羽黒蛇、大相撲について語るブログ

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2017年1月場所前、真石博之

2017年01月11日 | 相撲評論、真石博之
1月場所の資料をお送りいたします

○秋場所で全勝優勝をした豪栄道の九州場所の序盤は、圧力のある踏み込みで相手の
身体を浮かせ、ほんの少し触れただけで難敵の高安、嘉風を倒す鎧袖一触の強さでし
た。すっかり変身を遂げたのかと思いきや、6日目に、強くなった玉鷲に押し込まれ
て上体を起こされ、強烈なおっつけで突き落されました。そして中日、手術後で元気
のない1勝6敗の隠岐の海に対して、自分から首を巻きにいってしまい、8cmも背の
高い相手に中に入られて押し出される自滅。これで横綱の目はなくなりました。そし
て、翌9日目には稀勢の里に敗れ、続く3横綱にも歯が立たず、指定席の9勝6敗に
落着きました。

○12勝をあげれば大関の可能性があった高安。直前の2場所とは様変わりの腰高の
軽い相撲に変ってしまい、まったくの期待外れで、12日目に早々と負け越し。体重
の増やしすぎが原因との指摘もありますが、同じ二所ノ関一門の鳴戸親方(琴欧洲)が
解説で語った「稽古が足りていませんね」は重い一言でした。

○綱取りの豪栄道、大関取りの高安に注目が集まる中で、楽に相撲がとれたはずの稀
勢の里。3日目に遠藤に4秒足らずで押し出され、7日目には正代に力負けと、持ち
前の馬力に衰えがきたのかと思わせました。ところが10日目の白鵬戦、立ち合いの
左突き落しで相手をぐらつかせ、押し合いの激しい攻防のあと、組み止められたかに
見えた瞬間、がっちりと右上手を引きつけて白鵬の腰を伸ばしての寄り切り。翌11
日目の鶴竜戦では、強烈なおっつけで相手の圧力を封じて左を差し、巻き替えにきた
鶴竜の姿勢が高くなった瞬間に前に出ての小手投げでねじ伏せました。そして12日
目、1敗の日馬富士を左おっつけから、左を差し、右を抱えての寄り切り。こうして
3日連続で横綱を破って星一つの差に踏みとどまったまでは良かったのですが、翌1
3日目に栃ノ心との差し手争いに負けてしまい、画に描いたようなミスターガッカ
リ。対戦があった7人の役力士全員に勝ちながら、3人の平幕に敗れるという珍記録
を作りました。

○それでも今年一年を見れば、稀勢の里は6場所皆勤の横綱大関が3人しかいない中
で、日馬富士の67勝、豪栄道の56勝を上回る69勝をあげて、年間最多勝を獲得
しました。他の4人には休場があり、9年連続で年間最多勝だった白鵬は62勝止ま
り、鶴竜は57勝、琴奨菊は47勝。照ノ富士に至っては33勝48敗9休の不成
績。1場所おきの3回のカド番を8勝ぎりぎりでしのぐ今にも落ちそうな綱渡りでし
た。

○白鵬の37回、日馬富士の8回に対して、わずかに2回しか優勝していなかった鶴
竜。7月場所を腰痛で途中休場し、稽古不十分で臨んだ翌9月場所も初日から2連敗
し、「3連敗したら休場を考えた」とは師匠の井筒親方(逆鉾)の弁。何とか10勝5
敗で乗り切ったあとは、秋巡業中から身体をいじめ、いつもの場所より早い仕上げが
できたとのこと。10日目まで全勝での単独トップ、11日目に稀勢の里に敗れて日
馬富士に並ばれたものの、そこから難敵を総ナメにして星二つの差をつけて14日目
に優勝を決めました。落着いていたこと、引きが少なくなったことの他には目立った
変化は感じませんでしたが、師匠によれば、腰が良くなって立ち合いに重さが増した
とのことで、3横綱が揃った場所での優勝は初めて。優勝インタビューでの「2年前
に止まっていた時がやっと動き出しました」の台詞は、さすがインテリ一族でした。

○前回のお便りで秋場所を全休した白鵬について、「7月場所で痛めた右足親指をか
ばって、古傷がぶり返し
 たにすぎないと見るのか。あるいは、さすがの白鵬も、疲労の蓄積が沸点近くに達
しており、引退も近い
と見るのか。九州場所で、そのあたりの臭いを嗅げるかもしれません」と書きまし
た。
白い物を身につけないことで有名だった白鵬が、九州場所では両肘、両手首、左足首
にサポーターを着用。
6日目に遠藤にあっさり負けたのは、「相手を軽く見た」と本人が言った通りだとし
ても、強さが感じられない前半戦でした。10日目に稀勢の里との上記の熱戦に敗れ
て早くも2敗となり、12日目はカド番脱出をかける照ノ富士と対戦。お互いに上手
を取れない攻防が続いたあと、巻き替えにいったところ左上手を取られて寄り切られ
ました。稀勢の里戦は20秒超、照ノ富士戦は30秒超。長い相撲の末に白鵬が星を
落とすことは今までになかったことです。照ノ富士戦のあと、今後のことを訊かれて
「とにかく怪我のないように。それだけ」と消極的な発言をしました。大白鵬の黄昏
か否か、1月場所最大の見所です。

○初日に玉鷲に黒星を喫した日馬富士の序盤は、変わり気味に上手を取りにいく自信
のない立ち合いでした。しかし、中盤から調子を上げ、星一つの差で鶴竜を追ってい
た14日目、すでに3敗で優勝圏外の白鵬を相手に、素早く左前廻しを引き、右も
取って中に入り、勝負あったかに見えましたが、次の瞬間、素早く体をひねった白鵬
の小手投げを食って万事休す。鶴竜の優勝が決まりました。

○豪栄道、日馬富士、琴奨菊を破って横綱大関戦を3勝3敗とし、10勝をあげた玉
鷲の変身ぶりに目を見張りました。強くなった源は、相撲のもっとも基本の馬力が増
したことでしょう。相手を押し切る強い相撲が目立ち、中途半端な存在から一皮むけ
ての初の三賞です。「前で仕切る立ち合いに変えて、圧力が相手に伝わるようになり
ました」とは本人の弁。32歳になって迎える1月場所は、東の関脇に座ります。

○怪我を克服して今までで一番強くなっていると感じさせた遠藤の前半戦。照ノ富
士、稀勢の里、琴奨菊と大関を連破したあと、白鵬をまさかの電車道でもっていきま
した。白鵬があなどっていたことは否めませんが、大殊勲に変わりはありません。千
秋楽に玉鷲に敗れて負け越し、殊勲賞を逸したのは残念でした。

○114kgは幕内十両を通じての最軽量。その石浦が新入幕で12勝をあげて敢闘賞
を獲得しました。小兵が巨漢を屠るのが相撲の醍醐味ですが、今度の1月場所には、
関取最年少の20歳で身長173cmの佐藤改め貴景勝が新入幕。そして、何と168
cm、116kgの照強が21歳で新十両です。楽しみです。ちなみに、昭和30年(初
場所)の幕内最軽量は、巨漢横綱・鏡里をお得意さんにした鳴門海の81kgでした。

○別紙『年齢順一覧(平成29年1月8日)』と別紙『年齢順一覧(平成22年11月
14日)』をご覧下さい。今1月場所では、関取70人のうち、昭和生まれが左側の
35人、平成生まれが右側の35人と、丁度半々になりました。平成生まれの初の関
取は高安と舛ノ山で、別紙の『平成22年11月』のことでしたから、6年と2場所
で平成生まれがゼロから半分にまで達したわけです。目立つのは外国人関取の高齢化
です。22年11月では外国人関取23人中、右側の若手が圧倒的に多く17人(7
4%)。対して29年1月では、外国人関取19人中、右側の若手は僅かに5人(2
6%)と激減しています。外国人力士は一部屋一人に制限されていますので、その枠
がなかなか空かず、入門希望の若手が待たされている状態なのです。

○幕内2人、十両3人を抱える追手風部屋(大翔山)が伊勢ケ濱一門から時津風一門に
移り、一門間の力関係に変化がありました。「一門別年寄一覧」「部屋系列略図」
「部屋別勢力」をお送りします。

○番付などの身長・体重は昨日測定、本日発表のものです。測定は年3回ある東京場
所の直前に行われます。

平成28年12月28日  真石 博之
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