JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

罪と罰・・私には難しい

2007年11月04日 | p-r

 

昨日は珍しく仕事が入り、恒例の散歩も夕刻になってしまいました。夕日を眺めながらまたも疲れ気味の目をいたわってみたものの相変わらずの肩こり、昨晩はPCはおろかTVも見ずにレコードで一杯を決め込んで早寝をしました。おかげで、今朝は7時前に起床、趣味部屋の掃除を朝食前に済ませてしまうほど爽快な目覚めを迎えることが出来ました。

話はコロッと変わりますけど、先日スペインだったでしょうか「懲役4万年の求刑」というニュースがありましたよね。列車爆破で死者191人、負傷者1820人、それぞれをそれぞれの罪の刑で合算すると約4万年の懲役という計算になるそうです。実際は何万年の刑になろうとも約40年で仮出所ということになるのだそうですが、罪の重さを本人にも世間にも知らしめるというパフォーマンス的要素が大きいということなのでしょう。
しかし、191人の遺族はそれに納得するのでしょうか? だって、ちょっと違うかもしれませんけど麻原 彰晃が40年で仮出所するようなものでしょ、いかに求刑が4万年でもなんだか腑に落ちない気もします。
もちろん、私は死刑推進論者ではありません。どちらかといえば死刑反対の方だと思います。がしかし、遺族の心情もまた理解しなければいけないと考えています。

「やっぱ流刑の復活だな、どっかの島を逃亡不能にして、自給自足させるわけよ。ほんでもってそこでおっ死のうと、殺し合いしようと、「そんなの関係ねぇ」にしちゃってさ、とんでもなく恐ろしい地獄の島にしちゃうわけさ。そうすりゃおめえ「そんな島行きたくねぇよぉ」ってんで、犯罪も減るんじゃねぇか」
とまぁ、そう簡単ではありませんけどね。
昔、アメリカのパロディー映画で「てめぇ、いうことをきかねぇと、成田に送り込むぞ!」(成田闘争まっただ中のお話)と脅すシーンがありましたが、少なくとも刑には犯罪を抑止する恐ろしさも無いといけないとは思います。

そのイタリアを中心に「死刑の執行停止を求める決議案」が国連に提出されたそうですし、死刑を10年以上執行しないなど事実上廃止している国を含めた死刑廃止国は133カ国、一方、死刑存続国は日米や中国など64カ国・地域だそうですから、日本もいずれ近い将来、死刑に関して今よりなお考えなければいけない日が来るのでしょう。

4万年の刑といえば、ギリシャ神話で3万年の刑をゼウスから受けた神がおりました。プロメテウスという『先見の明』がある神だったと思います。

コーカサスの山に鎖で縛られたプロメテウスは、日中、大鷲に肝臓をついばまれ、夜中に肝臓を復活(神ですから)、また翌日これを喰われるという毎日を3万年続けるという刑です。(じつに陰湿で恐ろしい、ある意味ゼウスらしい刑であります。)

では、彼はいったいどんな罪でこの刑に伏したのか?
じつは、人間に『火の使い方』を教えた罪でありました。
「まぁ、なんとひどい!」とお思いか?
それは、我々が人間であるからで、神にしてみれば火は神の神聖なパワーであって、「外道の人間に教えたら使い方を誤る(事実、戦闘に火はつきものですし)に違いない、なんという罪を犯してくれた!」と怒るのも当然なのです。

あれ?何を言いたかったんだっけ???????
そうそう、結局、罪というものは「どちらの方向から見ても罪である」という事が難しいものも多いということ、「人間に便利な火の使い方を教えてくれたプロメテウスに、それほどの罪を与えるとはゼウスという神はなんちゅう神だ!」とも思えるし、「いやいや、その後、人間達がその業で犯す罪は計り知れない、それを大きな観点で先読みしたゼウスこそ神たらん」とおもうのか、私には判断できません。
そんな中で『裁判員制』が導入され、我々が人の生死を決定することがあったら・・・・・・
『罪と罰』は人間の傲が無くならないかぎり永遠に続く大命題なのでありましょうか。

さて、今日の一枚は、ポール・クイニシェットです。
今朝ね、早起きしたもので、私がメンタマ焼きを作ったんですよ(というより、朝食を私が作ったんですけどね)、それでついついこの盤を選んでしまったという・・これは余談(笑)

クイニシェットはもちろんスイング時代から活躍した『副大統領』(レスター・ヤングはプレス・大統領、クイニシェットはバイス・ブレス・副大統領であります。)、ベイシー楽団のスターでもありました。
このアルバム、なんといっても構成が面白いですよね、テナー、トロンボーン、それにアルトが二本という4管セッション。デビューしたてのジョン・ジャンキンス、ソニー・レッド、カーティス・フラー(前回も説明しましたが)を従えて、新旧の感覚がとても良くマッチした一枚に仕上がっていると思います。

主に私はB面を良く聴くのですが、5曲目「MY FUNNY VALENTINE」はなかなかの名演であると思いますよ。

この頃の『副大統領』は、若手との共演がお好みだったのでしょうか?この一週間後には新人ジョン・コルトレーン(もちろん当時という意味ですよ)と「CATTIN’WITH COLTRANE& QUINICHETTE 」を吹き込んでいます。
しかし、発売はコルトレーンの名前が売れてから、2年後になってしまいました。プレスティッジは『副大統領』の名だけでは売れないと判断したのでしょうかねぇ?これには彼も「失礼な!」と怒っていたのではないでしょうか。

ウエッブスター・ヤングの「FOR LADY」をはじめ、プレスティッジに残る『副大統領』の参加アルバムには好きなものが多く、私は隠れ『副大統領』ファンなのかもしれません。

ON THE SUNNY SIDE / PAUL QUINICHETTE
1957年5月10日録音
PAUL QUINICHETTE(ts) CURTIS FULLER(tb) JOHN JENKINS, SONNY RED(as) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ED THIGPEN(ds)

1.BLUE DOTS
2.CIRCLES
3.ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET
4.COOL-LYPSO
5.MY FUNNY VALENTINE



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