経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

脅迫系と勧誘系

2006-04-25 | 知財発想法
 「知財」を経営に活かすということで、最初に出てくるテーマの一つが特許出願でしょう。今日は、「どうして特許を出願するのか」という問題について考えてみます。

 特許出願を行うべき理由を尋ねると、「特許権を取得すると事業が独占できますよ」、「特許権を侵害すると事業ができなくなりますよ」という2つの側面からの説明が、判で押したように返ってきます。この説明が、ビジネスをバリバリやってきた人からするとどうもピンとこないところで、実際のビジネスというのはもっと多様なパラメータが関係してくるものであって、「独占」も「廃業」もそんなに単純なメカニズムで起こるものではありません。どうも特許の重要性という話になると、「独占すると儲かりますよ」という怪しげな勧誘系、「侵害したら事業ができないですよ」という強面の脅迫系の2つに限られてしまっていて、これが一般のビジネスパーソンの感覚的な取っ付きを悪くしてしまっているように思います。医薬品などの物質特許の世界ではそういうことが起こりますが、他の分野では本当に特許で事業を独占したという話はあまり聞かないし、少なくとも私は特許侵害で会社が潰れたという話を聞いたこともありません。

 かといって、勿論「特許なんて必要ない」という話ではありません(だったら、私こそ早々に廃業しなければなりません)。大事なことは、普通の経営感覚に訴えられるように、「どうして特許が必要なのか」というセオリーを用意して、説得的に説明できるようにしておくことだと思います。で、どういうセオリーが考えられるかについては、追って説明していきたいと思います。
 とりあえず、今日はこの辺で。


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