道楽人日乗

ツイッターのまとめ。本と映画の感想文。
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映画「太陽の蓋」

2017-03-29 08:39:42 | 映画感想

佐藤太監督

大震災発生から原発事故に至る過程を、当時の政権内部、首相官邸内でそれを取材する新聞記者、若い原発作業員とその家族を対比して描く。舞台劇の様な会話主体の地味な展開、静かな音楽。え、あの場面は無いの?吉田所長は出ないの?等々不満はあるが当時の記憶が甦り結局ドキドキしてしまう。

電力会社の不手際が重なり事態が悪化、官邸に情報が上がらず、しびれを切らした菅さんが現地視察、対策本部を電力会社本店に移転、700人の現地作業員を引き上げるというのを、怒鳴りつけて止めた、というお話のように見える。総理の行動に否定的な台詞も劇中にあるが、印象としてはそんな感じだ。

映画は原発クライシスを中心に描かれる。
現実では津波の被害にあった多くの人々の救出もあったはずだ。中露の戦闘機の領海接近と自衛隊のスクランブル発進という、米空母ロナルド・レーガン派遣にかくれたドラマもあったと聞く。一面ではとらえきれない巨大な現実があった。全てが一度に襲ってきた官邸はどんな状態だったのだろう。当然かも知れないが、そこらへんはこの映画では描かれていない。

主な舞台の一つが官邸地下なので「シン・ゴジラ」とイメージが重なるが、比較するとドラマの切迫感や絶望感は薄く感じる。日本崩壊の危機なんだからゴジラに負けるはずがないのだ。新聞記者を物語の進行役にすえたところも古くさい感じがする。
お話で描かれる危機の焦点は、より映画向きな2号炉のエピソードではなく(決死隊で圧力バルブ解放に挑むもことごとく失敗、炉そのものの壊滅的爆発寸前にメルトダウンが発生し内圧が下に抜けた)、使用済み燃料が保存されていた4号炉だった。大量の水が近くになく空だき状態が続いていたら、東日本に人が住めなくなる未曾有の事態が起こる危機が目前にあった。ほんとうに何度も日本列島が破滅寸前だったのは現実だ。恐ろしい。
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