Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

鉄道~この仕様もない、素晴らしき世界Ⅳ

2012-04-22 21:50:28 | 国際・政治

「良くぞ、書いて下さった・・・」この所、東京都知事 石原慎太郎さんが、沖縄近海の事実上の日中、日台国境に隣接、かつ漁業、地下の両資源にも恵まれるとされる尖閣諸島の東京都による買い取り保有についてのコメントを表されたが、その事につき、あるネットの知友の方が、前向きに評価するブログ記事を記されており、俺も拝読して、少なからぬ感銘を受けた次第。国境近くの領土保全は、本来は国家的課題のはずであり、現行の野田民主党政権が先頭に立って行動しなければならないはずだが、対中国大陸向けの姿勢にては党内見解の相違などで強い意思も行動も示せず、又、政府レベルでも、特にこうした問題に中心になって取り組まなければならないはずの外務省、国益レベルの問題なら、財源の手当てに強い意思で当たらなければならないはずの財務省がいずれも及び腰、と言うより屁ひり腰に近い有様の為、東京都が一喝の意味で、こうした意思表示をされたのではと強く思う。勿論、尖閣買い取りには都議会の議決を要し、可決を取り付けるのは難しいかも知れないが、国家の尊厳と、国土の実効支配、そして保全へ向けて、こうした問題提起自体が大切な事であり、その事の意味を熟知して事を起された石原知事には、俺も一礼を申すと共に、これからも強い意思と信念を以てご言動をお願いしたく思う。

大体、我国の尊厳と領土保持、実行支配の保全などの問題につき、国民レベルでの関心は低いままだ。ひとえに、戦後教育の不良のツケが噴出した結果でもあろう。この事は、単に尖閣諸島の問題に留まらず、我国のエネルギー輸入問題などでも同様の病理を抱えている様で「一事が万事」の印象が付き纏う。この問題について、著述家 西部 邁(にしべ すすむ)さんが、今春先、全国紙M新聞に記事を掲載されたので、少し引用しながら考える事にしたい。1~2か月程前の記事だが、現在の情勢にも十分に対応し得る、価値のある文面であろう。

『中東・ホルムズ海峡が緊迫しています~日本の危機意識は、危機的』

「アフマディネジャド・イラン大統領は『ホルムズ海峡の封鎖を辞さず』と宣言し、オバマ合衆国大統領は『イラン制裁には、いかなる手段も排除せず』と演説している。もちろん、イランの核武装準備を巡って欧米の経済制裁が『イラン石油の輸入禁止』に及びつつあること、それがホルムズ危機の原因である。

我国の政府は『段階的制裁』をもって米合衆国に順応するという方途のほかに何の戦略も示していない。日本への石油輸入タンカーの8割強はホルムズ海峡を通過するという。誰がどう考えても、ペルシャ湾の軍事危機が現実のものとなったら、世界経済の大混乱は脇に置くとしても、日本へのエネルギー資源の供給は途絶する。それなのに、我国の政府と国民は、たとえば議員定数を減らすとか、公務員の俸給を下げるとかいったような国内問題にかまけて、やむことがない。日本国家は、危機意識と危機統治において、抜群の鈍感ぶりを見せつけているのだ。

中国(大陸)とインドは、イラン石油を必要とするため、そしてロシア共和国はペルシャ湾が欧米の覇権に屈するのを警戒して、イラン寄りの外交や軍事を展開している。我国がやろうとしている対イラン経済制裁が「段階的」であるというとき、こうした世界覇権の分裂状態が、今後どのように推移するかについての洞察があろうとはとても思われない。ホルムズ危機は、脅し言葉=ブラフの掛け合いに過ぎぬと思い込むことにし、宗主国 米合衆国に同調していれば大過は及ばないと信じることにする、といういわば『ふりの外交』が、日本国家の外面にべったりと張り付いてはがれない。」

『海峡が閉鎖されれば、日本は原発を再開も』

「ホルムズ危機が現実のものとなる可能性は『低い』と日本の外交専門家たちはのたまっている。その理由は『軍事力において、米合衆国とイランの間に大差があるから』とのことである。この手合い、イラクやアフガニスタンに対する米合衆国の侵略が失敗したことをどう考えているのであろう。早い話、もし大東亜戦争(こと太平洋戦争)における真珠湾攻撃を覚えていれば、経済封鎖にあった国家が冒険的な反撃に出る可能性は『低くはない』とみることもできるのである。

ホルムズ海峡が閉鎖されれば、我国はいや応なく原発の全面的再開に踏み切らざるを得ないであろう。そればかりか、エネルギーの安全供給のためには国家の自立が必要であると自覚し、そうなるには核武装すら必要となると知るであろう。『イランは悪の枢軸』などという米合衆国の得手勝手な世界観の中で安らいでいるのでは、日本はいずれ『愚者の天国』となるに違いない。ホルムズ海峡以上に危機的なのは、我が国民の危機意識の乏しさと、我が政府の危機統治の不全である。」

この記事を、皆様はどうお感じになりますか?西部さんに対しても「良くぞ、書いて下さった・・」と一礼したい思いであるのが正直な所。「核武装すら必要となる」下りは極論につき排除のやむなきとしても、同盟国と言えど、米合衆国の世界観に寄りかかり過ぎ、我国としての主体的な、信念ある外交ビジョンなど放棄しているに等しい現状では、有事の際のエネルギー輸送路、つまり生命線の確保すら難しくなるであろう。石油エネルギー資源の輸送路、所謂シーレーン防衛については、自由民主党政権時代に、再三に亘りその必要性が指摘されながら、日本国憲法の平和条項に非現実的なまでに拘泥する野党勢力の抵抗と妨害により、葬り去られて来た。又「愚者の天国」化の兆候は既に現実のものとなりつつあり、それらのツケ払いを今迫られていると言うのが、現実の姿ではないのだろうか。

ホルムズ海峡の問題に対する危機間の薄さは、そのまま尖閣問題、そして朝鮮民主主義人民共和国による歴史的暴挙、日本人拉致事件に対する弱い姿勢にも通低するものを感じるのは俺一人ではあるまい。年に何度か出かける思い出の地、新潟磐越。この地の勇者、蒸機No,C57180の雄姿に接し、又そこへ至る、日本海沿いの鉄道、JR信越線や羽越線を通ったり、その沿線に立つ度に、こうした外交、安全保障上の遺憾な問題に思いを致さざるを得ない。余程大きなダメージを被らないと、今の日本国民は深い自覚が得られないのかも知れないが。

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コメント (2)
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