HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第61話≪個人情報保護法≫

2005年05月13日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、4月1日から「前向きの法律」と「後ろ向きの法律」が同時に施行されましたね。

 ◆「前向きの法律」とは、≪e-文書法≫である。
 e-文書法というのは略称で、法律の正式名称は、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」。2004年11月10日に衆議院、11月19日に参議院を通過成立し、2005年04月01日から施行されました。
この法律の制定の趣旨は、IT全盛時代になっても未だ民間企業などが紙で保存しなければいけなかったのが、法律で電子文書による保存を制限していたのを原則的に全面的に容認した。これよって民間の文書保存コストの軽減に役立てる「前向きの法律」が決まりました。

 ◆「後ろ向きの法律」とは、≪個人情報保護法≫である。
 個人情報保護法は罰則規定もある守らなきゃいけないシビアな法律で、守らないで事故を起こすと大きなダメージを受けたり罰せられたりするという守りの「後ろ向きの法律」です。


個人情報保護法≫は、リスク管理の面から重要ですので、今回の時事用語として配信しますね。

 4月に個人情報保護法が施行されてから、みなさんも「私の電話番号をどこで知った?」「私の個人情報を何に利用する?」といった声が増えてきたと感じていることでしょう。

 例えば、スーパーなどで、クレジット機能のない会員カードを勧められた人が「氏名・住所以外に生年月日や性別、電話番号をなぜ申込書に記入しなければならないのか」と尋ねたところ、応対者は「電話番号だけでいいです」と答えたと言う。その人が「電話番号は、なぜ必要なのか」と再度聞くと「カードを紛失された際の連絡に使用します」と答えたそうだ。「それならば利用目的が知りたいのでプライバシーポリシーを見せて欲しい」とその人が詰問すると、応対者はきょとんとしていたという。


 【個人情報保護法第2条1項
 個人情報保護法では「個人情報」とは、『生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それによって当該個人を識別できるものを含む)』と定義されています。


 即ち、氏名、生年月日のように、その情報を見れば「あの人のことね」とわかってしまうようなものはすべて個人情報となります。文字による情報だけでなく、画像、音声も含まれます。また、特定の個人を識別することができるものだけでなく、他の情報と照合することにより特定の個人を識別できるものも含まれます。


 【労働者の個人情報保護に関する行動指針】厚生労働省から
  「個人情報」は広範囲です。個人が識別可能な場合、次の情報も個人情報に含まれます。

  ◆画像、音声
   写真や音声なども個人の識別が可能な場合には、個人情報となります。

  ◆従業員の情報
   顧客情報だけでなく、従業員の情報も個人情報に含まれます。従業員の個人情報保護については、厚生労働省「労働者の個人情報保護に関する行動指針」が公表しているので、ご参照ください。

  ◆評価情報
   一般的には評価情報も個人情報に含まれると考えられます。ただし、本人から開示が求められた時に拒否できるなど、その取扱いについては事実情報とは異なる取り扱いが法的に許容される余地があります。

  ◆電子メールアドレス
   メールアドレスにはさまざまな組み合わせがあるので、個人情報といえるものといえないものがあります。自社ドメイン名を利用したメールアドレスを各社員に配布し、@の前の部分を各社員の氏名とした場合には、個人が識別可能なため、個人情報となります。


 個人情報であるか否かの判断がつかない場合は、例えば、その情報が漏洩した場合、本人がどう感じるかを基準に考えるといいでしょう。厳密には個人情報でないとしても、本人の不利益になる情報であれば、コンプライアンスの視点からその取扱いについて注意すべきだと思われます。

目的以外の利用や本人の同意なしでの第三者への情報提供を禁じている。違反者は6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金。それだけに留まらず、大手企業の場合には、企業イメージが大きく損なわれる可能性にもつながる。

 国の定める一定数以上の従業員を持つ企業体や、大量のカルテを有する医療機関など、個人情報をデータベース化(電子情報、紙データを問わない)する事業者は、個人情報を第三者に提供する際に、利用目的を情報主体(個人)に通知し了解を得なくてはならない。また不正流用防止のための管理を行う義務が発生する。 

 これを守らない場合、情報主体(個人)の届け出や訴えにより、最高で事業者に刑罰が科されるという実効性を持つ法律である。またこの法律により、DM(ダイレクトメール)や電話商法を目的とした個人情報の売買やそれに準ずる行為を行ういわゆる名簿業者などは、その存在を完全に否定されることとなる。

 しかし問題点として、「情報主体(個人)が苦情処理機関または当該事業者に訴えでない限り、個人情報保護法が実効性を持つことは皆無」な法案であることが挙げられる。従って、政府による監査機能の一切ない法律の中でどれだけの事業者がこの法律に沿って個人情報を取り扱うかは大いに疑問が残るところです。

 みなさん、この法律の意味する裏には、情報主体(個人)に対して『自分の個人情報の取り扱いについてもっと関心を持ってほしい』との政府側の要望的意味合いが込められていると捉えるのが妥当である。
 法律が自分たちの個人情報を全て守ってくれるという見解でいると期待外れになる。

 何せ、「後ろ向きの法律」であるから・・・・・・・


首相官邸:個人情報保護法制の整備について

                

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