村上春樹を英語で読む

なぜ、こう訳されているのかを考える。

「小説の語り手が書けること」の日英比較(207)

2016-10-17 12:39:22 | 村上春樹を英語で読む
『1Q84』に次のような箇所がある。下はその英訳である。

(1)牛河は畳の床に俯せにされていた。
Ushikawa was lying facedown on the tatami.

英文を和訳すると、「牛河は畳の上に横たわっていた」となる。英語頭の小説の語り手は、描写はするが、「俯せにされていた」のように、その直前の過程を推測してそれを言語化しない。次例は類例である。『1Q84』から。

(2)意識が戻ったとき、牛河は寝袋の外に出されていた。
When he regained consciousness, Ushikawa was no longer inside the sleeping bag.

(3)短い叫び声をあげる暇さえ与えられなかった。
He didn’t even have time to get out a sound.
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