竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

再生可能エネルギーで日本再生

2014年12月10日 | 緑茶会
#戦略的投票はじわじわと浸透しています。
東京新聞は取り上げてくれないのですが、産経新聞が取り上げてくれたようです。
まあ私への個人攻撃的要素もなくはないですが、それでも光栄の限りです。
原子力ムラ系の人たちが、このサイトにいらっしゃるかもしれませんので、本業の方を少し整理しておきましょう。
スライドショー的にストーリーをつくりました。

まず世界の再エネです。
2011年まで年率30%くらいで伸びてきました。2012年にアメリカと欧州の経済危機でダウンしますが、中国、インドなどのアジア、そしてアフリカの市場は衰えていません。年間投資額にして20兆円ラインは安定的で、やがては点線の矢印のような角度で再び上昇すると思われます。



これは日本の再エネポテンシャル。
もうかなり使い続けていますが、環境省の「導入可能量調査」にもとづいてつくっています。
私があちらこちらで、風力発電のポテンシャルは日本の電力需要の4倍ですよーというのはこのこと。
でも4倍もいりませんし、全部を風力にすることもない。



再エネ100%の投資額は244兆円。
でも、日本が再エネ100%を実現できる資源量を持っていることはまちがありません。
それを開発するか、しないか・・、そのカギは政治が握っています。
そして、もしゴーしたらどうなるかがこれで、省エネも入れました。
風力30%、太陽光25%。その他の再エネ25%、省エネ20%で100%です。
太陽光発電はシリコンや、セルの加工からパネル組立、ガラス、アルミ、配線、輸送、電設・・などなど多くの関連産業が設備投資の恩恵を受けます。
風力発電も鉄鋼、炭素繊維、発電機、輸送、土木工事、電設など、関連産業はぼると1本にいたるまで数多くあります。
その他の再エネも省エネも同じ。
その産業界全体への投資額が244兆円!と出ました。
アベノミクスを上回るのです。



再生可能エネルギー普及を邪魔するインフラ問題。
そんなポテンシャルと投資効果を持つ再エネが、何で日本ではまだちょぼちょぼ(電気の2.2%)なの。
その最大の理由がインフラ問題で、送電網の構造と運用の問題。
運用という点では、電力会社ごとに送電応が分断されていること。
再エネの大供給基地となり得る北海道や九州は電力会社の需要が少なく、再エネの電気が吸収できない(と主張している)。
東京や大阪に直接送れれば、それだけで今の100倍の風力発電が可能になると言われています。
日本全国を一つの送電網として、運用することになれば、この問題は解消されます。
そして、この広域運用は来年度(2015年度)からはじまるはず。

構造という点では、風力発電の適地など人里離れた海岸線や山中にある再エネ適地には送電線がないということ。
そして、太陽光発電などで起こっているのは、送電網に電気を入れるための変電所が足りないという問題。
どちらもお金で解決できる問題だが、それを再エネ事業者に負担させると、発電コストが跳ね上がって採算取れなくなる。
公共のインフラとして、国民=消費者全員の負担とできるのか・・という問題。



こちらはスペインの事例。
風力は風力、太陽光は太陽光・・といった感じに、再エネごとの集計をたばねて、全体の需給調整に突っ込むことができる仕組み。
日本でも同じことがやれるはず。



こちらはスペインのリアルタイム発電状況。
スマートメーターで発電量を管理しているので、こんなことができる。
世界中に公開されているので、URLをクリックすると、あなたも「今の状況」を見ることができますよ。


日本の電力システム改革スケジュール。
そんなスペインに近づけようと、今日本で進行しているのが電力システム改革。
2015年には「送電網の広域運用」、2016年には「小売全面自由化」、2018年には「発送電の法的分離」がきまっています。
2016年には、一般家庭でも「電気を選べる」時代になるのですが、問題はこのまま推移して、選ぶはずの電気のほうが送電線につながっていないかも・・という懸念。



FIT(固定価格買取制度)による普及と送電網への接続保留。
図はFITによる再エネ電気買取の仕組み。政府が設定する発電原価(回避可能原価という)10円に対し、22円も高く買い取っていますが、このお金は電力会社(新電力)が出すのではなく、消費者の電気代から0.75円/kWhとしてとられています。1ヶ月300kWhで225円/月くらい。
ちなみに原子力関係費用は、同じ300kWhで1000円くらいとられてます。
こうして消費者からとるので、あまり再エネが増えると消費者負担が増すのでよろしくないと主張する人がいます。
仮に再エネ比率が2.2%から10%になったら、毎月の負担額は600円になります。
実際は、そんなに増えたら、今と同じ単価じゃないでしょう(もっと安くなるよね)から、買取価格も下がり、負担額も減るはずです。
ともかくも、再エネには FITはすごくメリットだったので爆発的に日本でも増えつつあります。
太陽光発電の設備認定量(運転開始予定の量)が全国で7000万kWを超えて、電力会社側が限界だーといいはじめた。
裏を返すと、2年でそうなるほどFITには効果があったということ。
まだ、準備中の風力発電、水力発電、バイオマスに地熱もあり、ここで接続拒否なんてされたら大変。
今問題が見えてきたのだから、一緒に改善しましょう・・ということです。



原発をいまだにベースロードだという錯誤。
この図は、電力会社が再エネを受け入れられないと主張する大前提の図。下に10%くらいベースロード電源と書いてありますが、これが原発。
今は「ゼロ」なのに・・。
ちなみに地球温暖化の最大の原因「石炭」も日本ではベースロードに入れられています。
石炭は海外では真っ先に抑制する(発電を止める)ものですが。
こういうものを入れて、再エネが入らないようにしているのです。



各地市民電力による分散型ネットワーク。
送電線の問題はあるけれど、各地では市民による発電所づくりが盛んです。
今年度の終わり頃には600施設を越えると思われます。
大企業が地方の土地を購入して、売上げも利益も全部東京に持って帰るという仕組みでは、これまでと変わらないと思うからです。
地域の資源を、地域の人が開発し、その利益も地域の人が享受するというのが正しいあり方だと思います。



岐阜県石徹白の小水力発電による街おこし。
そういう事例の一つが、岐阜県の石徹白(いとしろ)。
年々人口が減り限界集落に近づいていた中山間地の集落で、街おこしの一つとして小水力発電(マイクロ水力というべきか)をつくってみました。
集落の技術者による完全手作りでしたが、各地から視察が来るようになり、レストランができ、若い移住者もやって来るようになりました。
やがて子どもも産まれ、なんと人口が増えはじめた・・のです。
今は県や郡上市とも協力して、本格的小水力発電建設への取り組みがはいじまっています。



風力発電で黒字自治体に転じた北海道寿都町。
最後の1枚は、風力発電のまち。
大企業に風力発電を立てさせるのではなく、自分の自治体のお金で風力発電基地をつくったところがポイントです。
おりしもFITの制度ができて、事業収益は7億5千万円となり、剰余金は3億7千万円で、町予算の9%を占めるほどになりました。
こうして、FITによって、赤字自治体から黒字自治体への転換ができたところもあるのです。



とても駆け足で、ダイジェスト版「再生可能エネルギーによる日本再生」のお話をしました。
日本の自然を愛する人、国土を大切にする人ほど、再生可能エネルギーとの親和性は高いのではないかと思います。
まさに、真の「日本」の「保」・「守」ではないかと。

より詳しい話しは、お呼びいただけば講演にまいりますよ。
日本再生のために頑張りましょう。
**から「日本をとりもどそう!」






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