派遣村ブログ

実行委員会解散後、「年越し派遣村の必要ないワンストップ・サービスをつくる会」からの情報発信を行っています。

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年末年始の生活総合相談事業を受けての要望

2010-02-03 00:44:47 | 日記
                        2010年 2月 1日
緊急雇用対策本部本部長
   鳩山 由紀夫  殿
東京都知事
   石原 慎太郎  殿

  年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
   代表 宇都宮 健児(弁護士)、略称:ワンストップの会 
   TEL:080-3432-9023  Email:hakenmura@mail.goo.ne.jp

      年末年始の生活総合相談事業を受けての要望

 私たちワンストップの会は、貴職らが実施された年末年始の「
生活総合相談」事業(いわゆる「公設派遣村」。)に際して、「
つなぐ・つながる総行動」と銘打って、支援活動を実施してきま
した。
 今回、政府と東京都が協力して「年末年始の生活総合相談」事
業、いわゆる「公設派遣村」が実施され、派遣切りや解雇等で仕
事とともに住まいも失った生活困窮者に対して年末年始に屋根と
食事が提供されたことは大きな前進であると評価するものです。
しかしながら、その渦中に身を置いた支援組織として運営の実際
をみていくと、いくつかの重大な問題を指摘せざるを得ません。
政府と東京都が真摯な総括をおこない、恒久的な求職者支援制度
確立に活かしていくことを強くもとめるものです。同時に、長引
く不況を打開するためにも、大企業の雇用責任を明確化して雇用
破壊に歯止めをかけること、仕事づくりの大運動が求められてい
ます。
 以上の観点から、以下のとおり要望事項を提出いたします。国
と東京都が一致協力して、この要望事項の実現に真摯にとりくま
れることを強く求めるものです。

            記

1. 東京都および全国の「年末年始・生活総合相談」事業の実
施状況を集約し、正確な数字等を発表するとともに、その成果・
問題点を明らかにすること。特に東京都においては、事業を中止
した1月18日以降の進捗状況を利用者本人および市区町村等の実
施機関から集約して、事業の成果・問題点を教訓化し、今後に活
かすこと
 本年末年始には東京都をはじめ多くの自治体が「生活総合相談
」事業等を実施しましたが、その全国的な実施状況を把握し、今
後に活かしていくことが必要です。特に東京都においては、期間
中の広報が不十分で「無断外泊200名」など事実に反する報道が
続き、それが訂正されなかった点について強力な是正措置が必要
です。また、1月18日をもって同事業が終了となりましたが、それ
以降もワンストップの会には利用者からさまざまな相談が寄せら
れているところであり、18日以降の状況を集約して同事業の成果
・問題点を教訓化することが求められています。

2. 生活保護制度に関して、その適切かつ統一的な運用を再度
周知徹底すること。特に、派遣切り・解雇等の影響で住まいを失
った状況にかんがみ、アパートへの入居を原則とするとともに、
生活困窮状態を踏まえて下記の取り扱いを徹底すること
 派遣切りや解雇等に起因して住まいを失った労働者は、それま
で普通に生活し働いてきた人々であり、アパート等での生活を原
則として速やかに住居の確保をはかることを大原則とすべきです
が、今回も一部福祉事務所では一定期間の施設入所を原則とする
動きがありました。この点で、アパート確保が原則であることを
再度周知徹底すべきです。また、福祉事務所によっては家具什器
費に特別基準を適用しないとか、被服費や携帯代を出さないなど
の運用もみられるなど、利用を制限するさまざまなローカルルー
ルが報告されています。利用者の速やかな生活再建を保障するた
めに、適切かつ統一的な運用の徹底をはかるべきです。
① 住まいを失い所持金も底を尽きかけた労働者・市民の相談に
際しては、職権で可及的速やかに保護決定をおこなうこと
② 派遣切りや解雇等に起因する生活困窮から住まいを失った労
働者・市民については、速やかな住居確保による保護を原則とす
ること
③ アパート確保までの間は、ビジネスホテル等の個室をシェル
ターとして自治体が確保すること。それが困難な場合は、住宅扶
助の1.3倍額を適用してカプセルホテルやネットカフェ等の利用
を保障すること
④ 心身等の状況から、さまざまな支援制度を利用してもなお施
設保護を一定期間おこなわざるを得ない場合も、本人の納得を前
提とした上で、療養に適した公的な個室施設を確保すること。高
額な利用料を徴収し、門限等の制限の大きい民間宿泊所の利用は
おこなわないこと
⑤ 住まいを失い所持金も底をつきつつある窮迫状態の者の保護
を開始する場合は、速やかな生活再建を保障するため、家具什器
費等には特別基準を保障するとともに、被服費や公営交通機関の
フリーパス等を速やかに支給すること。また、住居確保や就労活
動に資するため、携帯電話代をすべての自治体で支給できるよう
にするとともに、連帯保証人や緊急連絡先の確保に関する支援を
制度化すること
⑥ 心身の健康・栄養状態の悪化や医療中断等の状況を勘案して、
保護開始時の健康チェックや必要な医療の提供等を徹底すること
⑦医療受診、入退院、医療単給で緊急対応した場合等も含め、症
状を悪化させることがないように、速やかに通院移送費を支給す
ること。
⑧ 女性や障害者、病弱者等に対して、その特性を踏まえた相談
機関、福祉制度への繋ぎ等、特別の支援体制を整備すること
⑨ 雇用状況に鑑み、過度な就労指導によって、利用者を追い詰
めることのないように配慮すること。同時に、生活保護希望者に、
自立支援センターや住宅手当の強引な勧誘は止めること

3. 増え続ける住居喪失者への支援を強化するため、シェルタ
ーの確保を抜本的に強化するとともに、政治災害という今日の雇
用破壊の状況を勘案して、生活保護費については全額を国の負担
に改めること。また、住宅政策を抜本的にあらため、生活困窮者
への安価な公営住宅の提供を大幅に増やすこと。
 住居喪失者の生活保護申請が増え続けていますが、シェルター
の確保がすすんでいないことが大きな問題になっています。そう
した整備をすすめた場合には「殺到する」などの不安の声が自治
体関係者から出されているもとで、政府が全国的な数値目標を明
確化するなどの強力な対策が必要です。同時に、今日の雇用破壊
の状況を考えるとともに、最低生活の保障という観点からいえば、
水際作戦を根絶するためにも、保護費の4分の1自治体負担をあら
ため、全額を国庫から支出すべきです。また、住居喪失者が増え
続けるもとで、安価な公営住宅の提供や家賃補助制度の抜本的な
拡充が求められています。

4. 「第2のセーフティネット」に関しては、住宅手当等の手
続きの迅速化をはかり、早急な住居確保、生活再建を保障するこ
となど、今回の利用状況を教訓化し、運用を改善するとともに、
貸付制度を改め、給付制を基本とした求職者支援制度を早急に整
備すること
 東京都における生活再建の利用制度の大半を生活保護が占めた
ことは、「第2のセーフティネット」の不十分さを示すものにほ
かなりません。実際に、住宅手当・生活総合資金等の手続きに時
間がかかり、途中から生活保護に切り替えるなどの事例も続出し
ました。手続きの迅速化をはかることが必要です。また、貸付制
度が大きな比重を占めていますが、これは今日の厳しい雇用情勢
のもとでは将来的な負債を負わせる危険が大きく、今後の恒久的
な求職者支援制度の整備にあたっては、その整備を急ぐとともに、
給付制を原則とした制度に改めることが必要です。

5. 不況の長期化・深刻化を踏まえて、給付期間の延長など、
雇用保険制度のいっそうの拡充を早急におこなうこと
 不況が長期化、深刻化するもとで、今回の「生活総合相談」利
用者の中にも、失業給付も切れ、持ち金が底をつき、ついには住
居を失った人が多数いました。雇用保険の対象を拡大し、すべて
の労働者を対象とした休業給付制度を整備するとともに、支給期
間の延長や支給額の引き上げなど、雇用保険制度の拡充を早急に
おこなうべきです。「第2のセーフティネット」の拡充、恒久的
な「求職者支援制度」の確立にあたっても、雇用保険制度の整備
・拡充が前提とされるべきです。

6. 日常的なワンストップ・サービス体制の構築をおこなうこ
と。特に実施機関の枠を超えた総合相談機能を確立すること。そ
のため、ハローワークや福祉事務所の定員を大幅に引き上げるこ

 年末年始においては、その特殊性から支援事業には制約が大き
いのが実態です。日常的なワンストップ・サービス体制を早急に
整備し、日頃から支援を強めていくことが必要です。ハローワー
クや福祉事務所等に各種制度に精通した総合相談員を配置すると
ともに、その人にあった生活再建策を提示・援助できる権限を持
った特別相談員を配置した機関等を整備する必要があります。ま
た、急迫状況にある方は速やかに生活保護につなげると同時に、
増え続ける相談に対応し、支援体制を確立するため、ハローワー
クや福祉事務所の人員を特別に増やすとともに、専門性の向上を
はかるべきです。

7. 派遣切りの規制強化など雇用破壊に歯止めをかけるととも
に、公的な就労確保を含めた雇用創出策を抜本的に強化すること
 セーフティネットの整備・拡充は喫緊の課題ですが、それだけ
では不十分です。労働者派遣法の抜本改善をはじめ、大企業の雇
用責任を明確化して雇用破壊に歯止めをかけることが不可欠の課
題です。同時に、公的な就労確保など、仕事づくりの国民的な運
動、中小企業への支援策を抜本的に強化し、雇用を創出する特別
対策が必要です。

8. 社会保障予算を増額し、生活困窮者への医療費の減免制度
などを拡充するなど、経済的理由から医療、介護、社会保障から
排除されることのないようにすること
 貧困と格差の拡大、制度改悪のもとで、経済的理由から医療、
介護、福祉から排除される者が増え続けています。特に住まいを
失った生活困窮者の心身の状態は深刻であり、特別対策の実施が
不可欠の課題です。

                                以 上



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