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豊平硝子同門展(6月26日まで)

2006年06月25日 07時14分35秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 ガラス工芸のさかんな北海道ですが、じつは1980年代ごろまでは、工房といっても数えるほどしかなかったのだそうです。札幌・豊平にある豊平硝子には、ガラスを志す若者が集まり、そして巣立っていきました。今回の展覧会は、豊平硝子と、そこから独立した作家のうつわを展示しています。

 顔ぶれは、青木一彦(石狩)、宇治川純、能崎祐介、巳亦敬一(以上札幌)、勝野好則(十勝管内音更町)、金野義孝(空知管内栗沢町)、荒川尚也(京丹波)、菅井淳介(旭川)、松田博志(後志管内蘭越町)、吉川満(岩見沢)の10氏。このうち、巳亦さんが豊平硝子の3代目。宇治川さんも同社で働いており、あとの8人が独立して工房を持っています。

 勝野さんは、球形の一輪挿しがユニークだと思いました。これを大きなガラスの直方体にちりばめた、インスタレーションふうの大作もあります。

 菅井さんは、木と組み合わせたうつわを多く出品しています。埋もれ木とコップをセットにした「木GLASS」などです。
 照明「雪原」は、キツネとその足跡がなんとも北国らしくて、ほほえましい作品です。

 荒川さんは吹きガラスによる泡がみごとです。「滝の瓶」など、泡がまさに滝のように器を覆っています。
 
 食卓に涼しさをもたらすガラスの器は、これからが活躍する季節といえるでしょう。

 ここで、豊平硝子の歴史を、会場にあったパネルをもとに紹介しますと、明治41年、初代の巳亦喜代太郎が11歳で小樽の藤井硝子に弟子入りしたのがはじまりだそうです。
 昭和5年に、釧路に「巳亦硝子工場」を設立。浮き玉を製造しました。
 同14年には札幌にも工場を建て、インク瓶を作ります。
 戦争を経て、同22年に歌志内に工場を建設。28年に札幌・豊平の現在地に移り、社名も「豊平硝子」としたのだそうです。
 49年に巳亦進治が2代目となり、平成4年に巳亦敬一が跡をついでいます。

6月22日(木)~26日(月)最終日、午後6時終了
丸井今井札幌本店 一条館8階美術工芸ギャラリー(中央区南1西2)

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