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新ホームアプリ「docomo LIVE UX」はどこを評価すべきか

 docomo LIVE UXは2013-2014冬春モデルのスマートフォンから標準で搭載されているドコモ製のホームアプリである。以前のdocomo Palette UIの後継という形になるだろうか。

 ホーム画面から下にフリックするとアプリ一覧画面に、上にフリックするとカスタマイズされたニュースを表示する「マイマガジン」画面が表示される。

docomo LIVE UXのホーム画面 下フリックでアプリ一覧。上フリックでマイマガジン。


 まずは、docomo LIVE UXの目玉機能と思われるカスタマイズされたニュースを表示するマイマガジンからみていこう。
 この機能はどう見ても、 GunosySmartNewsあたりと同じキュレーション型のニュース配信サービスなのだが、「マイマガジン」は検索サービスだと言い張っている。この位置づけはしっくりこない。

上フリックでマイマガジンに表示。 トップニュース画面


 取り扱うニュースは、政治・経済、エンタメ、スポーツ、アニメなど大分類で幅広いジャンルが用意されているほか、フリーワードで新しいジャンルを作成することも可能だ。また、表示する記事の最適化はニュースの閲覧履歴や年齢・性別などのプロフィール情報のほか、Twitterアカウントと連携させることでフォロワーやタイムラインの情報を参考にして行われるという。こうした基本機能に不足は感じられない。

ジャンル選択 マイマガジン設定画面


 それぞれのジャンルは、記事一覧画面下の「もっと見る」をタップするとより多くの記事を表示することができる。ただ、最初の一覧画面に表示された記事(これがパーソナライズされた記事か?)が「もっと見る」をタップした後の画面に表示されない点には少々違和感を抱いた。
 ニュース記事に添えられた写真が必ずしもスマートフォンに最適化されたものでないため写真がアイキャッチになるとも限らないのは悩ましいところだろう。

「テクノロジー」の記事一覧画面 「もっと見る」


 さて、このマイマガジンに魅力があるかと尋ねられたら、正直なところ言葉に詰まってしまう。
  ドコモ自身がすでにiコンシェルの「ひつじの取材帳」でこだわりのセレクトでニュース記事を収集して表示するサービスを提供しているし、dメニューのニュース画面でも閲覧履歴を基にしたパーソナライズ機能「おすすめニュース」が提供されていて、マイマガジンの機能に新しさを感じる部分はない。
 さらに現時点での起動手段はdocomo LIVE UXの画面に配置された専用ボタンだけで、docomo LIVE UX以外のホームアプリでは利用できないのも残念な点だ。トップニュースでは、dメニューに掲載されたニュースやdファッション等ドコモサービスのトピックのほか、ホットな検索ワードなども掲載され、目に留まりにくいコンテンツに触れる導線になりそうに感じるだけにもう少しオープンに利用できると嬉しい。

iコンシェル「ひつじの取材帳」とまるかぶり。 dメニューのニュースにも自動カスタマイズ機能がある


 マイマガジンを表示する時とは逆に、ホーム画面を上から下になぞるとアプリ一覧画面いわゆるドロワーが起動する。
 アプリやウィジェットを一覧表示する機能は標準的で、ドコモがセレクトしたアプリを紹介する「おすすめ」が目を引く程度。「おすすめ」を開いてみると事務的にアプリ一覧が並んでいるが、どういう基準で「おすすめ」されているのかはよくわからない。

アプリ一覧画面 おすすめアプリ


 すでに多くの指摘がなされているところだが、このdocomo LIVE UXのアプリ一覧とショートカットの取り扱いは特殊すぎて使いづらい。
 アプリを起動するショートカットはホーム画面かアプリ一覧のどちらかにしか配置することはできず、アプリ一覧からホーム画面へショートカットを貼るとアプリ一覧からは削除されてしまう。逆にホーム画面からショートカットを削除する操作は、アプリ画面への移動になるのだが移動したショートカットはアプリ一覧の末尾に追加されてしまい並び順を変更することはできない。今になってdocomo LIVE UXで新しいショートカットの取り扱いルールを提案する必要があるのか疑問だ。
 また、ホーム画面に表示されるアイコンのサイズが大きく、配置できる数も縦横それぞれ4列に固定されているのでレイアウトの自由度が相当に低い点も不満だ。

アプリの配置はホーム画面かアプリ一覧かの二者択一 アプリのショートカットは1つだけ


 これ以外にdocomo LIVE UXの特長として挙げられるのは、ホーム画面ごとに別々の壁紙設定できることと、docomo Palette UIから継続して提供される「きせかえ」機能だろうか。

docomo LIVE UIの設定メニュー ホーム画面ごとに壁紙が設定可能


docomo LIVE UIの「きせかえ」機能 きせかえ「Warm」を設定


 以上、ひととおりdocomo LIVE UXを触ってみたが、積極的に利用するだけの魅力は感じられなかった。2013年夏モデルで提供された「ドコモシンプルUI」のようなiモードケータイの操作体系からの継続性を重視しているわけでもなく、だからといって先鋭的な機能があるわけでもない。必要な最低限の機能を備えた標準アプリとするならアプリのショートカットの取り扱いは一般的なものにすべきだ。
 そもそも「docomo LIVE UX」という名称の「LIVE」の意味をどう理解したらよいのだろうか。「臨場感」や「今」を重視するのであれば、気象情報や交通情報などもっとリアルタイム性の高い情報を取り扱う仕組みのほうが便利だと思う。

 結果、AROOWS NXにプレインストールされたもう1つのホームアプリ、富士通オリジナルの「NX!ホーム」を利用することにした。

さようなら「docomo LIVE UX」

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