道楽人日乗

ツイッターのまとめ。本と映画の感想文。
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映画「夜は短し歩けよ乙女」

2017-05-15 15:12:15 | アニメ感想

湯浅政明 監督

映画「夜は短し歩けよ乙女」を見る。「黒髪の乙女」に密かに恋する「私」は偶然を装いしつこく彼女の目前に現れるナカメ作戦(ナるべく、カのじょの、メにとまる)を決行するも、常に「あら、奇遇ですね」の一言どまり。ある夜、結婚式に参列した乙女は、自らの酒豪体質に目覚め、迷宮のごとき夜の京都を渡ってゆく。「私」は彼女に巡り会えるのだろうか。

私と黒髪の乙女は「四畳半神話体系」の私と明石さんとは異なるようだ。乙女というも男勝りに活動的な彼女は、先斗町飲み比べ、古本市、学園祭等を渡り征く。一夜の出来事のようで、時間的にあり得ないのは脚本の未整理か。期待して見たのだが、狂気も風刺もTV版には及ばない感じ。ただしアニメの絵と動きの魅力は相変わらず全編横溢している。

先斗町での李白さんとの出会いは、千と千尋のような不思議世界の予感がありわくわくした。原作は一年の出来事らしいが、アニメ版では「あれ、ここからは次の日の出来事なのかしら」と何度か戸惑う。(先斗町であんなに飲み歩けば、明け方近くになるはず、古本市で一般客や子供達が歩いている場面につながるらない)このお話の酩酊感をともなう夢のような彷徨は、長い長い一夜であってこそで、白昼が間にはさまった(のか?)と思うとちょいと白ける。

その古本市につづく学園祭のくだりは、僕も多少経験のある夢みたいな時間で、懐かしさとしょっぱい思い出なんかに包まれる感じ。切ない切ない。ゲリラ演劇なんて言っても所詮ゴッゴで、何を主張してのゲリラなのか、何をとりしまっているのか大して意味のない平和な時代。ミュージカル場面でボヘミアン・ラプソディーみたいなメロディが出てくるのも、学園祭風の安っぽさって感じだ。変な格好をすれば可笑しいでしょう?みたいなノリが関西風なのかな、と思ったものの、京都の話だからいいのか。

古本市で語られる著者達の繋がり、後半でのインフルエンザ蔓延などから、世間には「見えない因果」の絆が巡り、結局のところ我々は孤独でないとメッセージしているようだが、二人が結ばれるのは結局のところ双方とも「人の紹介」なの?トカトントンだ。 「私」は恵まれた奴だ。なんだか長いノロケを見せられた気がする。
あまつさえ、乙女が家にやって来る前の「私」の青臭い逡巡が絵的に最も壮大なスペクタクルなのでちょっとウンザリだ。何だってのさ。

ビジュアル面ではとても楽しく見られるのだが、なんか引っかかるのです。
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