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■BOX ART展4 閉塞形状展(2月3日まで)

2007年02月01日 02時21分10秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 近年、ギャラリーたぴおは、この手のグループ展がとみに多くなっているような気がする。オーナーの竹田博さんが自ら出品するとともに、知り合いのアーティストに声をかけ、出品を募っているのだ。
 今回も、竹田さんのほかは、柿崎秀樹、古賀和子、今偉正、名畑美由紀、能登健一、林教司、福地秀樹、山岸せいじ、横山誠、吉住ヒロユキの各氏で、この会場ではわりあいおなじみの人が多い。

 ちょっと意外だったのは、山岸さん。
 ここ半年ほどあちこちで発表している、正方形にトリミングしたデジタル写真のスナップには、筆者はまったく魅了されているのだが、今回発表した「昨日の晩御飯を思い出す為の装置」は、白い球体。
 写真を利用しない、立体作品の発表は、ほんとうにひさしぶりだ。
 で、この球体。反対側の壁にセンサーが取り付けてあって、人が近づくと、いろんな色できらきらと明滅するのだ。見ていると、うっとりとしてしまう。
 もう1点、「一歩下がり、二歩進む為の装置」は、半透明の箱の中に、例の正方形のデジタル写真をプリントして折り曲げたものがたくさん詰まっているという代物。あるいはミスプリントの再利用かもしれない。

 もうひとりの「意外」は福地さん。
 素朴なタッチの木版画を発表してきたが、今回は「受難」と題したオブジェ(画像の右端)。
 中央に、縦に並んだ赤い丸がどことなくエロティックだ。
 その左右には、コンクリートブロックがたてにすえつけられ、穴から配線がうようよとはみ出している。そして、全体が黒く塗られている。
 堅さとなまめかしさが同居した、味のある作品だ。

 この種のグループ展はほぼ皆勤賞という感じの林さん。
 「GOT HAND」(原文のまま)と題したオブジェは、干からびた小さなトウモロコシを握り締めた石膏の手だ。
 手前には
「Only the goodbye is a life」
と書かれている。
 これって
「さよならだけが人生だ」
の英訳なんだろうか。

 竹田さんの「BLACK BOXのコンポジション」は、電気店でいらなくなった大きな段ボール箱を黒く塗ったもの。
 中には、1974年の新聞を広げて読む竹田さんとご夫人のモノクロ写真や、シャクナゲの木の枝、黄色一色に塗られたキャンバスなどが収納されて、上から覗き込むことができる。
 過去と現在とをつないだような、ゆかいな一種のインスタレーションである。

 そういえば、今回は、コーネル的なボックスアートは出ていなかった。
 そのぶん、あまり「ボックス的」でない感じもするんだけど。

1月22日(月)-2月3日(土)11:00-19:00、日曜休み
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館 地図A

■06年の閉塞形状展


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お礼 (栄通)
2007-02-01 09:19:43
 「栄通記」へのコメント、有難うございます。開設の報告と宣伝をかねてうかがう予定でしたが、余裕の無さとブログ自体が落ち着いてないので延び延びになっていました。失礼、失礼。ある程度固まったかなという段階です。当分はマメに更新しようと思っていますが、長く続けたいです。同じ記事では美術ネットの案内を書くことも多くなると思いますがよろしく。
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栄通さま (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-02-02 09:57:50
 こんにちは。小生がおくったのはトラバだけですが、とりあえず、今後ともよろしくおねがいします。
 栄通さんのブログ、とてもがんばってらっしゃると感服いたしております。ただ、写真の著作権の取り扱いが、気になります。
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Unknown (栄通)
2007-02-03 10:42:03
 コメントでなくトラバでした。失礼しました。
 「気になります」という言葉が気になります。すでに問題が発生しましたか?うっかりでも無知でも認識不足でも他人からみればミス以外何者でもないです。しかし指摘されて気付かされる場合が多い物です。指摘していただければ嬉しいです。
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>すでに問題が発生しましたか? (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-02-04 12:12:42
 問題が発生してからでは遅いと思うので申し上げたしだいです。作家の諒解を得てから写真を撮っているのであれば、私から申し上げることはなにもございません。
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