なめ猫

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『新・国民の油断』を読む~導入

2005年01月24日 | Weblog
 西尾幹二先生と八木秀次先生の『新・国民の油断』をいま読んでいます。ブログで書こうと思っていたところ昨日の産経新聞で衆議院議員の山谷えり子先生が『新・国民の油断』について書評を書かれておられた。

山谷えりこ先生は国会で初めて小学校低学年から行われている過激な性教育を取り上げられた方だ。何度か講演会で講師としてお見えになり直接お話させていただいたことがあるが、優しいお母さんという雰囲気をもたれた方だ。話しぶりも全然理屈っぽくなく、わかりやすい。何より生活の実感を語られるから説得力がある。

少し先生の書評から引用してみたいと思う。

***

平成十一年制定の男女共同参画基本法を、多くの人は職場などでの男女差別をなくし、家庭や地域社会を共に築く社会を目指すものと理解した。ところがその考え方の中には「性の自己決定権」「さまざまな生き方をすすめる」「社会における制度、慣行を改める」
「男女の区別は差別の始まり」「ジェンダーフリー」という主張、運動論が入っていたのである。

 その結果、たとえば家庭科教科書は、離婚、浮気、中絶、ピル、フリーセックスをすすめる記述であふれてきている。
小学校でのコンドーム装着実習や人形を使う性技術教育も珍しくない。石原都知事は調査し、校長を降格させたが、地方では日教組の反対で調査もできない。

 国会で小泉総理は私の指摘に「行きすぎじゃないか」と答弁されたが、十代後半の女子の性病率が世界トップクラスとなった今も過激な性教育の見直しは進まない。全国各地の父母からさまざまな資料を悲鳴とともにもらう。たとえば吹田市の教育委員会発行の副教材、小学一、二年生用では「お父さんはペニスをお母さんのワギナにくっつけてせいしが外に出ないようにしてとどけます」と記述されている。年齢や子どもの心への配慮がない教育は、本来の男女平等とは何の関係もない。

***

男女共同参画それ自体に反対する人は殆どいまい。私も男女平等は当然だと思っているけれども、問題なのはそのなかに含まれた思想が危険極まりないのだ。そもそもフェミニズムというのは源流をたどると、ルソーの思想に行き着く。そこからフランス革命も発しており、マルクス・エンゲルスの共産主義思想、70年代の学生運動の理論的根拠となったフランクフルト学派へとつながっていく。イギリスの功利主義やポスト・モダン主義なども複合させたイデオロギーがいわゆるジェンダーフリー思想である。

この辺の思想の系譜については八木秀次先生や中川八洋先生の本をご参照いただきたいが、さまざまなイデオロギーが絡みあった思想を基本につくられたのが平成11年に成立した男女共同参画社会基本法だということは理解しておかないと問題は見えてこない。これによってそれまでは絶対認められなかったようなことがどんどん行政レベルで行われるようになった。山谷先生が書評で紹介されたことはその一部に過ぎず、もっとおそろしいことになってきている。
急進的なイデオロギーに基づいて法制化し国家がオーソライズ(公認)することによって連綿と営まれてきた常識的な社会のあり方が、男女のあり方がどんどん壊されていっている。

西尾先生と八木先生の『新・国民の歴史』は豊富なデータをもとに対談されており、男女共同参画問題を考える上でテキストとなると思った。多くの方にぜひ読んで欲しい一冊だ。というわけで、何回かにわけてこの本を取り上げてみたいと思う。

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2 コメント

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国史 (umiko)
2005-02-01 00:30:43
紀伊国屋に行きました。

「新・国民の油断」と「国史」あります?と言ったら、

若い男子店員が検索して、広い売り場を二人でウロウロ探しまくって、危うく見過ごしそうだったとこを油断なく、「油断」を見つけて「あったぁ~!」と二人で盛りあがり、今度は「国史」探しに、またもウロチョロ。

知ったかぶりして「値段が値段だから、単行本風か、薄っぺらな本だと思う」と、探すヒントまで彼に与えたつもり。

「ありました!」と手渡された本の、なんと立派でぶ厚いことか!「えっ?これ?これが465円でいいの???」「いえ、3465円となっていますが・・・」た、確か、産経新聞に白鳥庫吉著 出雲井晶訳 講談社465円って書いてあった、書いてあったのよ!固まるワタシに「あのぅ・・僕もお傍にいてもかまわないのでしょうか?」「はい、お傍にいてください」

なんてやさしい店員さんなんだろう 目が油断してたのね・・・ クスン
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はじめまして (なめ猫♪)
2005-02-01 00:38:28
umikoさま、いらっしゃいまし!!



>若い男子店員が検索して、広い売り場を二人でウロウロ探しまくって、危うく見過ごしそうだったとこを油断なく、「油断」を見つけて「あったぁ~!」と二人で盛りあがり、今度は「国史」探しに、またもウロチョロ。



その若い男子店員はイケメンでした!?(爆)



>た、確か、産経新聞に白鳥庫吉著 出雲井晶訳 講談社465円って書いてあった、書いてあったのよ!



ああ、それこないだ読みましたね。どういう内容なんでしょう?興味ありますねぇ。



まだ、『新・国民の油断』は導入を書いたばかりで停まったままです。近々、内容にも踏み込みますので、よろしくです♪
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