Stripe Volume

ストライプ ヴォリューム

魂って何でしょうね?

Lifia - at dusk -

2012-05-18 14:33:00 | Verre
カーテンの布同士が打ち合う軽い音。

風がでてきたので、夫の部屋の窓を閉めようと思った。



部屋にはいると、いつになく深く寝入っている彼の様子。


足音を忍ばせて部屋を横切り窓辺へゆく。

窓を静かに閉めると、急にやるせないような気持ちになる。


慌てて部屋を後にし、そっと居間まで逃げて灯りを付けた。

落ち着かない。

裏庭へ出る。



日は落ちたけれど、暮れるにはまだ明るい白い空。
顔半分の白い月が所在なさそう。

ほったらかしてあったベンチを払って座ってみた。
陰の草木は黒く固まってみえる。




…ぽとん。


前触れもなくパタパタと膝に落ち始める雫。
涙が両目からこぼれ始めた。

そんな反応とは裏腹に心は奇妙なほど冷静。



原因は多分 - 疲れ - そう診断してみた。



いままでこんなに日々の平安に感謝しながら丁寧に生活して
時を過ごしたことがあっただろうか?

…うん。 それに疲れている訳じゃないわね。 そうじゃなくて。



毎日アルディの側に居られる、そして慢性的に不安を抱えている。
これではバランス悪いもの。

一緒に過ごせるのは嬉しいけれど、現在も持続しているこの状態は
決して喜ばしいことではない。



 全く喜べる状況ではないわよ? リフィア。

 いつでもアルディが居るのは嬉しいわね? リフィア。

 努めて明るくなんて白々しいんじゃない?さとられてるのよ。リフィア。



アルディはまだしばらく身体が辛いのよ。 
どこが嬉しいというのか。
そうよ。 喜ばしいことではないわ。 
一緒にいられる嬉しさと、早い回復を願う気持ちとは、全く別なもの。
早く治って欲しいよ。前のように不自由ないように。

でもだからって抱えたことそのままの暗い表情などしていられないわ。
それは私が嫌だから。



止まらない涙のまま自答しているうちに暗くなってきてしまった。


いけない。 そう思いつつも腰が上がらない。



誰かに泣きついて慰めてもらって解決するならとっくにそうしてる。
少なくとも今は自分で整理して落とし処を見つけなくてはならない。


でも。
取り敢えず涙だけでも治まらないかな?

指で頬の雫を払いながらそう思った。



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