社会人二年目、奮闘記 ~『仕事』と人生の考察~

『働く目的って何かな?』求人広告業界へ進み、その問いを探求するHの日記です。

★ 広島・長崎への原爆投下から、60周年 ~グランドゼロからの距離~ ★

2005-08-08 23:23:05 | 就職活動の息抜き
広島・長崎へ原爆が投下されてから、今年で早60周年。。。

僕は6日の朝、広島の平和記念公園で来場者が黙祷を捧げる様子をNHKの中継で見ました。小学生達の平和への決意の朗読と、広島市長の世界への核廃絶のメッセジーが読み上げられ、平和を象徴するハトが一斉に放たれ公園の空を自由に飛びまわる映像を見ながら、平和の尊さと戦争の残酷さを改めて感じ、個人的にも心がけないと。。。と心を新たにしました。

しかし、同時にふと思った事ですが、僕達はドンドン爆心地、グランドゼロから遠ざかっていくのだな…と思いました。

上手くいえないのですが、きっと人々の平和を願う心や何かの問題への問題意識というのは、爆心地との物理的距離・時間的距離の遠い近いに決定的に左右され、問題意識の薄い、濃いはある程度自動的に決まってしまうのではないか?と思ったのです。



先日、UNHCRでウガンダ、ルワンダの難民キャンプで現地のプログラムオフィサーを経験し、現在は国際協力機構(JICA)に出向している方と、日本の事務所でファンドレージングを担当している方と一緒にお食事をともにさせて頂いた時。

想像を絶する過酷な自然環境と、紛争地帯に程近くいつ武装勢力がキャンプへ攻撃してくるかも解らない極限の状態で、しかも難民はとどまる事を知らず次々にキャンプへ流入し、病気などで次々に倒れていくまさにこの世の地獄の中で、どうして頑張れるのですか??

そのモチベーションの源泉は、一体なんなのですか??

と僕は質問しました。
その方は女性の、まだ30代前半の方だったのですが、その問いに対して一言、

『想像を絶する凄惨な状況を一番近くで目の当たりにしているからこそ、この人たちを何とか助けよう。何とかこの問題を解決しよう!と思えるのですよ。』

と応えました。

そして、どうして国連職員になろうと考えたのですか??
という問いに対しては、

『子供の頃、親の仕事の関係でフランスへ滞在していたとき、他の人種の生徒達が学校で差別を受けている状況を目の当たりにした事。そして自分自身も、小さな差別を受けた事。それが脳裏からずっと離れず、それ以来、そういった問題の解決に尽力したい!と思うようになりました。

ハーバードへ留学してマスターを取ることも、JPOの試験も非常に大変でしたが、その原体験が過去も今も私を動かしてくれたんだと思います。』


この方は、幼い頃に”差別”というグランドゼロに直接触れたことで、心の中に決して消える事のない問題意識をもち、今もグランドゼロに触れつづけています。きっと僕が同じように現地へ行ったら、すぐにへこたれて体を壊し、すぐに帰国してしまうと思います…

それはきっと、僕にはグランドゼロに触れた原体験が無いからだと思います。

どんな問題、物事にしろ、それに対するモチベーション。問題意識をもちつづけるには、それぞれの原体験が必ず必要なのではないか。それはきっと、メディアなどを通してではウソで、自分自身の肌で直接触れて感じなければすぐに消えてしまう。。。

何の分野でもどんなことでもイイので、絶対に消えない、時間も距離も離れる事のない、心の中のグランドゼロを持つ事が、僕達には絶対に必要で、だからこそ様々なことを体験しなければいけないのではないかな?これからの自分の生き方もそうだけれど、子供ができたらその子供にも、色んなことを経験させてやらなくちゃいけない!

そんな風に思った1日でした。。。

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