HageOyaji通信

進路指導ガイダンスの一環として、高校生が≪生き切る力≫を持った自立型人間へのアドバイス、サジェッション・・・になれば

第771話≪「絶対的貧困率」&「相対的貧困率」とは?≫

2009年10月26日 | 時事用語
 高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!

 みなさん、長妻厚生労働大臣は、10月20日閣議後の記者会見で、全国民の中での低所得者の割合を示す「相対的貧困率」が、2007年で「15.7%」だったと発表しています。

 今回厚生労働省が使用した日本の「相対的貧困率」算出法は、全国民の所得の中央値を計算し、その半分「貧困線」より下の所得の人の割合をみています。

 即ち、経済協力開発機構(OECD)の計算方法を採用しています。

 今回の時事用語は、「絶対的貧困率」&「相対的貧困率」を紐解いてみましょう。

 「絶対的貧困率
  ◆生活していける最低水準を下回る収入しか得られない国民が全国民に占める割合の事。
  ◆即ち、「相対的貧困率」よりも実状を反映しやすいという特徴がある。
  ◆「生活していける水準」設定が難しく、設定者の主観が入りやすいという危険あり。

 「相対的貧困率
  ◆生活の苦しさよりも国内の経済格差の大きさをみる指標。
  ◆「年収が全国民の年収の中央値の半分に満たない国民の割合」の事。
  ◆「絶対的貧困率」と違い数学的な指標なので主観が入りにくい。

 しかし、「相対的貧困率」は、「絶対的貧困率」と異なり国によって「貧困」のレベルが大きく異ってしまうという特徴のため、裕福な国にすむ人が相対的貧困率の意味で「貧困」であっても、貧しい国にすむ人々よりもずっと豊かな暮らしをしている場合もあり得ます。

 即ち、「相対的貧困率」は「貧困率」とついていますが、貧困を表す指標と捉えるよりも、「国民の経済格差」を表す指標と捉えたほうが正解のようですね。


 経済協力開発機構(OECD)による加盟30か国の3年ごとの推移で、日本は、

    1998年 ⇒ 「14.3%」 (子供の貧困率 ⇒ 「13.4%」)
    2001年 ⇒ 「15.3%」 (子供の貧困率 ⇒ 「14.5%」)
    2004年 ⇒ 「14.9%」 (子供の貧困率 ⇒ 「13.7%」)

(今回)2007年 ⇒ 「15.7%」 (子供の貧困率 ⇒ 「14.2%」)

 今回の調査では、貧困の悪化が進んだことになります。

 OECD調査で貧困率が高かったのは、
     メキシコ⇒18.4%、トルコ⇒17.5%、米国⇒17.1%

 OECD調査で貧困率が低かったのは、
     デンマーク⇒5.2%、スウェーデン⇒5.3%、チェコ⇒5.8%

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