝こう
空は今何色?
感激もねぇ 実感もねぇ
ここから早く出してくれ!

 ゴミじゃねぇ 神じゃねぇ
君は何色?
ぐずじゃねぇ クズでもねぇ
ここから早く出してくれ!



無題②

2005-08-10 16:56:53 | 

 当たり前のことしか書けないの
でも当たり前のことは人には言えないの
恥ずかしくていえないの

 悲しいことはいえるの
恥ずかしくてもいえるの
悲劇の役者を気取っているの

 誰しも何かを背負っているの?
そいつを互いに見せ合ってるの?
見せまいという人もいるけど
その人は強いの?
みんな誰しもそんな人に憧れるの?


   Ⅱ
 サンタ・マリアが泣いている
誰がために泣いているのか
私には見当もつかない

その妙に光って朝露のような涙は
いったい 誰がためか サンタ・マリア


   Ⅲ
 真っ赤な鮮血が
紫色の夜空を染め上げると
楽しいショーの始まりだ

 天使は行くあてもなく 彷徨って
その翼の片方を3ドルに換えた
これで今夜も生きながらえたと
悲しく笑って 地下にもぐる

 地下で待っていたキリストは
足をダンボールに突っ込みながら
「パンを買ってきなさい」と 慈悲深い目でおっしゃった

 幸福が厩の中にあるのなら
地下にあってもいいだろう?
ニタリと笑ったのは
ユダかそれとも俺か?

無題

2005-08-10 16:56:15 | 


 ある日考えた
 「この世の中でもっとも悲しいことは何だろう」
そいつはきっと愛する者が死ぬことだ
もっとも愛する者が死ぬことだ

 ふと思い直した
 「たとえ愛していたとしても 人間は
 他人を悲しむことができるだろうか」
心から悲しむことができるだろうか

 人間は結局 利己主義だ
感情といわれる物なんぞ
内にしか向かないものだ
人は他人に対して泣けはしないのだ
涙はただ自分のみに流る 

 最も悲しいのは 自分が死ぬときだ
最も愛する自分が壊れるときだ


  Ⅱ

 馬鹿な考えは しない方がよいのです
「最も悲しいこと」なんかこの世には無いのです
悲しみに底なんか無いのです

 「他人」だとか「自分」だとか
「利己主義」なんて無いのです
「悲しみ」の前では無意味なのです

 「自分の死」も「他人の死」も同じなのです
「愛」も関係ないのです
いずれあなたもお分かりになるのです

もしそれがわかるときがきたら
お逃げなさい お逃げなさい
先が真っ暗でも お逃げなさい