2015年11月17日
ドリヤス工場著。
水木しげるタッチでの題名通りの内容。
アマゾン様で試し読みして「人間失格」篇の冒頭の「そこで考え出したのは道化でした」「おほほ」のコマの水木芸にシビれ購入。各編結尾のザックリした著者似顔絵が可笑しい。
そのあと、ネットで収録・未収録作品が何編も読めることに気付く。
この本の中では「ドグラ・マグラ」が力作だが何だかよくわからず「人間失格」「山月記」「恩讐の彼方に」など好き。水木先生ご本人が描いてる様な気がしてきて混乱。先生が描かなそうなものがパロディとして面白いようです。
「濹東綺譚」では、小説冒頭客引きの言う「猟奇的ですぜ、旦那」の台詞がほしかったなあとか、「五重塔」嵐の場面は、小説のしっちゃかめっちゃかさにもっと迫って欲しいとか無い物ねだり。
嫌な小説だけど、葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」なんか画風に合うんじゃないかしら。もとい、ギャップのある題材だから面白いのだった。