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ぽかぽか春庭「長倉洋海vs西原理恵子「たった一人の戦場」を語る」

2017-04-06 00:00:01 | エッセイ、コラム
20170406
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記4月(2)「たった一人の戦場」を語る・長倉洋海vs西原理恵子

 3月25日に東京都写真美術館へ出向き、「フォトジャーナリスト 長倉洋海の眼 地を這い、未来へ駆ける」展初日を見てきました。(写真展報告はのちほど)
 いつもなら展覧会初日に出かけることはなく、たいてい会期最後のほうになって駆け込むのに、なぜ初日に行ったかというと、西原理恵子とのトークショウがこの日に行われると思い込んでいたからです。
 行ってみたら、トークショウは4月2日でした。3月25日は、写真展をみて、長倉洋海さんのギャラリートークも聞けて、図録写真集にサインももらいましたから、十分でしたが、やはり、西原理恵子との対談を聞きたかった。

 「え~、どうして対談相手が西原さんなのかな」と長倉ファンの私が言ったら、娘は則「カモシダつながりでしょう。戦場カメラマンだから」と。そうかそうか。娘は『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』のカモちゃんが好き。うちのが一番ショモナイチチと思っていたら、うち以上のすんごい父親がいると思うと、まあ、父親なんてそんなもんかと思えるのでしょう。

 4月2日日曜日、写真美術館の1階ホールで長倉洋海vs西原理恵子のトークショウを観覧しました。定員190名のホール、ほぼ満員。やはり西原理恵子の集客力はすごい。わたしも、他の人ではなく西原理恵子だから行ったのだけれど。
 長倉さんのギャラリートークもとても有意義で面白いのだけれど、西原さんも言っていたように、基本、長倉さんはまじめ人間で、ジョークやらおちゃらけたことは言わない。一方西原は、岩井志麻子と組んだりしたら、もうシモネタ満載。
 長倉vs西原となると、果たして話がかみ合うのかしら、という興味本位で出かけました。

 西原、しょっぱなは、いつもの通りシモネタから入りました。でも、西原のシモネタに長倉はどう受けていいのか戸惑ったようだったので、西原は「長倉さん、シモネタはだめなんで、やめます」と、後半はあまり下半身系なことは言わなかった。

 最初のシモネタ。サイバラにしては、上品なほう。やはりビジュツカンという場所柄からか。
 長倉が「人跡稀なシベリア極寒の地を旅した」という話をしたのを受けて、西原はアフリカガーナを旅したことを話し、ガーナは人だらけと言う。軽いジャブ「もう、子供がうじゃうじゃいた。それというのも、ガーナじゃ、オナニーなんか誰もしていなくて、男は女の中にだしてナンボだからね。子供がウジャウジャ産まれるわけだ」と発言。長倉さんが突っ込まないので、西原も以後、下半身トークはひかえめになった。アハハ、もっと聞きたかったのに。

 長倉が西原とのトークテーマを「たった一人の戦場」ということに決めたのは、自分もたったひとりでマスードが闘っていたアフガン奥地へ入ったり、内戦中のエルサルバドルへ行ったりしたけれど、西原理恵子もお連れ合いの鴨志田穣が戦場カメラマンだったこともあるし、たった一人で漫画界を生き抜いてきた、という気持ちだったのだろうと思います。

 私は、この「たったひとりの戦場」というタイトルから、もっと鴨志田穣の話がでるのかと予想したのだけれど、西原は、「前の男は」と「今のオトコ」を同じ分量で語っていました。私は『アジアパー伝』シリーズが好きなので、もっと鴨さんのことを聞きたかった。高須センセのことはあんまし興味ない。しわ取り整形をボランティアでしてくれるなら別だけれど。

 今のオトコ高須克弥については、彼がダライラマ14世と親交を深め、チベット亡命政府関係の若者を医師に育てるための学校を建設し、医者養成を行っていることなどを話していました。長倉はアフガンに「山の学校」を建設して支援を続けている、という話題に対して西原が高須のチベット医学校支援を話したのでした。

 ほかにも、超まじめな長倉さんのお話を受けて、西原の脱線気味ではあるけれど、絶妙にシモには落ちないところにとどめたトークがあれこれ続き、とても面白かった。

 2時から3時半までのトークショウ、最後の30分は聴衆からの質問に長倉と西原が答えるコーナー。
 「戦場取材において危険をどう切り抜けてきたのか」と質問した学生らしい男性に、長倉は「戦場といえども、ほんとうに危険な場所には近づかないこと」と、答えていました。
 鴨志田穣の師匠橋田信介も戦場で亡くなり、山本美香はシリア内戦取材で殺された。ロバート・キャパ、一ノ瀬泰造など、戦場でなくなったフォトグラファーは数知れず。生き伸びてきた長倉も、実際は危険な目にもあってきたのだろうけれど。

 質問した男性は戦場ジャーナリストにあこがれがあっての質問だったのかもしれないが、「戦場で危険を回避して生き伸びる方法」なんぞを質問する時点で、戦場ジャーナリストになることなどあきらめるべきだ。危険があることを承知で、出かけていくしか生きられないのが戦場ジャーナリストなのだろうから。

 最前列に座っていた女性からの質問「長倉さんが撮る写真を見て、人間を撮影するのには、人とのコミュニケーションが大事だということがわかったけれど、私は人とコミュニケーションをとるのが苦手で、どうしたらいいかわからない」と。
 長倉の答え。「あなたは、このトークショウを聞くために最前列に座っているのだから、私の話を最前列で聞きたい、ということを態度で示している。それがもうコミュニケーション第一歩。私も、撮りたい相手には、あなたが好きなのだ、あなたがとてもすばらしい人だと言うことを私はわかっているから、あなたの存在を写真に残したい、という気持ちを、相手に伝えようとする。言葉はわからなくても、身振り手振りでも気持ちは通じる」
 こんなふうに答えられる人だから、言葉が通じないところに行っても相手に気持ちを伝えられるのでしょう。

 海外でのコミュニケーションについて、西原は、海外旅行には必ず通訳を連れて行くけれど、「通訳は、遠慮ということをしらないオバハンが一番役に立つ」と言う。長倉は、基本は下手な英語で、スペイン語圏などでは片言の現地語、あとは身振り手振りでなんとかやってきた、そうです。

 シャーナリストやフォトグラファーは、基本、コミュニケーション能力がなければつとまらないのだろうけれど、岩合光昭はネコに好かれる何かを身につけているし、長倉は子供に好かれるコツを会得しているのだろうと、私は思っています。エルサルバドルのへスースも、カルロスもほんとうに素晴らしい表情で撮られています。

 私も最前列に座ったので、「このトークショウを聞きたくてたまらなかったミーハーファン」だということは、伝わったかも。しかも、3月25日のギャラリートーク後のサイン会で、列の一番最初に並んだオバハンが私。「春庭さんへ」と書いてサインもらいました。


 
 ほんとはね。私、髭落とす前の顔が好きでした。今もカッコイイと思うけどさ。
 これからも長倉洋海ファン、続けます。

長倉洋海と西原理恵子

ふたりとも顔をさらして仕事をしている人たちだけれど、↑は無許可撮影につき、肖像権問題とかおきたら、そのうち削除。自分の思い出に撮っておきたかった。ふたりとも好きだからね。

<つづく>
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6 コメント

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実を言うと (momosuke)
2017-04-06 18:08:18
長倉洋海さんも西原理恵子さんもよく知らないのでしたが、今、すこし知りました!
最前列の女性への答、いいですね。私も、長倉さん、好きになりそうです。
今度、虫の写真家、海野さんという方の写真展、それからトークショウに行きます。
最前列に座れたらいいな、と思いました。

春庭先生のカラオケ、聞いてみたいですわ♪
サイバラ (まっき~)
2017-04-06 19:49:31
ドクターと付き合うようになって、目にする機会がそれ以前の2倍3倍になりました。
リングドクター兼スポンサーとして、ドクターはよく格闘技会場に居ますので。

映画としては当たらなかったんですけど、サイバラ原作の『パーマネント野ばら』、すごくいいです。
ももすけさん (春庭)
2017-04-06 21:28:19
西原理恵子は、よくテレビに出てくるけれど、やはりマンガが一番いいです。この頃図書館にもマンガがおいてあるので、ぜひご一読を。

好きな写真家がいるっていいですよね。トークショウ楽しみでしょう。
いいお話が聞けますように。
ももすけさんの写真もとてもいいです。facebookでも拝見しています。
まっき~さん (春庭)
2017-04-06 21:34:01
サイバラのマンガ、原作を持っているのは少数で、たいていは図書館だけれど「パーマネント野バラ」は単行本もっています。
映画も、ギンレイ&テレビ放映と2度みました。好きな映画です。

高須センセとは事実婚のままいくみたいですけれど、もはや貧乏ネタは描かないかも。
トークショウでもFXで油断していたら一晩で一千万円損したと言っていました。
サインをいただいたのですね^^ (すみとも)
2017-04-07 19:09:57
春庭さんへ
   カメラを手に 地を這い天を駆ける
                長倉洋海

        素敵は筆致ですね。    いいなぁ~^^
   
すみともさん (春庭)
2017-04-09 05:17:30
なにせ、ミーハーのおっかけファンですから。最初の「長倉洋海全作品・地を這うように」にもサインをもらってあります。

彼の文字、暖かみがありますよね。

写真展にでかけて、ギャラリートークをきくことも何度かあり、、尊敬する同世代人です。

この人とともに時代を生きてきた、と感じられる人がいて、この人の眼をとおして世界を見つめてきた、と感じられるのは喜ばしいことです。むろん、私には彼のような透徹した眼で対象をとらえることはできませんから、彼の目を通して見る、ということがありがたい。

私にとって、辺見庸の文と長倉洋海の写真が、「私の良心」です。
現実の私は、毎日の生活にまけてしまうのですが。

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