林時計鋪

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時計の価値感と寿命

2017-06-13 | その他



机のまわりを整理していたら出てきました。というかあったのは知っていたのですが、存在をほぼ忘れていました。
確か以前お客様がレベルソを買う時に、手持ちの時計を何本か手放した内の一本だと思います。見るからに状態が良く無いです。
話はそれますが私が入社した時、会社の棚や引出に色んな時計が入っていて驚きました。当然修理預かりや、在庫品ではなくそれ以外の時計です。今だからある程度把握していますが、長年の蓄積と言いますか…。
またそれとは別に、店頭の時計以外に常時何十本も時計があります。大半は修理品(未修理品、修理完了品)ですが、ご委託品や、販売済品等様々です。

修理に関しましては、弊社で販売した時計以外も受け付けしておりますので、手元には色んな時計が集まってきます。修理の際は必ず見積もりを出し、その後進行orキャンセルをお客様に判断して頂いております。ほとんどの方は修理進行のお返事を頂きますが、当然キャンセルになる事もあります。金額面のところですね。購入金額以上の修理代がかかる場合もありますからね。特にクォーツ時計の場合は。購入金額以上の修理代であっても、思い入れのあるもの、頂き物等であれば修理される方も多いですよ。
よく「この時計は修理する価値がありますか?」と聞かれます。多分100回くらいは聞いています。確実に言えることは、そのお客様にとっての価値と市場価値は全く違うという事です。困ってしまうのは、キャンセルのお返事になって「処分しておいてください」と言われることですね。「えっ」ってなってしまいますよね。ROLEXを処分して下さいと言われたことも数回ありますよ…。価値観の違いですよね。




「この時計いつまで使えるの?」という質問もよく受けます。答えは当然「わかりません。」です。
弊社取扱いのメーカーであれば相当永く使って頂けると思います。例えば100年とか大丈夫な時計多いと思いますよ。事実1920年代の時計とか普通に使えますよね。大事なのは使い方だと思います。これが寿命を大きく変えます。
確かにパーツの供給とかの問題はありますが、本国対応しているメーカーは多いですし、ETA等汎用ムーブメントのパーツは市場に流通があります。今後メーカー自体が無くなるなんて事もあると思いますが、パーツ単位で別作したりも出来ますから、意外と対応は可能かなと。その場合オリジナル性は失われますが、そもそもメーカーが無ければしょうがありません。勿論純正部品を使えるのが一番ですよ。


















1940年代のジャガー・ルクルトです。ヴィンテージ市場では比較的見つかり易く、価格も抑えられています。
お預かりした時から、
①不動(リューズ固着)
②風防劣化
③ケース劣化
こうなる前にもうちょっとやりようがあったのでは…と思います。修理はおそらく可能だとは思いますが、費用と時間がそれなりにかかりそうです。機械の状態は油切れですが、分解してみないと何とも言えませんね。
風防については新しいプラスチック風防に替えたら問題ないと思います。問題はケースですね。これだけ劣化するというのは使い方、保管の仕方の問題もありますが、そもそも素材の問題でもあります。現在弊社取扱いの時計であれば、70年経ってもこの状態になる事はありえません。現行品は全てSS(316L)製ケースですから若干の劣化はあったとしてもこの状態にはなりませんよね。このケースはベースメタルクロームメッキですね。茶色っぽく見えている地金はおそらく真鍮です。現にこの当時このモデルにはSSケースも存在していまして、そのモデルについてはケースの保存状態は良いものがほとんどです。






良い点は、文字盤、針の状態です。これオリジナル文字盤でリダン無しです。3針ともオリジナルで交換もされていないと思います。
特徴はロザンジュと呼ばれる長短針です。リーフ針を直線的にしたような形ですね。






cal.P469/A

金メッキのムーブメントで装飾もきちんと施されている、ジャガー・ルクルトらしいムーブメントです。




一度修理をしてみましょうかね。こんな状態で置いておくのは可愛そうですから。
そもそもこれが寿命なのかと。実はもっと長いのでは…。







 

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