現代俳句選抄

ご恵贈頂きました最新の書誌などから五島高資が感銘した俳句をピックアップしています。

「晨」平成28年9月号

2016-08-31 | 俳句

橋越えて一つつき来る蛍かな  大峯あきら

水を打つ一番星をまなかひに  黛執

潮色の深き寒流リラの花  茨木和生

冷し馬海の向かうに陸見えて  浦川聡子

マチュピチュのペルーは遠し金魚草  菊田一平

蛍狩回送電車すぎゆけり  涼野海音

をりをりに月あらはるる蛍かな  山本洋子

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「小熊座」2016年8月号

2016-08-23 | 俳句

春の月除染袋の山の端に  高野ムツオ

夏雲や牛の眼にある被曝以後  同

心臓はいかなる匂い片かげり  渡辺誠一郎

高原の星待つためのハンモック  栗林浩

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「香天」2016年7月号

2016-08-23 | 俳句

薄氷の音のしている光かな  岡田耕治

誰よりも早く着きたる春の水  同

城に居る時間の中の牡丹かな  同

親玉を捕まえているハンモック  同

見たことのない心を映し金魚玉  同

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池田澄子『思ってます』ふらんす堂

2016-07-30 | 俳句

菜の花や真夜の頭の中に揺れる  池田澄子

河骨や大人になり老人になり  同

火星より冥土近けれ飛ぶ柳絮  同

体内は他人事に似て花篝  同

椿から椿へ椿を褒めにゆく  同

電線の中を電気の去年今年  同

 

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松下カロ『白鳥句集』深夜叢書社

2016-07-26 | 俳句

白鳥にさはらむとして覺めにけり  松下カロ

鳥雲へシーツよぢれてありにけり  同

白鳥の心臓を雲よぎりたる  同

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「火神」平成28年夏号

2016-07-26 | 俳句

左義長や炎は芯に闇を抱く  今村潤子

年迎ふ表裏なき阿蘇の山  永田満徳

輝ける水汲みてをり復活祭  寺澤始

夕暮れを引き寄せてゐる花大根  橋口陽子

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「藍生」平成28年6月号

2016-06-20 | 俳句

早寝早起なみなみと新茶の香  黒田杏子

来年のことはさておき新茶汲む  同

土の粒かかげながらに芽立ちかな  岩田由美

禁煙をして香り増す沈丁花  高橋亜紀彦

春浅し髭剃に貸す化粧水  髙田正子

追儺会の豆に影ある畳かな  三島広志

水温むきらりと風の色めきて  清水憲一

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「ひろそ火」2016年6月号

2016-06-20 | 俳句

菜の花の果てに海あり航路あり  木暮陶句郎

鳥交る空と森とをつなぎつつ  同

鳥の巣の穴は明るき闇である  同

バーテンに見せる春夜の猫目石  同

東北に地震のありし春の雪  茂木妃流

三従の道をめざして万愚節  佐藤志乃

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髙柳克弘『寒林』ふらんす堂

2016-06-15 | 俳句

木馬降りる足そろひけり夕桜  髙柳克弘

皆既日蝕ゼリーふるへてゐたりけり  同

夜も力抜かぬ鉄路よ去年今年  同

炎天やひよこ売る箱へなへなと  同

ぼーつとしてゐる女がブーツ履く間  同

太陽の照りつつ古ぶ手毬かな  同

バス発ちて寒き夜景に加われる  同

蚊遣火や壁の如くに雨はげし  同

雲中の太陽つよしトマト捥ぐ  同

ビルの裏すぐに川ある聖夜かな  同

ぶらんこに置く身世界は棘だらけ  同

砂握りこぼして花火待ちにけり  同

大泣きのあと爽やかに鼻かめる  同

冬木立思考は馬の速度なす  同

息白く海の時間に囚わるる  同

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「鷹」平成28年6月号

2016-06-15 | 俳句

草餅や城下といへど漁師町  小川軽舟

吉事呼ぶごとくに蝌蚪の揺るるかな  奥坂まや

日の波や寄居虫一つ引き残す  髙柳克弘

刀打つ鎚ひびかせよ引鶴へ  竹岡一郎

逃げたくて逃げだせなくて葱坊主  加藤静夫

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「火神」平成28年春号

2016-06-15 | 俳句

鏡ヶ池水の波紋にある秋愁  今村潤子

愚痴話西瓜の種の散らばりぬ  永田満徳

神鈴の紐の三つ編み雁渡し  三浦洋

海雲巻く少年の指ねぢれけり  寺澤始

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塩野谷仁 他『現代俳句を探る』遊牧叢書Ⅱ

2016-06-15 | 小説

共著者の栗林浩氏よりご恵贈頂きました。また、拙文(連衆「巻頭言」)の一部も引用して頂き心より御礼申し上げます。

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「海程」2016年6月号

2016-06-06 | 俳句

山百合咲く弱気の虫よさようなら  金子兜太

地の黒き割れ目ついばみ春の鳥  安西篤

野火走る落日はまだ白きまま  塩野谷仁

青年は地より湧いたり山眠る  佃悦夫

裸木を濡らす大気の中にいる  堀之内長一

きさらぎや人は人殺めて次の世へ  瀬川泰之

フクロウの正眼産土神も来て  松本勇二

母を座らせ春の運転席はここ  宮崎斗士

大雪や待つ人の無き赤信号  江良修

冬濤に噛まれ噛みつく岬かな  五島高資(海程秀句・金子兜太選)

キツネよりズルい男だ海鼠食う  桂凜火(海程秀句・金子兜太選)


 

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片山由美子 著『昨日の花 今日の花』ふらんす堂

2016-05-29 | 俳句

寒卵おのづからなる仄明り  片山由美子

春眠し夢に尾のあり香りあり  同

さざなみは風にもありて青葉の夜  同

落蟬の蹴られて幹に戻りけり  同

はや虫の声を聞く夜となりにけり  同

鉦たたき宇宙に果てのありとせば  同

 

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「現代俳句」平成28年5月号

2016-05-03 | 俳句

花万朶夜空の色の帯を解き  浦川聡子

眠りまで水位深めてゆくさくら  対馬康子

書きかけの手紙を通る春の月  同

着弾地黄蝶唯今交尾中  松井国央

左足また左足雪女  小西瞬夏

みささぎを浮かべて青田風となる  五島高資 (仲寒蟬・感銘十句抄)

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