林時計鋪

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ポール・ゲルバー Ref.335 , 336 

2017-04-22 | Paul Gerber


先日アトリエ見学のご紹介をしました、ポール・ゲルバー氏です。
私はアトリエに行っておりませんのでオカノから色々話を聞き、写真を見ながら想像を膨らませておりました。人柄が良い方なのでそれが時計にも表れています。これまで何度かご紹介させて頂いた、レトロ・セコンド、レトロ・ツインはまさにソレですね。また、この2作を含め20年以上同じモデルを作り続けている独立時計師はほとんどいませんよ。
独立時計師ブームみたいなものが日本ではありましたが、現在は…。色々と活躍されている方はおられますが、デザインの面でずいぶん変わってしまいました。あと金額もです。
今だからこそ、ポール・ゲルバー氏が作る時計のすばらしさを再認識しております。
弊社ではレトロ・セコンドのオリジナルモデル(sold out)10本を含め、レトロ・セコンド、レトロ・ツインを中心に販売して参りました。多分国内販売はこの2作品+Ref.420(チタンケースのスポーツタイプ)です。以前はクロックを含めもう少しあったとは思いますが、ここ数年ではこれくらいだと思います。
ですので今日はこれまであまり紹介されてこなかった、完全自社製ムーブメントを搭載したスペシャルモデルのご紹介をしたいと思います。






こちらがRef.335(18KPG)です。もう一つ18KWGケースのものがRef.336になります。
レトロ・セコンド、レトロツインはプゾー社製cal.7001が、Ref.420はETA社製cal.2824-2がベースになっています。しかしこちらのRef.335 336にベースムーブメントは無く、自社設計自社製のcal.33が搭載されております。
価格は600万円を超えますが、非常に魅力的です。そしてこの後の紹介文を読んで頂くとそれもご納得して頂けるのではないでしょうか。





Ref.335

Ref.335
18KPG
ケース径:40mm(ラグ含まず)×38mm(リューズ含む)
ケース厚:11mm
防水性:30m
パワーリザーブ:36時間
¥6,598,800(税込)
※納期約6か月





Ref.336

Ref.336
18KWG
ケース径:40mm(ラグ含まず)×38mm(リューズ含む)
ケース厚:11mm
防水性:30m
パワーリザーブ:36時間
¥6,598,800(税込)
※納期約6か月






この時計大きく3つの特徴があります↓

①自社製角型ムーブメント

②球体ムーンフェイス

③自社製脱進機「ゲルバー脱進機」





色々データを頂きました↓




そもそも自社設計自社生産には時間がかかります。
特にこのモデルは丸型の2針、3針ではなく特徴的な時計になりますので尚更です。






















この時計は受注生産になりますので、約半年ほど時間がかかると思います。
この時計を含めこれまで数人で作業を行っていましたが、今後作られるポール・ゲルバーの時計は100%彼自身の手で作られたものになります。これって凄い事ですよ。
機械式時計はこのように小さなパーツの集合体です。その一つ一つが丁寧に作られています。








コレはインデックスですね。
ゲルバー氏の時計はこのように柔らかい字体が多いのも特徴です。






これは長短針ですね。未だ青焼きをする前の段階ですね。
実はこの針に限ってはゲルバー氏のハンドメイドです。




続いて自社開発の脱進機です↓




プロトタイプです。
cal.33はゲルバー氏が開発特許取得の「ゲルバー脱進機」を搭載している唯一のモデルです。
3点の爪で2個の歯車を送ることにより、パーツの摩耗を防ぎ、精度耐久性の向上を意図しています。解り易い例がオメガのコーアクシャルですね。
脱進機まで開発できる時計師はほんの一握りだけですよ。





CAD


CAD


CAD


CAD

一般的なスイスレバー式脱進機の爪石は2個ですので、見た目も違いますね。




そして最後に球体ムーンフェイスです↓




128年修正不要の球体表示ムーンフェイスです。
ダイヤモンドは満月、ブルーのラピスラズリは新月を表しています。
この機能はドキッとしますね。








内側はこのようになっています。






グラスバックからはこう見えます。
最近は何でもかんでもグラスバックですが、本来はこのように特徴のあるムーブメントを眺める為のものです。当然サファイヤクリスタル製です。






外すとこんな感じです。完全に宝石ですね。
ダイヤモンドは54石使われています。
これが入ってケース厚は11mmですからイイですよね。








4つのゴールドシャトン、コート・ド・ジュネーブ仕上げ、そしてテンプの下まできちんとペルラージュ仕上げが施されています。









色んな意味で凄い時計です。

何かご不明な店等ございましたらお問い合わせ下さい。











 

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