松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

ホームページ(shoganji.or.jp)では書ききれない「今月のことば」の背景です。一ヶ月にひとつの言葉を紹介します

ともかくも あなた任せの 年の暮  小林一茶

2013-12-03 | インポート

Issa_01「ナントカ任せ」という言葉を辞書でひいてみます。
「足任せ、運任せ、力任せ、風任せ、人任せ……」。
いろいろあるけれど、「足に任せて、行く先も決めずに歩いてみる」なんてやってみたいし、「風に任せて、旅する」なぞという風天もやってみたい。
風天といえば、れっきとした仏さまです。毘沙門天や帝釋天などの「天」に属する十二神将の一つです。もとはインドの風神だったとか。
「任せる」のついた熟語はどれもこれも魅力的で憧れますが、実現するには困難がともなう。たとえば、「風任せ」に旅にでるとしよう。まず、そんな時間を確保するのは難しい。それよりもなによりも、日帰りなのか、一泊なのか。風が異国へ誘ってくれたら、どうするのか。パスポートは持っているのか。お金はあるのか。なぞと、心配しだしたら、「任せる」のとは反対方向へ行ってしまう。「任せる」のは難しいのです。

さて、師走のことばは、小林一茶(1763~1827)です。
「いろいろな事のあった一年であったが、とにもかくにも、あなたのおかげで無事過ごす年の暮れだ」といった意味でしょうか。『おらが春』巻末、十二月二十九日の条からの引用です。問題なのは、「あなた」です。一茶は誰に任せきったのか。
一茶の「あなたは」は「阿弥陀さま」です。「南無アミダブツ」と仏名を念ずるわけです。浄土宗と淨土真宗の教えです。淨土真宗といえば親鸞聖人。親鸞さんの著作『正信偈』六十行百二十句の中で最も多い語は「信」だといいます。「信」の字を仏教語辞典で引くと、「心を澄んだ清らかものにする精神作用」とあります。「澄浄」です。そう分析すると、「任せる」ことの実体があきらかになってきます。
ならば、欲も夢もさらりと洗い流した澄浄な心で、ただただ運に任せて年末ジャンボを買おうかとおもうのですが、任せきっていないから、当たらないだろうな!

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