道楽人日乗

ツイッターのまとめ。本と映画の感想文。
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アニメ映画「アリーテ姫」

2016-11-24 19:29:02 | アニメ感想

片渕須直 監督

冒頭、城下町の職人達の作る精巧な細工を見てアリーテは思う「本物の魔法使いのものとはちがうけれど、人の手には確かに魔法の様なものが備わっている」この一言に姫の知恵と、この物語の基本的な姿勢が示されていた。人々の夢見る力が魔法をつくりあげたのだ。

15年前の作品、全然知らなかったのだが、腰を抜かすような傑作で心底驚いた。ファンタジーというにはあまりに硬質、だからこそ眼前の驚異に子供の頃のように胸がおどる。これはSF? どうしてあの原作からこの話が生まれるのか。アレンジの巧み、演出の厳しさにまさに感動。
少女でありながらアリーテ姫の行動のハードボイルドさ。(特にラスト)

大人の姿に変えられ、冷え冷えとした心で日々過ごすアリーテを救ったのは、自分の言葉で自分の物語をつくるたどたどしい一歩だった。その夢見る力こそ、やがて驚異の世界を(もしかしたら滅びも)生む源泉なのだ。メッセージは強烈につたわる。結末の美しくも悲しい情景に涙。


アリーテの幽閉された室内にゆらめく蝋燭の光。抜け穴の暗闇。魔法使い達の傲慢と悲嘆。食事をはこぶアンプルさんにのしかかる日常の重み。ナウシカやラピュタの影響下なのかもしれないが、むしろ肩を並べる作品なのではと思う。知らなかった。何度もすごいすごいとつぶやきながら見た。

絵柄が地味なのと、思弁的で、派手な場面などの娯楽性にはとぼしいかもしれない。原作からのアレンジはほんとに素晴らしいと僕は思います。上記二作の他にも「ガタカ」や「バベットの晩餐会」なども連想したりしました。

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