現代俳句選抄

ご恵贈頂きました最新の書誌などから五島高資が感銘した俳句をピックアップしています。

松下カロ『白鳥句集』深夜叢書社

2016-07-26 | 俳句

白鳥にさはらむとして覺めにけり  松下カロ

鳥雲へシーツよぢれてありにけり  同

白鳥の心臓を雲よぎりたる  同

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「火神」平成28年夏号

2016-07-26 | 俳句

左義長や炎は芯に闇を抱く  今村潤子

年迎ふ表裏なき阿蘇の山  永田満徳

輝ける水汲みてをり復活祭  寺澤始

夕暮れを引き寄せてゐる花大根  橋口陽子

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「藍生」平成28年6月号

2016-06-20 | 俳句

早寝早起なみなみと新茶の香  黒田杏子

来年のことはさておき新茶汲む  同

土の粒かかげながらに芽立ちかな  岩田由美

禁煙をして香り増す沈丁花  高橋亜紀彦

春浅し髭剃に貸す化粧水  髙田正子

追儺会の豆に影ある畳かな  三島広志

水温むきらりと風の色めきて  清水憲一

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「ひろそ火」2016年6月号

2016-06-20 | 俳句

菜の花の果てに海あり航路あり  木暮陶句郎

鳥交る空と森とをつなぎつつ  同

鳥の巣の穴は明るき闇である  同

バーテンに見せる春夜の猫目石  同

東北に地震のありし春の雪  茂木妃流

三従の道をめざして万愚節  佐藤志乃

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髙柳克弘『寒林』ふらんす堂

2016-06-15 | 俳句

木馬降りる足そろひけり夕桜  髙柳克弘

皆既日蝕ゼリーふるへてゐたりけり  同

夜も力抜かぬ鉄路よ去年今年  同

炎天やひよこ売る箱へなへなと  同

ぼーつとしてゐる女がブーツ履く間  同

太陽の照りつつ古ぶ手毬かな  同

バス発ちて寒き夜景に加われる  同

蚊遣火や壁の如くに雨はげし  同

雲中の太陽つよしトマト捥ぐ  同

ビルの裏すぐに川ある聖夜かな  同

ぶらんこに置く身世界は棘だらけ  同

砂握りこぼして花火待ちにけり  同

大泣きのあと爽やかに鼻かめる  同

冬木立思考は馬の速度なす  同

息白く海の時間に囚わるる  同

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「鷹」平成28年6月号

2016-06-15 | 俳句

草餅や城下といへど漁師町  小川軽舟

吉事呼ぶごとくに蝌蚪の揺るるかな  奥坂まや

日の波や寄居虫一つ引き残す  髙柳克弘

刀打つ鎚ひびかせよ引鶴へ  竹岡一郎

逃げたくて逃げだせなくて葱坊主  加藤静夫

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「火神」平成28年春号

2016-06-15 | 俳句

鏡ヶ池水の波紋にある秋愁  今村潤子

愚痴話西瓜の種の散らばりぬ  永田満徳

神鈴の紐の三つ編み雁渡し  三浦洋

海雲巻く少年の指ねぢれけり  寺澤始

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塩野谷仁 他『現代俳句を探る』遊牧叢書Ⅱ

2016-06-15 | 小説

共著者の栗林浩氏よりご恵贈頂きました。また、拙文(連衆「巻頭言」)の一部も引用して頂き心より御礼申し上げます。

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「海程」2016年6月号

2016-06-06 | 俳句

山百合咲く弱気の虫よさようなら  金子兜太

地の黒き割れ目ついばみ春の鳥  安西篤

野火走る落日はまだ白きまま  塩野谷仁

青年は地より湧いたり山眠る  佃悦夫

裸木を濡らす大気の中にいる  堀之内長一

きさらぎや人は人殺めて次の世へ  瀬川泰之

フクロウの正眼産土神も来て  松本勇二

母を座らせ春の運転席はここ  宮崎斗士

大雪や待つ人の無き赤信号  江良修

冬濤に噛まれ噛みつく岬かな  五島高資(海程秀句・金子兜太選)

キツネよりズルい男だ海鼠食う  桂凜火(海程秀句・金子兜太選)


 

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片山由美子 著『昨日の花 今日の花』ふらんす堂

2016-05-29 | 俳句

寒卵おのづからなる仄明り  片山由美子

春眠し夢に尾のあり香りあり  同

さざなみは風にもありて青葉の夜  同

落蟬の蹴られて幹に戻りけり  同

はや虫の声を聞く夜となりにけり  同

鉦たたき宇宙に果てのありとせば  同

 

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「現代俳句」平成28年5月号

2016-05-03 | 俳句

花万朶夜空の色の帯を解き  浦川聡子

眠りまで水位深めてゆくさくら  対馬康子

書きかけの手紙を通る春の月  同

着弾地黄蝶唯今交尾中  松井国央

左足また左足雪女  小西瞬夏

みささぎを浮かべて青田風となる  五島高資 (仲寒蟬・感銘十句抄)

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「海程」2016年5月号

2016-05-03 | 俳句

さくら咲くしんしんと咲く人間に  金子兜太

凧作りやる子が居なく卆寿かな  相原左義長

北極星入りしままの寒卵たまご  佃悦男

火の色のにんじん積まれ雪ふりくる  前川弘明

紅茶の神様のよう冬暖か  谷佳紀

遠耳の二人の阿吽冬朝日  野田信章

往く年や色も形も消えていた  瀬川泰之

顳顬の寒気擦り傷のように孤灯  十河宣洋

鍵さがす鍵穴ひとつ冬銀河  野憲子

大寒や真竹叩いて起こす神  松本勇二

駄菓子屋へ初東雲を入れにけり  こしのゆみこ

水落ちて石の褶曲去年今年  田中亜美

細胞におよぶ引力年新た  月野ぽぽな

灯すように人参きざむ海の街  たかはししずみ

雲の上の夕陽にとどく雪野かな  マブソン青眼

石蕗の花動物園のまるくあり  室田洋子

落鮎は水に私は土になれる  河西志帆

銀河よりうからやからの瀬音かな  五島高資 (佃悦男先生の「共鳴20句」に入選)

カイツブリ自尊感情疼くのだ  桂凜火

菓子ひとつ眺めて飽かぬ初明り  中内亮玄

 

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「香天」2016年4月号

2016-04-06 | 小説

限りなくひとりになりし竜の玉  岡田耕治

高野山に帰る人ある寒気かな  同

白梅に来て耳鳴を取りもどす  同

コンピュータ開くと草の青みけり  同

閉校の近づいている桜かな  同

「ギャラリー」および「俳句鑑賞三六五」では、拙句をお取り上げ頂き心よりお礼申し上げます。

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「小熊座」2016年4月号

2016-04-06 | 俳句

白鳥の声人の世の永からず  高野ムツオ

原子炉と眠れる億の虫の息  同

たましいは肉質にして黒海鼠  渡辺誠一郎

息白し星が生まれて消えるまで  宇井十間

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「葦牙」平成28年4月号

2016-04-04 | 俳句

雪深き飛驒の國より寒見舞  尾村勝彦

冬浪の白刃せまる地球岬  同

寒卵ニュートリノもすりぬける  十河宣洋

十河宣洋氏の「俳句散策(現代俳句鑑賞)」にて拙句を鑑賞して頂きました。心よりお礼申し上げます!!

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