Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

他人事でない 熊本大地震

2016-04-19 11:39:02 | 社会・経済
先週より続く、熊本大地震は、これまでの震災とは大きく違う表情を見せている様だ。

まず、4/14(木)夜に生じた、最大震度7の強い揺れが、実は前震だった事。本震は前震からほぼ28時間後の4/16(土)未明に生じた方。ただでさえ夜間の地震で避難などの対応が整わず、又心理的に緩みが出易い所へ立て続けの激しい揺れだったのだから、被災された熊本地方の多くの方々の心身の疲労の大きさは察するに余りある。又、震度1以上の有感地震が500回以上と、観測史上例のない執拗で高頻度な余震の発生も特徴的。この事が、現地での救助救援や災害復興を困難にしているのも事実である。

分っているだけで犠牲数十名、負傷1000名以上、10万を超える方々が、倒壊の危険さえある避難所や居住の余裕のない自家用車内での寝泊りを余儀なくされ、熊本市内の電気、ガス、水道などのライフ・ラインはほぼ麻痺状態。鉄道、道路、航空網の寸断も一部を除いて続く。救援物資の送り込みは陸自を初めとする部隊の活躍などで、現地側拠点までのルートはできているが、現地側の各避難所への配送が、余震リスクでボランティア受け入れが叶わない事もあって、中々に進んでいない様だ。
中には、毎食の受け取りに2~3時間も待たされる所もあるとかで、こうした所までの警察、消防、自衛の各部隊などの広範囲な出動を可能にする法整備や、自治体同士で助け合う仕組み作り、それに県外の災害拠点設置など、多くの課題が浮かび上がっている。批判するのは容易いが、此度のこうした問題を良く整備把握して、次の災禍に活かす取組みこそが強く求められるだろう。気象関係の各位も、この「前例のない事態」に、情報の取り扱いや地震予測のあり方など、大変苦労されていると聞いた。慎重万全を期すなら、空振りでも良いから敢えて緊急地震速報を出す事を躊躇わない姿勢や方針も、一定理解をすべきであろう。

前述の、頻繁な強い余震が繰り返される地震のあり様は、前例がないのは分るが、今後も発生する可能性が高い。当地東海地方に暮らす我々も、此度の地震の被害状況、救命救助から復興へのあり方まで、その全てを良く観察して謙虚に学ぶ必要があると思うのだ。
まず避難。過去に例を見ない、強い揺れの繰り返しから成る余震は、耐震基準を満たした鉄筋の建物と言えど、決して盤石ではない事を我々に示したのではないか。その事から、例えその基準以上の居所に留まるにせよ、避難所へ移るにせよ、強い余震が繰り返される事も視野に入れて行動する必要がある様に思うのだが。勿論、人の心身も決して丈夫なものではない。強い余震が何度も繰り返されれば、それは多くが参ってしまうだろう。これは、前例がないだけにこれからの課題なのかもだが、我々もお互いが何とか持ちこたえられる様に、ある知恵を日頃から絞って出し合う様にした方が良さそうだ。

水や食糧の配送の問題も、今回は大きく浮かび上がった。これも前述を含め、多くの課題をクリアしなければならないが、我々日本人はこれまで、幾多の震災や災害に遭っても、こうした所での一定の秩序を守り、無用な混乱を抑えて来た。これは世界に誇るべき美点だろう。今回を含め、過去の災害からそれぞれの問題点を良く学び、次かも知れない我々の番に備える事ができれば最善だろう。その為にも、こうした状況と意識して向き合って避難や救命救援、そして復興への流れを学んで行ければとも思う。そうした事共を、今やっと緒に就いた学校の防災教育にも反映させる事ができれば更に〇だろう。T自動車のCMではないが、この分野も「もっと、よくしよう」との強い姿勢が大事なのだと思う。混乱に備え、一定の水や非常食を自前で備えるべきは勿論だ。

米国と台湾を初めとする、諸外国の友情ある援助の手も、基本は素直に有難く受け取るべき。特に台湾は、震災については我国同様に苦悩する立場もあり、素早い援助の動きには頭が下がる思いだ。東日本大震災時の、200億円超の巨額の義捐は有名な話だが、今回も早、億を超える義捐をして下さっている。勿論台湾の被災時には我国も積極的に援助に動き、今や両国間には「救援外交」が根付き始めているとも聞く。この良き関係を、将来に亘り強固にできればと感じるのは、俺一人ではあるまい。

情報の正しい受け止めと取捨選択も大切な事共だろう。今はネットやSNSなどの速報手段も以前より充実しており、例え電話回線が混雑して繋がり難い時でも使える場合がある様だ。これまでもあったが、新聞やTVなどの大手メディアの情報が絶対に正しいとは限らない。特に大地震などの災禍の時は、誤報や流言飛語が罷り通り易い。今回の熊本地方の様に、度重なる余震の対応で大変な事を踏まえるとしても、正しい情報を得る努力は、できるだけすべきだろう。まあ熊本の現地報道に際し、大手メディアの関係が救援物資の輸送の障害になったとか、混乱した状況にも関わらず、関係車両の給油順序を守らなかった為にネットで顰蹙を買ったとの話もある。決してあってはならない事であり、関係者の綱紀粛正も必要ではないか。尤も、基本的な報道倫理さえ守れぬ輩共だから、多くを期待するは無理であるのは分っているが。

最後に、国政について一言。熊本大地震は確かに激甚指定を急がねばならないレベルの大災害だが、だからと言って、国政の最高府たる国会の運営を止めるのには反対だ。災害対応を適切に行う一方で、国レベルの立法審議は平時同様粛々と行うべき。安倍大臣の熊本大地震現地視察が中止された事に絡み、某民進党議員が「初めから視察を計画しなければ良い」などと揶揄したそうだが、的を得ていないのは明らか。
安倍大臣の現地視察さえ再考しなければならない程、被災地の状況が急激に悪化したと言う事だろう。そうした事を弁えない言及は、民進など野党側こそ考えて行うべきだ。無理か?又、在日米軍の新型輸送飛行機MV22オスプレイ号の災害派遣につき、我自衛隊導入を正当化するなどと、一部のメディアを含め騒ぎ立てる向きもあるが、これにしても先の阪神淡路大震災の折、自衛隊出動を「クーデターの可能性がある」などと難癖をつけて握り潰そうとした、当時の社会党左派勢力のやった拙劣な所業と根は同じ。
どんな時も「何が一番大事か。正しい順序はどうか。」と言う事が分っておれば、出て来る事のない見解のはずだ。

我々は、平時より以上の事共について、冷静な、冷厳な思考を持って向き合う様にしないと、と言うのが、熊本大地震から得た俺の所感。
この想いを、心ならずも犠牲となった方々、そして傷病や財産、生業の損失と言った被害に遭った方々への追悼とお見舞いとしたい。

今回画像は、当地南郊の三重県下にて、数年に亘る大水害の惨禍を乗り越え復旧を遂げたJR名松線の近影。幾多の存廃の危機と試練を乗り越え、地元の方々の信念と執念が実り、再び列車の運行が開始された次第。
「どんなに難しい条件でも、状況でも決して諦めない」気持ちの大切さを思い知らされる光景であります。
コメント (6)
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