松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

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二度とない人生だから

2015-05-05 | インポート

二度とない人生だからと言って みんなうまくは生きられない
寄り道だってしたくなるさ それが無駄だとわかっていても   泉谷しげる

「二度とない人生だから」というタイトルをみて、「坂村眞民さんの詩ね」と思った方には悪いけれど、そんな有名な詩はつかいません。泉谷しげるです。でも、なぜ泉谷しげるにたどり着いたかは後で書きますが、言葉を紹介する時、出典を明記するように心がけています。読んだ人が興味を持ってくれて、もっと調べたいと思った時の便宜を考えてのことですが、自分への戒めでもあります。
 自分への戒めとは、孫引きをした時の自己規制です。たとえ、孫引きであっても、なるべく原典への道筋をたどるようにしています。なーんちゃって。偉そうなことを書いたあとにナンですが、今回だけは誰の言葉かを明記したくなかった。オジンのフォーク歌手だから躊躇するのではなくて、紹介していない後半の歌詞が皮肉がききすぎていて、ちょっとネ。
 ところで、泉谷ファンでもない私が、どうしてこの歌へたどり着いたかというと、アップル社の創業者・スティーブジョブズの逸話の周辺を調べていたのです。どういう逸話かというと、ジョブズは毎朝鏡に映った自分に次のように問いかけたといいます。
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日これからやろうとしていることを本当にしたいだろうか」(上野陽子著『スティーブジョブズに学ぶ英語プレゼン』日経BP社刊)
 すっかり有名になったエピソードですが、この話を聞いて思い出したのが、坂村眞民師の「二度とない人生だから」という詩。私は眞民ファンではないので、本棚にその詩集はない。それで、インターネットで「坂村眞民 二度とない人生だから」と検索したら、泉谷しげるもヒットしてきたという次第です。
 泉谷しげるは坂村眞民の「二度とない人生だから」を読んでから歌を作ったのだろうか。それとも無関係なのか。井上陽水にも「人生が二度あれば」という歌がある。
「二度とない人生だから」あるいは「一度しかない人生」という言葉や逸話はたくさんある。たくさんあるということは、そのように生きられる人はごく僅かしかいない。あるいは、実践するのは難しいということです。そう思うと気楽になる。
 さて、話を冒頭の話題にもどします。引用時の出典の明記についてです。最近はコピーアンドペーストというのが問題になります。東京大学の学生がコピペで重い処分を受けたという報道もありましたが、あれは出典を明記すれば、セーフなのではないですか?借りたもので自分のものではないと宣言しないから、盗んだことになる。あるいは文章全体の分量からいって、許容範囲を越えた字数の引用だから問題になるのでは。
 許容範囲を超えた引用、あるいは出典を明記しないといえば、わが妙心寺教団の月刊誌『花園』5月号の某師の文章はひどいな。荻原井泉水の「豆腐ほど好く出来た漢はあるまい」を引用しているのだけど……。これ以上悪口を書くと,自己に甘く他人に辛い品性がばれてしまうからやめます。
 ところで、荻原井泉水の「豆腐」の随筆は、『豆腐哲学』という随筆にあると、齋藤茂太著『豆腐の如く』(佼成出版社刊)は書いてあるけれど、『豆腐哲学』というのが見つからないのです。あるいは、これに最初に注目したのは、妙心寺派の梅原諦愚という大先輩。先年、亡くなられたけれど、その方が自著の中で荻原井泉水の豆腐を紹介したのが広まったらしいのだけど、梅原諦愚師の書籍も不明なのです。梅原諦愚師の豆腐の話を朝日新聞の素粒子欄が書いたこともあるのだけど、それを採っておかなくて、今になって後悔している私です。この周囲を調べただけでも、面白いことが出てくるので誰か教えて!

 

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