栄養医学日記

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ガン幹細胞でのTET活性とビタミンCの作用 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2017-08-08 13:59:41 | 健康・病気
TET酵素の活性は、胚の発達、幹細胞、ガン幹細胞、などの調整作用の鍵となり、細胞の正常な状態とガン幹細胞などの悪性状態のバリアーとして重要です。また、TET酵素の発現の不良状態、もしくは機能の不良状態は、あらゆるガンで観察され、TET酵素機能の明らかな低下は、in vitroでは血液のガンの始まりと進行の原因となっています。

ここで、ビタミンCは、TET酵素の補因子となり、TET酵素の活性を復活させ、Foxp3(転写因子)のDNA脱メチル化を促進し、過剰なDNAメチル化と異常な遺伝子発現を防ぎ、ガン幹細胞の弱体化をもたらすと、考えられます。

DNAの過剰なメチル化だけでなく、遺伝子変異、転座、あるいは過剰発現などによるヒストンメチル化の異常は、ガンなどの疾患の発症をしばしばもたらします。この異常なヒストンメチル化を調整する作用が、TET2にあり、ガンは、ヒストンの特異的メチル化により発症すると考えられ、DNAメチル化とヒストン修飾(ヒストンメチル化やヒストンアセチル化など)の関係は、体細胞の再プログラム化はもちろん、正常な発育と腫瘍発生に、ミクロRNA発現と関係しながら、相互に複合的に関係していると、考えられます。このことがうまく調整されなければ、ガンなどの疾患の発症につながると、最近の研究から推測されます。

その他に、あるガンでは、5hmcは枯渇しており、ガンにおけるビタミンCの減少と5hmcの減少(TETの変異やその活性の低下による)は、ゲノムの脱メチル化におけるビタミンC塩(L-アスコルビン酸塩)の作用の分子メカニズムの証拠となり、ガンのみならず、いろんな疾患におけるビタミンC塩(L-アスコルビン酸塩)のエピゲネティクな役割を示しています。

また、5mcを5hmcにするTET族のいくらかは、DNA脱メチル化とヒストン脱メチル化に必要で、補因子として、TET族は、ビタミンCが必要で、ビタミンCは、TETの変異を元の状態に直し、その活性を高めることも報告されています。これらの事から、ビタミンCは、エピゲネティク機構の重要な部分に関係し、その正常な制御に必要な栄養素であることが、新しい研究から明らかになりつつあります。

References
VitaminC helps control gene activity in stem cells: ScienceDaily. July 1, 2013
Christopher B Gustafson, et al: Epigenetic reprogramming of melanoma cells by vitaminC treatment. Clin Epigenetics. 2015;7(1):51.
Partha M. Das, et al: DNA methylation and cancer. Journal of Clinical Oncology. Vol22,No22 2017
Anica Dricu, et al: DNA methylation, stem cells and cancer. INTECH.2013

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