経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

なんか変な議論

2008-09-10 | 知財業界
 今日あるセミナーの打合せをしていて改めて思ったのですが、よく、
「これからの弁理士は・・・」「弁理士の将来は・・・」「弁理士が新しい業務として・・・」「弁理士のブランドが・・・」
みたいな議論を耳にすることがあります。で、弁理士というのはその人の属性の一つであって、主体になるわけではないと思うんですが、この種の議論ではなぜか弁理士が主体として何をする、どうあるべき、って話になってしまっています。
 これっておかしな話だと思うんですが、主体として活動するのはあくまで○○さん個人か、△△特許事務所、□□株式会社であって、「弁理士」という人や組織が活動するわけではない。こういうテーマは、○○さん、△△特許事務所、□□株式会社といった主体について考えるべき問題だと思うのです。○○さん個人についてであれば、
「これからの弁理士は・・・。だから、私(○○)も・・・だ。・・・しよう。」
ではなくて、
「ビジネスパーソンとしての○○がこれから力を発揮していくのに、弁理士のスキル・ポジションをどうやって活かせるか。」
っていう話になるのではないかと思うんですが。まぁ個人の考え方の問題なので、どっちでもいい話なのかもしれません。
 こうやって書いてみると、知財の捉え方にも何か共通する部分があるような気がします。「知的財産は大切だ!だから知的財産権をバンバンとっていきましょう。」と考えるか、「□□株式会社が成長していくために、知的財産権という道具をどうやって活かせるか」と考えるか。活動主体は会社であって、知的財産ではないという意味で。


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2 コメント

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同感です (simon)
2008-09-12 12:52:53
知財実務にどっぷり浸かっていると、なかなか‘知財中心主義’の意識を脱することができない…というのは土生さんが良く使われるフレーズだと思いますが、同じように‘弁理士中心主義’の意識を脱することは結構難しいのかもしれません。

弁理士の将来像についての議論の際には、必ずそのような話になりますよね。間違いなくパラダイム・シフトが求められていると思うのですが、「○○として活躍するために弁理士のスキル・ポジションをどうやって活かせるか。」というアプローチにはなりませんね。その方向へ早く舵が切れた人が将来的な競争力を維持するのだと思うのですが…

身近な弁理士だと、なかなかその辺りの感覚を前面に出して話される人がいません。良くも悪くも旧態依然としている感じです。そういう意味で、貴ブログにて刺激を受けさせて頂いており、感謝しております。今後も刺激的な(笑)内容を期待しております。
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Unknown (土生)
2008-09-13 00:27:59
simonさん

独白のような意味不明のエントリにコメントをいただき、有難うございます。言いたかったところをご理解いただき、うれしく思っております。
「弁理士による知財コンサルティング」みたいな言い方にも違和感があって、オバマ風に言えばこんな感じです。
「弁理士による知財コンサルティングも、経営コンサルタントによる知財コンサルティングもない、あるのは知財コンサルティングだけだ。」

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