道楽人日乗

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映画「濡れ牡丹 五悪人暴行編」と「引き裂かれたブルーフィルム」

2017-12-17 11:54:42 | 映画感想


昔の友人の上映会(現代映像研究会Voi.13)に行き大和屋竺脚本・梅澤薫監督の「濡れ牡丹 五悪人暴行編」と「引き裂かれたブルーフィルム」を見てきた。共に場面場面はとても面白いのだけれど大きなお話の流れはさっぱりわからない。珍品。伝説の人、大和屋竺氏の業績を振り返ろうという試み。大和屋竺氏自身が監督した3本より面白かった。

「濡れ牡丹 五悪人暴行編」
冒頭。暗闇の荒れ地に一人、焚火の前でギターつま弾く少女「お母さんのお墓はもう何処か分からなくなっちゃったの。もう一曲だけ歌うわね」。
その近くでたまたま?ギャングのブツの引き渡しが行われており、現れた謎の狙撃野郎(大和屋竺演じる)に殲滅されてしまう。そして目撃者である少女を襲う狙撃野郎。生き残った女ギャングは仲間により折檻される。ブツはどうなった?!
コロしがコロしを呼び、正体がばれた狙撃野郎は追い詰められ鉛玉の連射をくらうが、どっこい不死身だ。 裏切りを責められた幹部は、組織の面々の前で裸踊り「あら、エッサッサー!」そして死す。せむしのコロし屋も死す。 で、実のところ、ブツのトランクはなぜか少女のもとに…?
結局、五悪人は誰と誰のことなのか?煮え切らないラストはなんのため? 何が何だかわからないが面白い。

引き裂かれたブルーフィルム」
ムショから帰ったばかりの土居は、仲間の大原に現金強奪の策をもちかける。それはそれとして敵対する組の黒木に自分の情婦・美那が囲われているのが気に入らない。二人の情事を記録した8ミリフィルムを見つめる土居と大原。彼等はついに美那をさらい、身代金一千万を要求、自分たちも美那をつかってエロ8ミリ映画の撮影を始めた。ついに映画の中で美那をコロし?!フィルムを黒木に送りつける。土居はなぜか凧揚げに執着しはじめ、美那を大凧でふき飛ばすことを幻想する。強奪計画は実行される?が、大勢が死に大原も倒れる。
負傷し、美那を追った土居が見たのは、とある一室で映写される8ミリ映画。スクリーンに蠢く美那の裸体。画面を撃つ土居。大写しの美那の顔面、銀幕上に現実の血がしたる。スクリーンに開いた穴から、背後に隠れていた美那の眼球が覗く。スクリーンは美那自身の裸体をなめるように映していて、穴に固定されている美那の眼が足から腰、胸、肩へのぼりつめる。それは観客の好色な視線を暴露するかのごとく、また不気味なシンボルのようでもある。現実の美那の眼球と映像の眼が重なるとき、スクリーンの背後から銃声が響き、土居は倒れた。美那もまた床上に骸をさらすのだ……。
ギャング映画ではなくて映画ギャングってことなのか?

上記細部には記憶違いがあるかも知れません。聞けば、両方とも現存する唯一の貴重なフィルムなのだとか。パートカラー部分?は赤一色となっていた。
隅の方に大和屋竺著「悪魔に委ねよ」「荒野のダッチワイフ―大和屋竺ダイナマイト傑作選」が参考に置いてあった。僕も両方持ってたが床上浸水で廃棄せざるを得なかった(収録「星女郎」が好きだった)。上映終了後、上記本(「荒野の…」)の編集に携わった高橋洋監督と井川耕一郎監督が当時の思い出と上映作品について語られました。お二人は率直に、わからない部分は、やっぱりわからないと述べられていたのが印象的です。大和屋竺氏が撮影中の梅澤監督に、よりサディスティックな演出を求め「そうしたほうがお得ですよ」とささやいたという逸話を聞き、成る程なあとうなずいたものでした。

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