現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌などから五島高資が感銘した俳句をピックアップしています。

田島健一『ただならぬぽ』ふらんす堂

2017-01-20 | 俳句

満月に眼のあり小学校の石  田島健一

兎から風もれている涅槃かな  同

生まれては死んでは開く障子かな  同

西日暮里から稲妻見えている健康  同

七夕や卵の知られざるつづき  同

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中村安伸『虎の夜食』邑書林

2017-01-20 | 俳句

睡るため翼の欲しき五月かな  中村安伸

星祭この世の草を超えてゆく  同

黒鳥は南無阿弥陀仏より黒い  同

漏電や蓮の上なるユーラシア  同

鰯雲どのビルも水ゆきわたり  同

 

 

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小川軽舟『俳句と暮らす』中公新書

2016-12-21 | 随筆

金盥傾け干すや白木槿  小川軽舟

鶏頭や洗濯物の袖雫  同

レタス買へば毎朝レタスわが四月  同

平凡な言葉かがやくはこべかな  同

死ぬときは箸置くやうに草の花  同

家に居る芭蕉したしき野分かな  同

一年の未来ぶあつし初暦  同

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高野ムツオ『片翅』邑書林

2016-12-18 | 俳句

みちのくや蛇口ひねれば天の川  高野ムツオ

死者二万餅は焼かれて脹れ出す  同

欠伸してこの世に戻る冬日和  同

日高見は片目片足片葉の蘆  同

罔象女とは銀杏の木凍空に  同


 

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日野原重明『百歳からの俳句創め』富嶽出版

2016-11-25 | 俳句

初御空我上り坂米寿越え  日野原重明

カンナの緋わがからだにぞもえるショパン  同

癌を病む若もの診たあと星仰ぐ  同

あやまちを犯した傷をゆるし合おう  同

さっそうと揺れるコスモス風のまゝ  同

滋賀の里琵琶湖にかかる虹の橋  同

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「はがきハイク」第15号

2016-11-23 | 俳句

曇天を大きな桃の実と思ふ  西原天気

あるだけの林檎をコインロッカーに  同

葡萄ひとふさ電線を見て過ごす  同

虫すだく8ポ活字の『草枕』  笠井亞子

蟋蟀の動悸激しき位牌の金  同

行列の先頭狙う鬼やんま  同

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宗田安正『巨人』沖積社

2016-11-15 | 俳句

この明るさ鯤の体内かもしれぬ  宗田安正

をらずともすでに来てをり蝸牛  同

砂浜掘る虹の欠片の出づるかと  同

古池に翁の魂を釣り上げし  同

顳顬というて霞に近きもの  同

昼寝より起ちて巨人として去れり  同

 

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中原道夫『一夜劇』ふらんす堂

2016-11-06 | 俳句

磨ぐまへの米の温さよ良寛忌  中原道夫

茫洋と春のみづうみ國土なす  同

にんげんに卒業あらばその後何  同

バックミラーの逃水に追はれたる  同

いくそたび標的を外せる稲光  同

對といふ船形石の涼しさよ  同

午前より午後のみじかし藪椿  同

山開き磁石に意志の生じたる  同

噴水の天頂の玉入れ替はる  同

狼は時閒の溪閒さかのぼる 同

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今瀬剛一『水戸だより』ふらんす堂

2016-10-31 | 随筆

風の電車は花野発花野行き  今瀬剛一

しつかりと見ておけと瀧凍りけり  同

大祖の家紋涼しき下がり藤  同

どつかりと父の笑顔と今年米  同

雁渡る母には杖のごとき鍬  同

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「対岸」2016年10月号

2016-10-31 | 俳句

咲き続けそのまま秋の薊なり  今瀬剛一

朴の花自己崩壊の途中なり  同

わき出づる汗いまだあり死なぬなり  同

猿田彦矛を杖とし炎天下  成井侃

梅雨の蝶雨の重さは知らぬなり  今瀬一博

帰省して平らに眠りゐたりけり  福井隆子

形代の揺り戻されて海近し  岡崎桂子

涼しさや祝詞が巡る森の中  植野康二

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「晨」平成28年9月号

2016-08-31 | 俳句

橋越えて一つつき来る蛍かな  大峯あきら

水を打つ一番星をまなかひに  黛執

潮色の深き寒流リラの花  茨木和生

冷し馬海の向かうに陸見えて  浦川聡子

マチュピチュのペルーは遠し金魚草  菊田一平

蛍狩回送電車すぎゆけり  涼野海音

をりをりに月あらはるる蛍かな  山本洋子

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「小熊座」2016年8月号

2016-08-23 | 俳句

春の月除染袋の山の端に  高野ムツオ

夏雲や牛の眼にある被曝以後  同

心臓はいかなる匂い片かげり  渡辺誠一郎

高原の星待つためのハンモック  栗林浩

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「香天」2016年7月号

2016-08-23 | 俳句

薄氷の音のしている光かな  岡田耕治

誰よりも早く着きたる春の水  同

城に居る時間の中の牡丹かな  同

親玉を捕まえているハンモック  同

見たことのない心を映し金魚玉  同

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池田澄子『思ってます』ふらんす堂

2016-07-30 | 俳句

菜の花や真夜の頭の中に揺れる  池田澄子

河骨や大人になり老人になり  同

火星より冥土近けれ飛ぶ柳絮  同

体内は他人事に似て花篝  同

椿から椿へ椿を褒めにゆく  同

電線の中を電気の去年今年  同

 

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松下カロ『白鳥句集』深夜叢書社

2016-07-26 | 俳句

白鳥にさはらむとして覺めにけり  松下カロ

鳥雲へシーツよぢれてありにけり  同

白鳥の心臓を雲よぎりたる  同

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