このブログで2度ほど取り上げた田坂広志氏の新刊、「これから何が起こるのか」から、もう一点紹介したいと思います。
第7章「知識社会では『知識』が価値を失っていく」の章ですが、弁理士のような知財の専門職にとって、深く考えさせられる内容となっています。
これからの時代、「知識」を提供する仕事の多くはコンピュータに代替されていくということは、大前研一氏の「ハイ・コンセプト」にも紹介されていますが、本書ではさらに踏み込んで、これからの時代の専門職に求められる資質についても考察が加えられています。
ポイントを端的にいうと、顧客が専門職に本当に求めているものは「知識」ではなく「智恵」であるということです。つまり、何を知っているかという知識ではなく(専門職なら知っているのは当たり前)、どのように解決するかという智恵こそが、顧客が専門職に仕事を依頼する理由であるとでも言えるでしょうか。そして、その「智恵」はさらに、「技術」と「心得」の2つの要素からなるものであるとされています。ここでいう「心得」とは、「弁理士倫理」のような形式的な話ではなく、一人の職業人としての理念や姿勢みたいなものだと言ってもいいでしょう。
知財の世界でも、「資格だけで食えない時代」がやってくると言われています。そうした厳しい環境の中で、「知識」で差別化することに走るのも一つの道であるのかもしれませんが、特に若手の知財人には「智恵」の大切さについても、是非考えてみることをお勧めします。
注)常用漢字では「知恵」ですが、出典に従い「智恵」とします。
第7章「知識社会では『知識』が価値を失っていく」の章ですが、弁理士のような知財の専門職にとって、深く考えさせられる内容となっています。
これからの時代、「知識」を提供する仕事の多くはコンピュータに代替されていくということは、大前研一氏の「ハイ・コンセプト」にも紹介されていますが、本書ではさらに踏み込んで、これからの時代の専門職に求められる資質についても考察が加えられています。
ポイントを端的にいうと、顧客が専門職に本当に求めているものは「知識」ではなく「智恵」であるということです。つまり、何を知っているかという知識ではなく(専門職なら知っているのは当たり前)、どのように解決するかという智恵こそが、顧客が専門職に仕事を依頼する理由であるとでも言えるでしょうか。そして、その「智恵」はさらに、「技術」と「心得」の2つの要素からなるものであるとされています。ここでいう「心得」とは、「弁理士倫理」のような形式的な話ではなく、一人の職業人としての理念や姿勢みたいなものだと言ってもいいでしょう。
知財の世界でも、「資格だけで食えない時代」がやってくると言われています。そうした厳しい環境の中で、「知識」で差別化することに走るのも一つの道であるのかもしれませんが、特に若手の知財人には「智恵」の大切さについても、是非考えてみることをお勧めします。
注)常用漢字では「知恵」ですが、出典に従い「智恵」とします。
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