銀河鉄道拾遺

SF、かふぇ及びギター

レイラ進行

2016-03-29 21:59:18 | 日記
社内の引越しでえらい疲れた。早く帰っては来たがもう寝ないと。その前にひとつだけ、デレク&ザ・ドミノスがデュエイン・オールマンを迎えて制作した‘レイラ’(1970)は誰しもお聴きになった名盤と思うが、どん詰まりに来るタイトルチューンはいわゆる長尺曲で2部構成を取っている。激しい前半と打って変わって後半は、ピアノをフィーチュアした始終穏やかな楽曲だが、時折ものすごく切ない気持ちが胸にこみ上げてきて困ったという経験をお持ちの方も多いのでは。はー、青春だねい!とその一人である私はそう思ったが、一方でその気持ちが何処に起因するか、当時あれこれ考えてみたものである。いや正しくは耳コピの過程で自然とそれに思い至ったのだが、答えはピアノソロの締めに来るドミナント・モーション、B♭7(9) → C。 B♭7は本来のドミナントG7とほぼ同じ立ち位置にあり、和声法でいう所の代理コードである。
ピアノは誰あろうバンドのドラマー、ジム・ゴードンが弾いているのだそうだ。一夜の狂騒を描く1部が完成した後、ジムはやがて至るであろう諦念を伴った穏やかな境地を思い描いて、ひとりピアノに向かったのだと思う。その後ジムを見舞った悲劇やベーシストのカール・レイドルの死を思うに付け、私たちはこの深い悲しみを背負った美しい曲をいつまでも聴き続けることだろう。
さて何でそんな昔の時分のことを書き出しているのかというと、この‘レイラ進行’ (B♭7(9) → C、命名はモチロン私) が Steely Dan の Pearl of the Quarter(1973)にも使われていると気付いたからだ。ドナルド・フェイゲンはこの曲をレイラと同じハ長で書いている。自称ソングライターであるこの青年はサビをEから始めてリスナーをはぐらかし、直後、巧みな半音進行でやるせない歌詞をばっちりリスナーのツボにねじ込んでくる。しかし実は主部の締めに仕掛けられたレイラ進行が、見事なサビをいっそう際立たせるのに一役買っている、と私は睨んでいる。フェイゲンもジムのピアノにヤラれた口かあ、そう想像するだに愉快な気持ちになる
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2 コメント

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レイラの後半って (Mariyudu)
2016-03-30 14:47:27
リタ・クーリッジの「Time」の盗作なんだとか。当初、ドミノスのメンバー候補としてクーリッジも声をかけられて、スタジオ訪問の際に弾いて聞かせたものが無断でパクられた、とレココレだかのインタビューに載ってました。
Unknown (愛宕町私設リブラリ)
2016-03-30 23:24:28
只今、ようつべまで出向いて「Time」、聞いて参りました
名曲のウラっていろいろあるものなんですね、大変勉強になりました

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