HageOyaji通信

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第1179話≪「平成24年度学校基本調査(速報値)」から見えてくる問題(大卒ニート)とは?≫

2012年09月03日 | 一般情報
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、昭和23年(1948年)から本格的に始まった「学校基本調査」は、その調査目的を若干変化があったものの基本的には7つの調査(学校調査、経費及び資産調査、学校施設調査、入学調査、卒業者調査、教員・学生・生徒・児童異動調査及び学齢児童及び学齢生徒調査)で構成されています。

 更に平成15年度からオンライン調査を導入し、調査期日は毎年5月1日現在で調査しています。

 平成24年度版は8月27日に平成24年5月1日現在の調査結果「平成24年度学校基本調査(速報値)」の公表がありました。

 今回から大学卒業後の動向を調査したのは初めてで、雇用環境の深刻さが、あらためて裏付けられ、「大卒ニート」問題が浮き彫りになり、早い段階で抜本的な対策を講じることが求められています。


 以下に「平成24年度学校基本調査(速報値)」から抜粋して見ますと、

   1:調査内容
      ・調査期日:平成24年5月1日現在
      ・調査対象:幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校並びに市町村教育委員会
      ・調査項目:学校数、在学者数、卒業者数、就職者数、進学者数等

   2:調査結果の主な概要
     ◆幼稚園から高等学校までの在学者は、1,543万6千人(前年度12万4千人減少)
      (小学校⇒4年間減少傾向12万3千人減少=過去最低)
      (中学校⇒過去7年安定的に推移、高等学校⇒過去4年安定的に推移)
        しかし、数年後減少傾向に転じる見込み

     ◆大学の在学者は、287万6千人(前年度1万8千人減少)
       (全体的に増加傾向でしたが、前年度過去最高で、今年度は減少)

     ◆専門学校の在学者は、57万8千人(前年度より4千人増加)(3年連続の増加)

     ◆大学・短大への進学率(平成22年度をピークに、ここ2年は微減)
       ・大学・短大進学率(現役)53.6%(前年度より0.3ポイント低下)
       ・大学(学部)進学率(現役)47.7%(前年度と同ポイント)
       ・専門学校進学率(現役)16.8%(前年度より0.6ポイント上昇)

     ◆就職率(高卒、大卒、大学院卒共に、2年連続上昇)
       ・高卒就職率16.8%(前年度より0.5ポイント上昇)
       ・大卒就職率63.9%(前年度より2.3ポイント上昇)
       ・大学院卒就職率(修士課程) 73.2%(0.6ポイント上昇)
       ・大学院卒就職率(博士課程) 67.2%(3.3ポイント上昇)


 「平成24年度学校基本調査(速報値)」から見えてくる問題点は、

   ◆今春の大学卒業者約56万人のうち、ほぼ4人に1人にあたる12万8000人(約23%)が安定した仕事に就いていない。

   ◆東京電力福島第1原発事故の影響を受ける福島県で、小学生が大幅に減少。


 今回の調査の目玉は、雇用期間に1年以上の定めのある「非正規雇用」の項目を追加して調査したことです。

 その結果、全国の大学を今春卒業(約56万人)のうち、「非正規雇用」に約2万2000人(卒業者に占める割合は、3.9%)が該当しています。

 更にアルバイトなどの「一時的な仕事」⇒約2万人、「進学も就職もしていない(ニート)」約8万6000人、を加えます約12万8000人(卒業者に占める割合は、約23%)が安定した仕事に就いていないことが判りました。

 文部科学省は昨年まで、「非正規」と「正規」を合わせた雇用を「就職率」として公表していましたので、上記に掲げたように昨年までの区分で見ますと、今年の就職率は卒就職率63.9%(前年度より2.3ポイント上昇)という結果になります。


 最後に、この「学校基本調査」で上記の

     ・高卒就職率16.8%(前年度より0.5ポイント上昇)
     ・大卒就職率63.9%(前年度より2.3ポイント上昇)

 を見たときに「あれ?」と思った方もいたでしょう。

 HageOyaji通信の5/18配信で、
  第1136話≪平成23年度最終「高校就職内定率⇒96.7%」「大学生の就職内定率⇒93.6%」(厚生労働省)≫
 を覚えている方です。

 ⇒高卒の例では、
 「16.8%」と「96.7%」という数値はどちらが本当の数字だろうか?と疑問を持たれた方もいたことでしょう。80ポイントと大変な差ですね。

 「16.8%」は、文部科学省「学校基本調査」による就職率
   就職率を算出する際の分母が「卒業者数」です。

 「96.7%」は文部科学省と厚生労働省「就職内定状況調査」による就職率
   就職率を算出する際の分母が「就職希望者数」です。

 ⇒大卒の例では、
 「63.9%」と「93.6%」という数値はどちらが本当の数字だろうか?と疑問を持たれた方もいたことでしょう。30ポイントも差がありますもね。

 「63.9%」は、文部科学省「学校基本調査」による就職率
   就職率を算出する際の分母が「卒業者数」です。

 「93.6%」は文部科学省と厚生労働省「就職内定状況調査」による就職率
   就職率を算出する際の分母が「就職希望者数」で、大学生の一部を抽出したサンプル調査


 同じ官庁から数字の違うデータを出されては非常に混乱しますね。何故、算出方法を判り易く説明していないのか疑問です。

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