ハイナンNETの日常

メンバーが気になってること、メンバーの日常、そして「イアンフ」問題関連情報を書いていきます☆

おすすめ本☆『潜入ルポ 中国の女 』福島香織 著

2011-10-18 16:53:24 | メンバーのおすすめ
  ハイナンネットのメンバーが読んでみて、お勧めしたい本の感想です!!!!

  ジャーナリストである著者がモンゴル族の記者に扮し、河南省にある通称「エイズ村」といわれたある村で暮らしている女性の取材から話は始まります。その後、都市の底辺部で家政婦や売春婦として働く人々、さらに秘密警察に拘束された経験を持つ人権活動家や、文化大革命前後に生まれ、年代や価値観の異なる作家たちなどから聞き取った話などが書かれています。

自分が印象的だったのは、第1章で貧困から脱するために自分たちの血を売って生計をたてる村人たち、それにより、エイズ孤児となりながらも子どもを産もうとする女性たちのいる村の状況です。正直、このような村の存在を知らなかったので、背筋が凍り付きました。また、第2章で、都市部において売春婦といった仕事をしながらも、時には夢を語るなど、人間らしい姿を見せる女性たちの話が心に残っています。
 この本全体を通してみて、秘密警察に監視され、自由に発言が出来ない状況や、農村と都市における経済格差、さらに「男尊女卑」という考え方が農村部などにおいて未だ色濃く残っていることにも驚きました。一人一人の女性たちの体験談を元にして書かれているため、より具体的であり、正直読んでいて涙が止まりませんでした。でも、そんな過酷な環境の中でも、自分の夢に向けて仕事をし、一生懸命恋をし、時には権力と戦い、子を産みながらもたくましく生きる女性たちの姿が読み取ることが出来ます。 逆をいえば、そうしなければいけない環境であり、そうならなければいけなくなった中国が抱える政治的・社会的な問題の大きさも改めて痛感することが出来ました。
 ただ、これは中国だけの問題だけではなく、少なからず日本や他の国々にも共通する問題だとも思いました。このような視点からも考えていきたいとも感じた1冊です。


-目次-
はじめ-「婦女能頂半辺天」

第1章 エイズ村の女たち

第2章 北京で彷徨う女たち

第3章 女強人(女傑)の擡頭

第4章 文革世代と八十后と小皇帝

おわりに-『大地』から始まった中国の旅



タイトル : 潜入ルポ 中国の女 エイズ売春婦から大富豪まで
著者    :福島香織
出版社/発売日 :文藝春秋/2011年2月25日
価格 : 1429円+税
ISBN :978-4-16-373710-2

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あるこうよむらさきロード201... | トップ | 「証明書番号00358」 旧ソ連... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

メンバーのおすすめ」カテゴリの最新記事