お願い事は？

東京の桜は、開花宣言が出されたようですが、こちらの桜はまだまだ固いままです。
ウォーキング途中には、あちこちにたくさんの桜の木があるので、ウォーキングのたびに桜のつぼみを確認しながら歩いていますが、これからは、ますますウォーキングの楽しみができそうです。

以前にも書きましたが、私のウォーキングコースには氏神様があります。
どこのコースを通っても、氏神様の前の通るようになるので、素通りするのはどうかと思い、必ず寄るようにしています。

鳥居の前で一礼し、神社の前で作法通り、二拝二拍手一拝をしてきます。
本当に形だけで済ませてしまうのですが、毎回、心の中で、息子と娘の事をお願いしています。
二人に大きなもめ事がなく、無事に過ごせますようにとお願いして立ち去ります。

この一年、ウォーキングの度に氏神様に立ち寄りましたが、私以外の人で、お参りをしている人に会うことはありませんでした。
私は、歩く時間がまちまちなのですが、それでも、誰にも会いませんでした。

ところが、先日、先客がいました。
お参りしている人の後姿を見ながら、鳥居の前で、私は、神社に入ろうかどうしようか迷いました。
何となく、誰かと顔を合わせるのは恥ずかしいし、他の人にお参りしているのを見られるのも恥ずかしい気がしました。
でも、私の場合、二拝二拍手一拝を一瞬の間にするだけなので、まぁ、良いか～と思い、鳥居をくぐり神社の境内に入っていきました。

すると、お参りしている人が、くるりと振り向きました。
見ると、裏の奥さんでした。
びっくりしました。
まさか、知っている人とは思いませんでした。
向こうも私と知って驚いたようでした。
お互い、すれ違いざまに会釈して別れました。
裏の奥さんとは、普段もあまり会話をすることはないので、会えば、挨拶するくらいです。
なので、そのすれ違い方はいつも通りなのですが、裏の奥さんの後姿を見ながら、あの人は何をお願いしていたんだろうと思いました。

裏の奥さんと言えば、私が以前も何度かブログに書いた人です。
最初は、夫婦二人で暮らしていたのですが、以前から夫婦喧嘩が絶えず、１０年くらい前に離婚したのか単なる別居なのかわかりませんが、ご主人が出ていきました。
実際は、二人ともいなくなり、しばらく空き家状態になっていたのですが、奥さんだけが戻って来て一人で住んでいたという感じです。

奥さんは、近くのスーパーで働きはじめ、それなりに生活しているようでした。
ところが、数年前、突然ご主人が週末になると戻って来るようになり、二人で車で出掛ける姿を見かけるようになりました。
二人の関係が戻ったように思いました。
そんな状態が１年くらい続いたかなぁ、何年か前の春のお彼岸の頃から再びご主人は来なくなりました。
いつもご主人の車が、私の家のフェンスギリギリに止まっていることで、ご主人が来ているかどうかすぐにわかりました。

ご主人は、週末や祭日などの連休に来ていたので、春のお彼岸の連休に姿を見せないことで、また二人の間に何かあったのだろうと思いました。
それから数年経っていますが、相変わらずご主人の姿は見えません。
今でもずっと、奥さん一人で暮らしています。

氏神様の前で手を合わせていた奥さんの後姿を見て、数年前の春のお彼岸から来なくなったご主人の事を思い出しました。
何をお願いしていたのかな？
また、ご主人が戻ってくるようお願いしていたのだろうか？
それとも、自分の健康の事かな？
いやいや、一人でのんびり暮らせる事への感謝かもしれない。
などと、自分には関係のない他人の事を想像してしまいました。