HageOyaji通信

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第1120話≪「ジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)Q&A」厚生労働省作成≫

2012年04月04日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、ジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)という言葉は既に何度もマスコミで出ていますので知っていますね。

 このジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)に対して、先発の新薬は先発医薬品と呼ばれています。

 このたび、厚生労働省は「ジェネリック医薬品への疑問に答えます ~ジェネリック医薬品Q&A~」を作成し、使用の拡大に取り組んでいます。


 しかし、厚生労働省やマスコミはジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)の利点ばかりを取り上げていますが、ジェネリック医薬品に患者さんが飛びつかない理由は他にあるのではないでしょうか?

 ジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)とは、特許が切れた医薬品を他の製薬会社が製造或は供給する医薬品でありますが、特許の対象は、有効成分、製造方法、効能効果、用法用量など、「物質特許」「製法特許」「製造特許」が存在します。

 特許が切れたのは物質特許であり、薬の本体で、すなわち、有効成分そのものです。

 「物質特許」が切れても、もし、「製法特許」が切れていなかったら同じような添加物を加えることができません。添加物が変われば薬がどのように溶けていくか、どれくらいの速度で吸収されていくかが変わってしまいます。

 更に「製造特許」が切れていなかったら同じ剤形を用いることができません。薬には錠剤、カプセル、粉末など各種飲みやすくなった剤形があります。

 例え同じ錠剤だとしても、コーティングの仕方や内部構造などでそれぞれ異なってしまいます。


 もうひとつ大事な点は、ジェネリック医薬品の試験に「有効性の試験」は存在しても「安全性の試験」はありませんので、安全性のデータが存在しません。ジェネリック医薬品は先発医薬品と比べ、その製品に対する情報量が極端に少ないのです。

 そして有効性の試験といっても「完全に有効性が同じである」とは言い切れません。これは「統計学的に先発品と差がない」というだけで、統計学的には±15%の範囲であれば差がないと判断されます。つまり、先発品と比べて15%だけ多く効果があったり、その逆に効果が少なかったりして「有効性は同じである」と判断されるのです。


 以上の理由で、ジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)は、先発医薬品と治療学的に同等であるものとして製造販売が承認され、上記の理由で、開発費用が安く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。


 日本でのジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug)の普及は、患者負担の軽減、医療保険財政の改善に役に立つと考えられますが、現在のところ、日本では、平成23年9月現在の後発医薬品の数量シェアは22.8%であり、欧米諸国と比較して普及が進んでいません。

 その理由が、医療関係者の間で、上記の理由などで後発医薬品の品質や情報提供、安全性の試験に対する不安が払拭されていないということが挙げられます。


 厚生労働省では「平成24年度までに、ジェネリック医薬品の数量シェアを30%以上にする」という目標を掲げ、ジェネリック医薬品の使用促進のための施策に積極的に取り組んでおり、最初に挙げた「ジェネリック医薬品への疑問に答えます ~ジェネリック医薬品Q&A~」もその一つです。

 以下の11の質問に回答をだしています。

 ◆質問1
  ⇒ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品とは使用する添加剤が違うのだから、先発医薬品と同じと言えないのではないか?

 ◆質問2
  ⇒世界で最も進んでいるといわれる日本の医療の中で、どうしてわざわざジェネリック医薬品を普及させる必要があるのか?

 ◆質問3
  ⇒薬局で、先発医薬品の銘柄が記載された処方せん(変更不可欄に「レ」または「×」の印等の無いもの)をジェネリック医薬品に変更し、その薬を服用した患者に副作用が発生した場合は、誰が責任を負うのか?

 ◆質問4
  ⇒ジェネリック医薬品の承認審査の際に求められる試験項目は、先発医薬品(新薬)の場合と比べて非常に少ない。だから、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と比べて有効性や安全性の面で劣るのではないか?

 ◆質問5
  ⇒厚生労働省が定める基準によると、生物学的同等性試験の許容域を80%~125%としているが、これはすなわち、ジェネリック医薬品と先発医薬品の治療効果が最大45%の範囲で異なるということを示しているのか?

 ◆質問6
  ⇒注射剤については、承認審査の際に臨床試験(生物学的同等性試験)のデータを求めていないにもかかわらず、なぜ、同等と言えるのか?

 ◆質問7
  ⇒ジェネリック医薬品の原薬は海外の粗悪なものを使っているのではないか?

 ◆質問8
  ⇒ジェネリック医薬品メーカーは、先発医薬品メーカーと比べて1社あたりの製造販売品目が多いので、各品目に対する品質管理が不十分になるのではないか?

 ◆質問9
  ⇒先発医薬品とジェネリック医薬品が同等であるならば、なぜジェネリック医薬品の薬価は安いのか。やはり、品質が劣るからではないのか?

 ◆質問10
  ⇒ジェネリック医薬品は、先発医薬品に比べてメーカーMRの頻繁な訪問、情報提供が無いため、患者への説明不足、不安が生じないか?

 ◆質問11
  ⇒厚生労働省は、なぜ一般名処方を推進するのか?

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