HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第1229話≪「財政の崖」(ざいせいのがけ、fiscal cliff)回避とは?≫

2013年01月04日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、あけましておめでとう・・・

 今年、平成25年はみなさんが更に一段と自分自身で「生き切る力」を蓄える年になるとHageOyajiは信じています。


 年頭から、今アメリカで起こっている大きな問題を紐解いておきましょう・・・

 昨年末から新年にかけて、多くのマスコミが取り上げていたのがアメリカで騒がれている「財政の崖」(ざいせいのがけ、fiscal cliff)というニュースですね。

 アメリカは2008年のリーマン・ショック後の景気低迷に対応するために、2000年代に始まった所得税などに対する大型減税策、いわゆる「ブッシュ減税」が2012年末に期限が切れました。

 この「ブッシュ減税」などの特別措置を行ったため、アメリカ政府の財政赤字が積み上がり、ついに2011年8月に民主・共和両党が政府の歳出を大幅に削減することに合意し、具体的な削減案の合意に至らなかった場合は2013年1月から政府の歳出が法的に強制的に減らされることになっていました。

 2013年1月にブッシュ減税の期限が切れれば実質的な増税となる上、歳出まで強制的に削減(国防費を中心に10年間で最大1兆2000億ドルの歳出が強制削減)されるとなると、何らかの追加的な景気対策措置が行われない限り、このダブルパンチにより「崖」から落下するようにアメリカの景気が悪化します。

 即ち「崖」⇒「fiscal cliff=財政の崖」と言う言葉をを使いだしたのが、アメリカ合衆国連邦準備制度理事会議長ベン・バーナンキ氏です。



 しかし、米議会下院は1日深夜(日本時間2日午後)、景気への悪影響が懸念された「財政の崖」回避をめぐる法案を賛成多数で可決しましたので、取りあえず、経済が「崖」から転落し、急激な財政緊縮が現実となれば、金融緩和期待で進んでいた円安も再び円高方向に反転する可能性が高かったのですが、当面、「崖」が回避されたことで、円安株高の基調は当面続くという見方が強まっています。

 が、急激な財政緊縮につながる最悪の事態は回避されましたが、自動的な歳出削減については発動時期が2カ月延期されただけで、肝心の財政赤字の削減策は与野党協議の迷走の末にほとんどが先送りとなっています。

 共和党が多数を占める下院は、上院が可決した法案と同じ内容で、年収45万ドル(約3900万円)以下の世帯の大型所得税減税延長と歳出の強制削減の発動時期を2カ月延長することなどが柱です。急激な緊縮財政が景気後退を招く事態は越年審議で回避されましたが、政府借り入れの法定上限引き上げや財政赤字削減策など重要課題は先送りされています。

 オバマ大統領と議会には税制改革や歳出削減策など取り組むべき課題が山積みになっており、今後の議論の進展次第では、再び不安が高まる懸念もあります。

 特に安倍内閣や投資家のみなさんが望んでいることは、日本経済は「米国経済の回復力と中国経済の底堅い成長」を背景にした輸出の回復で、春先以降の景気浮揚を見込んでいます。 

 オバマ大統領の声明は、「中間層の犠牲の下に富裕層が優遇されてきた税制を変更するという私の約束は達成された」「98%の米国人と97%の中小企業が増税を免れた」と語っていましたが、終始厳しい表情でした。

 1〜2%の富裕層を除く中間所得層への減税継続が決まったことで、回復途上にある米経済が再び景気後退に陥る事態は回避されますが、その見返りで財政赤字削減など健全化への道筋が足踏みすることになっています。

 時間のある方は「THE WALL STREET JOURNAL」「CNN」をクリックして聞いてください。

 下院を通過し、回避はされましたが、野球に例えれば9回の裏に同点に持ち込んだと同じでしょうね。米経済界では既に関心は第二段「2月末財政の崖」と考え、行動が始まっています。例えば、歳出削減の原資の柱となるのが防衛予算ですので、ロッキードやボーイングなど防衛産業大手もリストラに着手しているとの報告が入ってきています。

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