松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

ホームページ(shoganji.or.jp)では書ききれない「今月のことば」の背景です。一ヶ月にひとつの言葉を紹介します

人びとがみんなきっとすみきった心を持てますように

2017-08-01 | インポート

〈もとの経文〉
願以此功徳(げんにすくくんてい)普及於一切(ふぎゅうおーいしい)
我等与衆生(ごてんいしゅんさん)皆共成仏道(かいきゅうじんぶどう)


〈和訳〉
願くはこの功徳を以て、普く一切に及ぼし、
我らと衆生と皆ともに、
仏道を成ぜんことを。


〈超訳〉
人びとがみんなきっとすみきった心を持てますように

開甘露門の世界―お盆と彼岸の供養
野口 善敬
禅文化研究所


八月は月遅れのお盆です。七月十五日が正式なお盆の月日ですが、俳句歳時記
はお盆を秋の季語に分類しています。旧暦と新暦と入り乱れて訳がわからなく
なってしまった。訳がわからなくなってしまったけれど、一ヶ月遅れのお盆の
方が雰囲気がでます。
そのお盆のことばを何にするか少し悩みました。去年が『子ども俳句歳時記』
からの一首で、一昨年も池田澄子句集から。その前の年は青山俊董師の寸言。
というわけですから、今年は経文の超訳にしました。お盆によまれることが多
い『開甘露門』というお経があります。よくよまれるということは、その意味
を解けば、仏教がお盆をどう考えているかがわかります。
『開甘露門』の結句に普回向とよばれる漢字五字四行の一節があります。冒頭
に掲げた〈もとの経文〉です。これを普通は書き下して〈和訳〉とします。
〈和訳〉の漢文書き下しても何となくわかるのですが、何となくわからないの
は「功徳」という言葉と「仏道」です。これをもう少しかみ砕かないと、つま
らない。経文の〈超訳〉といえば半年前に紹介した伊藤比呂美さんがうまい。
というわけで、調べてみたのですが、比呂美訳「普回向」はなさそうです。
で、しょうがないから比呂美訳「観音経」で「仏道」を、「きっとすみきった
心」と訳していたので、それを拝借して「願以此功徳普及於一切我等与衆生皆
共成仏道」を「人びとがみんなきっとすみきった心を持てますように」と訳し
たわけです。
「I love youは「月がきれいね」とでも訳しておけばいいんだよ」と言ったの
は夏目漱石だったとか。そんな『開甘露門』訳をだれか早く出してくれないか
なぁー、と思うお盆です。

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 正受老人の『一日暮し』より | トップ | 一大事と申すは今日只今の心... »
最近の画像もっと見る

インポート」カテゴリの最新記事