老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

朝ぐもり

2015-07-25 10:17:45 | 俳句
        
     ☆   甕はその重みに坐り朝曇    村越化石



 庵治の公園から見える大島。手を伸ばせばすぐ届きそうな近くの島。大島はハンセン病の方を隔離していた、{大島青松園}のある、悲しい歴史を持つ島だ。
この公園から大島行きの連絡船が出ている。医療従事者の通勤や、島にいる患者さんの家族がお見舞いに訪れた時に乗り降りする、小さな港がある。
患者さん達はこの港で船に乗り、一生涯、この港に帰って来れなかったと思われる。
 村越化石さんも、ハンセン病の元患者で、闘病をしながら、70年以上にわたり句作を続けた。
群馬県草津町の、国立ハンセン療養所「栗生楽泉園」で91才の生涯を終えた。



    ☆   ふと覚めし雪夜一生見えにけり   村越化石

    ☆   生ひ立ちは誰も健やか龍の玉

    ☆   世の端のその端に住み柿吊るす

    ☆   冬ごもり見えざるものを見て暮らす

    ☆   除夜の湯に肌触れあへり生くるべし




 昨日から、からだの調子がおかしい。身体がだるい。海の底へ引きずり込まれそう。
今朝テレビを観ていると、熱中症のこを言っていた。すべて当てはまる。家にいても年寄は熱中症にかかる。この頃、汗が出なくなった。今日はゆっくり、安静に。

窓から海を見る。何時も見える小豆島も曇って霞んでいる。蝉の声だけは煩い。

 村越化石さんのことを思えば、これくらい我慢、我慢。  
    
    🐰  機織機動きそめたる朝ぐもり    

コメント
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