無題・休題−ハバネロ風味−

私の視線で捉えた世の中の出来事を、無駄口、辛口、様々な切り口から書いてみました。

先進地視察by秋田県

2014-08-09 15:01:33 | 建築・都市・港

秋田県は、本当に風力発電の施設が多い。山の稜線にも海側にも、その数は多い。しかも秋田県には自社で風車を作っている工場もある。別の意味合いからも先進地なのだろう。

秋田市新屋に到着する。小雨の中、説明を受ける。

洋上風車かなと期待して行ったが、陸上のしかも随分と古い風車だった。聞けば日本の風車の先駆けである山形県立川町の翌年に、2基の実験用の風車を建てたのが始まりらしい。

この場所には大小併せて10基の風車があった。

管理者は秋田ウィンドパワー研究所である。

・補助金もない時代に設置し、古い物は16年を経過した。

・震災前の売電価格は9円/kwhで、経営は苦しかったが、東日本大震災後には22円/kwhになり、安定する。

・故障も多い。一番危険なのは雷被害。落雷を直接受けることもあり、避雷の流れが計画通りなら良いが、ずれた場合はブレードが裂けたり、ローターが壊れたりする。ローター部分は修理で4~5000万円かかったが、国内の業者が行えるようになり2000万円台で済むようになった。大型のクレーンも費用も大きい。修理が高額な為、あらかじめ予算を計上し積立金によりメンテも行う。落雷は直接だけでなく、近くに落ちた雷が地面を伝わって被害を受ける場合もある。秋田市の別の風車では、通常の電線で送電をしていたら落雷に遭い、水道管などを伝わり被害が増大した。

・砂による被害も大きい。飛び砂によりブレードの先端がボロボロになる。ボックスの中に砂が入りブレードを風向きに合わせるギアボックスの摩耗も多い。ヨーロッパの風車は一定方向から風が吹くのが多いが、秋田では少なくても3回/日〜5回/日と、頻繁に向きが変わる。

・当初の計画は日本での資料が不足していた為にデンマークのを参考にした。最近のデンマークでの情勢は、大型の地上設置の風車を廃止し、洋上に切り替える傾向にあり、現在41%になっている。個人経営の農場脇に設置する75kw程度の風車には制限はない。大型の風車も地域を限定してまとめてきているようだ。

・計画する時に注意しなければならないのは、コンサルタントが出した数値である。そのままでは経営は成り立たない。もっとも有効な風速は7m/hだそうで、それに近い数値を提出してくる。実際は振り幅が大きく、風が弱くても回らないし、強ければ回転を中止させねばならない。7.1m/hで提出されたものを6.9m/hに打ち直して経営に取り組んだが、なかなか軌道には乗らなかった。年々風が異常になっている。強風も多い。不安定要素を元に計画しなければならない。

・鳥獣のアセスは、現状が判らずに想像で打ち出している所が多い。2年間に渡り、週1の割合で調査した。結果は2羽の事故があった。カラスとノスリだそうだ。

設置当初は物珍しさもあって、風車をライトアップした時期もあった。最近は風車の数が増え、照らすことはないそうだ。風車のフェンスの隣に秋田市の都市景観賞の記念碑があったが、これはどうなんだろう。酒田市でも山形県でも、これは選ばれないと思う。

ブレードのさきと中央が赤くペイントされていた。見学者達は可愛いと、酒田でランドマーク代わりに色を付けたらと言っていたが、恐らく景観審議会で許可が下りないだろう。

秋田市の年間の雷注意報は、100件を超えると言う。1年の1/3は雷に注意と言うことだ。酒田も同様に雷は多い。最近の新しい風車は避雷針の箇所が増えていて、上手に落雷を逃がすことが増えているそうだ。風車の開発も日進月歩である。

山形県では震災以来、知事の肝いりで「再生可能エネルギー」に取り込んでいる。単に風力発電を設置するだけでなく、風車の開発も県内の企業がやっていけたら良いのにと思う。海外の製品はメンテや故障で倍以上の経費がかさむ。地元でそれが行えれば、一石二鳥だと思うのだが。

ぬかるみに足を取られ転びそうになること1回、ヤブ蚊に襲われること2回。途中まで雨に濡れたが、親切な方に傘をかして貰う。そして貴重な意見が聞けたと感謝する。

風車の耐用年数は、EUでは16年ほど、日本ではFIT(再生エネルギー固定買い取り価格)に併せて20年と見込んでいる。この秋田ウィンドパワー研究所でも、そろそろ新しい設備を導入する計画を立てている。現在よりも大規模な大型風車を検討しているそうだ。洋上も検討するのかしら。

 

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2 コメント

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Unknown (さくら)
2014-08-09 23:28:51
庄内砂丘は何も無くて画にならないので、風車が在った方が良いという人もいるので、作れば作ったで実績と市民の理解を示したい思惑から都市景観賞の対象になるでしょう。

震災のとき、庄内では電力には困わかなかった。電力が必要なのは内陸なのだから、庄内に風車は要りません。山形県に必要なのは電力ではなくガソリン。震災の際は率先して内陸に輸送されたので内陸では不便だった程度ですが、庄内では2週間ガソリンが買えませんでした。庄内砂丘に風車を建てるより、製油所を建ってほしいです。
さくらさん (cake)
2014-08-11 09:57:05
記念碑には、平成15年と秋田市の名前が付いておりました。酒田市でも数年間に渡って、景観賞(名前は違うのですが)も受けたことがありました。どんどん応募が先細りし、「えっ、こんな物にまで」と思う賞になって取りやめになりましたが、この風車は景観を良くしたと考えるんでしょうか。現在ならちょっと外れている気がしますが、まぁ選考委員の方々の意見ですからね。

さくらさんの意見は概ね当たっていると思います。電気は発電所から使用する所までの距離で、抵抗によって損失するので、使用する場所に近い所で発電するのがベストです。ただ、酒田の共同火力のおかげで、停電後は酒田も山形県も助かりました。今でも原発が止まっているので、共同火力はフル稼働しています。

震災の時のガソリンは本当に苦労しましたね。内陸でもガソリンを買う列に並んで、エンジンを掛けるとガソリンが減るからと、練炭火鉢を車内に持ち込んで亡くなった方もおられましたね。庄内でも内陸でも大変な思いをしました。石油基地からのルートが太平洋側だった為に起きたことでしたが、何にせよ均衡を保たないといけないと考えさせられる事例でした。

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